ヴィム・ヴェンダース監督、ドキュメンタリーと3Dの相性の良さをアピール!

ヴィム・ヴェンダース監督(左)と楠田枝里子(右)
ヴィム・ヴェンダース監督(左)と楠田枝里子(右)
ヴィム・ヴェンダース監督(左)と楠田枝里子(右)
ヴィム・ヴェンダース監督

『ベルリン・天使の詩』(87年)や『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99年)などで日本でも人気のヴィム・ヴェンダース監督が、第24回東京国際映画祭の特別招待作品『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を携え5年ぶりに来日。10月25日に映画美学校で記者会見を行った。

妻とグリーンカーペットを歩くヴィム・ヴェンダース監督

同作は、2009年に世界中のファンに惜しまれながらこの世を去った天才舞踊家ピナ・バウシュの遺した不朽の名作と生きた軌跡を、彼女の20年来の友人であるヴェンダースが3D映画化したもの。

ピナとの出会いについてヴェンダースは「1985年に初めて彼女の舞台を見て、これほど美しいものはないと感銘を受け『あなたの映画を一緒に作らせて』とお願いした。ピナも熱心に作ろうと言ってくれたが、どうすれば彼女のダンスを映像化できるのか、その術を持っておらず、ずっと模索していた」と説明。

今回3Dでの映画化が実現したことについては「60年代に3D技術が現れたもののすぐに廃れ、その存在を忘れていたが、4年半くらい前に新しい3Dのデジタル技術が登場し『これが答えだ』と実感した。だが、ピナと2人でやっと映画を作れると思った矢先に、彼女が突然亡くなってしまい、もっと早く映画作りをスタートすべきだった、3D技術の到着が遅かったと感じ、1度は映画化を断念した」とコメント。

その思いを変えたのは、彼女の死後も踊り続けるダンサーたちの姿で「ピナなしではこの映画は作れないと思っていたが、ピナのためにもダンサーたちと一緒に映画を作ろうと思った」と説明。また3D技術に関しては「なかったら作らなかった。ダンサーたちの舞台に私は入れないと思っていたが、3D技術のおかげでそこに入り込み、作品にできると考えられた」と話した。

3D技術の可能性については「何かもっと良いことができるかもしれないと思わせてくれる。ダンスにも合っていると思う。この作品はまだ第一段階。3D技術についてはもっと探っていきたいし、もっと使っていくと思う」とコメント。映画作家として3D技術を使っていく責任があると語ると、「これまであまり活用されていないが、ドキュメンタリーにこそ3D技術は合っている」と話していた。

その後、ピナと長年の友人でもあったタレントの楠田枝里子が花束を持って登場。楠田は「ヴェンダース監督と同じくピナの大ファンで、彼女の公演を追いかけて世界中をまわるほど夢中だった。彼女が2009年に亡くなったとき、私はピナなしの人生を想像できずに深い悲しみに暮れたが、この作品を見て『ピナにまた会えた!』という気持ちが込み上げ、とても嬉しく思った。この作品はピナやダンスに興味がない方でも楽しめ、新しい何かを発見できる作品。ぜひたくさんの人に見てもらいたい」と作品をアピールしていた。

『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は2012年2月25日より全国順次3D公開となる。

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