映画史上初! アメリカ全土を震撼させた連続殺人鬼を捕らえるために緊急制作された映画!?

#サンフランシスコ連続殺人鬼#ゾディアック#トム・ハンソン#ホラー#気が滅入る特集上映《大暴走・野蛮地獄》#シネマート新宿

(C)2022 American Genre Film Archive. All rights reserved.

60年代後半、サンフランシスコ周辺で20人以上を殺害したゾディアック・キラー

世の中から見向きもされない常軌を逸した映画群を集めた「気が滅入る特集上映《大暴走・野蛮地獄》」が、5月21日よりシネマート新宿で開催される。今回、同特集で上映される『サンフランシスコ連続殺人鬼』のアメリカ版予告編が解禁された。

・上映は「殺人犯を誘き寄せるため」の罠? 全米震撼の未解決事件を映画化、張り込み続けた監督の執念

「気が滅入る特集上映《大暴走・野蛮地獄》」で上映となる『サンフランシスコ連続殺人鬼』は、映画史上唯一、実際の連続殺人鬼を捕らえるために作られた映画だ。本作の題材となった殺人鬼、通称ゾディアック・キラーは、1968年から70年代にかけてサンフランシスコ周辺で20人以上を殺害し、アメリカ全土を震撼させた。デヴィッド・フィンチャー監督作『ゾディアック』(06年)のモデルとしてご存知の方も多いだろう。

トム・ハンソン監督は、このゾディアック事件を映画化すれば、自己顕示欲の強い犯人が劇場に現れると確信。犯人を捕らえるために本作を緊急制作した。その結果、本作はゾディアックにヒントを得た『ダーティハリー』(71年)よりも半年以上早く公開され、初めてゾディアックを描いた映画となった。

また、本作はポール・トーマス・アンダーソンやニコラス・ウィンディング・レフンらをアドバイザーにジャンル映画のアーカイヴを手掛ける組織AMERICAN GENRE FILM ARCHIVE(AGFA)の記念すべき初レストア作品でもある。レストア担当者は「実際の犯罪の再現という点では現実に非常に近い。しかし、それ以外のすべては間違いだらけ。それが本作の素晴らしいところだ」と、現実とフィクションのビザールな混在が本作の魅力だと語っている。

解禁されたアメリカ版予告編は、AGFAがレストアを行った際に制作されたものとなる。おそらくゾディアックだと思われる、怪しい男の後ろ姿を映した様々なカットが続き、テロップで「このくそ野郎を捕まえようぜ!」とハンソン監督の言葉が紹介される。

そして不気味な音楽を背景に、本編中でも最も有名であり、異様に迫力のある湖畔の殺人シーンが映し出される。映像はチープながら監督の本気が伝わる予告編となっている。

日本でもソフト化されている本作だが、劇場では未公開であり、今回の特集上映が日本初の正式上映となる。作品の制作背景、内容、クオリティ、そしてスクリーンから滲み出る制作者たちの執念が、観る者に様々な意味での衝撃を与え、心に何かを刻み込むに違いない。

「気が滅入る特集上映《大暴走・野蛮地獄》」は5月21日よりシネマート新宿にて開催。

INTERVIEW