『ロブスター』でアカデミー賞にノミネートされた脚本家が参加

『ロブスター』(15年)のエフティミス・フィリップが脚本を担当した不条理サスペンス『PITY ある不幸な男』が、2022年2月2日にDVDリリースされる。同作の予告編が公開された。
不幸な時だけ幸せを感じる男の物語。ティーンエイジャーの一人息子と、小綺麗な家に住み、健康で礼儀正しく、おおむね身だしなみは良い、一見何不自由ない弁護士の男性。しかし彼の妻は不慮の事故により昏睡状態に陥っている。彼の日々は妻を想ってベッドの隅で咽び泣き、取り乱すことから始まる。
彼の不幸な境遇を知り、毎朝ケーキを差し入れる隣人、割引をするクリーニング屋、気持ちに寄り添う秘書など同情心から親切になる周囲の人々。この出来事がもたらした悲しみはいつしか心の支えとなり、次第に依存してゆく。
そんなある日、奇跡的に妻が目を覚まし、悲しみに暮れる日々に変化が訪れる。楽園を失った男はやがて自分自身を見失い、暴走する。
監督・脚本は本作が長編2作目となるギリシャ出身のバビス・マクリディス。共同脚本家のフィリップは、ヨルゴス・ランティモス監督の『籠の中の乙女』(09年)『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(17年)などに参加しており、『ロブスター』ではアカデミー賞の脚本賞にノミネートされている。
主人公の弁護士を演じるのは、アカデミー外国語映画賞のギリシャ代表に選ばれたコメディ『ストロングマン』(15年)のヤニス・ドラコプロス。共演は同じく『ストロングマン』のマキス・パパディミトリウほか。
今回解禁された予告編では、昏睡中の妻を抱える主人公の日常が描かれる。彼はもうダメだと頭を抱える一方、妻の死に備えて作った歌を息子に聞かせようとするなど、どこか間抜けでユーモラス。だが、二度と目覚めないはずの妻が意識を取り戻すや、喜ぶどころか暗い表情を見せる。そして浮かび上がる「男の狂気が覚醒する」の文字。悲しみに囚われた男の歪んだ計画とは!?
『PITY ある不幸な男』は2022年2月2日にDVDリリースされる。
https://www.youtube.com/watch?v=7NDpFuDjfMs

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