『クーデター』オーウェン・ウィルソン インタビュー

異国の地で家族を守るために闘う“ごく普通の父親”役に共感!

#オーウェン・ウィルソン

子役が迫真の演技をするから、僕のほうがもっとがんばらなきゃと感じた

東南アジアの某国に、家族を伴い赴任した主人公。だが、突然のクーデターが勃発、外国人が次々と殺されていくなか、果たして彼は幼い娘や妻を守りきれるのだろうか──?

密室ホラー『デビル』で高い評価を得たジョン・エリック・ドゥードゥル監督が、自らの体験をもとに実弟のドリューと共に完成させた『クーデター』は、ごく普通の父親が、見知らぬ土地で家族を守るために闘う姿を描いたサバイバルスリラーだ。

危機に対して何の技も持たないごく普通の父親、そんな誰もが共感する主人公を演じたのは、『ナイト ミュージアム』シリーズなどで人気のオーウェン・ウィルソンだ。彼に、本作の見どころなどを語ってもらった。

──今回演じた役柄について教えてください。

ウィルソン:僕が演じたのはジャック・ドワイヤーという男で、結婚して2人の娘がいる。新しい仕事を始めるところで、キャリアの転機なんだ。若干のプレシャーを感じながら、この映画の舞台となる東南アジアまではるばる家族で行くと、そこで大混乱が起きる。僕のキャラクターは、クーデターの渦中で生き延びるため奔走する。なんとかして家族を守ろうとするんだ。

『クーデター』撮影中の様子
(C)2015 Coup Pictures, LLC. All rights reserved.

──出演の決め手は何ですか?

ウィルソン:すごくワクワクする物語だと思った。ある男が、新たな仕事を始めるために、外国に家族を連れていくと、そこで革命が起こる。そしてどうにか生き残ろうと奮闘するんだ。

──幼い娘をスターリング・ジェリンズとクレア・ギアが演じていますね。共演した感想は?

ウィルソン:2人とも予想以上にすばらしかったよ。2人が迫真の演技をするから、僕のほうがもっとがんばらなきゃと感じたくらいさ。とても感情のこもった演技だった。

監督のきめ細かい配慮で“家族の絆”が生まれた
『クーデター』
ピアース・ブロスナン(右)と。
(C)2015 Coup Pictures, LLC. All rights reserved.

──撮影前に“家族の絆”を育めるよう、監督たちが配慮してくれたそうですね。

ウィルソン:映画の中で親友や家族を演じるのは大変なことさ。出会ったばかりの人が親友なんだ。どうやって親しい空気感を作る? ドゥードル兄弟は、家族のキャストを早めに集めてリハーサルを重ね、一緒に過ごさせてくれた。撮影が始まる前に、みんなで遊びに出掛けたり、ゾウを見にタイの自然公園へ行ったりもした。そういうささやかなことが積み重なって、居心地の良さや親しみが生まれるんだと思う。

──ジャック一家を危機から救うキーマンをピアース・ブロスナンが演じていますね。

ウィルソン:ピアースは、撮影も終わりに近づいた頃に来た。彼の到着は、みんなを元気づけたよ。現場にピアースがいて、すばらしい役柄を演じるのを見られて、すごく嬉しい。

──ジョン・エリック・ドゥードゥル監督が自身のタイ旅行での体験に着想を得て、弟のドリューと共に脚本を仕上げた作品です。ドゥードゥル兄弟とお仕事した感想は?
『クーデター』
(C)2015 Coup Pictures, LLC. All rights reserved.

ウィルソン:2人は熱意とエネルギーに溢れていて、その力に鼓舞されて、みんな一生懸命働いていた。この手のサスペンス映画というのは、ハラハラさせる映画にできるかどうか、大きな重責が監督にのしかかる。ドゥードル兄弟は見事にやってのけたと思うよ。

──お気に入りのシーンは?

ウィルソン:2人の娘役と妻役のレイク・ベルとの共演シーンが好きだ。ただホテルの部屋で過ごしたり、チェックインをしたり、泳ぎに行って叱られたり、テレビを見たり、荷物の整理を手伝ったり。そういうシーンはとても真実味があって、本当の家族のように感じた。

オーウェン・ウィルソン
オーウェン・ウィルソン
Owen Wilson

1968年11月18日生まれ、アメリカのテキサス州出身。メジャー映画とインディペンデント映画で数々の印象的な役を演じ、幅広い演技が称賛を浴びている。これまでに出演した主な作品は、『ナイト ミュージアム』シリーズ、『アルマゲドン』(98年)、『エネミー・ライン』(01年)、『シャンハイ・ナイト』(03年)、『ダージリン急行』(07年)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14年)など。待機作に、ベン・スティラーと再びタッグを組んだコメディ『Zoolander 2(原題)』(16年)がある。