長澤まさみ&柄本佑&石橋静河、普通じゃない3人の愛を語る! 『このごにおよんで愛など』舞台挨拶

#このごにおよんで愛など#のせりん#広瀬奈々子#松井ケムリ#柄本佑#石橋静河#落合モトキ#長澤まさみ

『このごにおよんで愛など』
(C) 2026 K2 Pictures
『このごにおよんで愛など』
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わがままだけど憎めない登場人物たちに込めた思いを明かす

映画『このごにおよんで愛など』のジャパンプレミアが10月24日に開催され、主演の長澤まさみをはじめ、柄本佑、NHK連続テレビ小説『ブラッサム』でも主演を務める石橋静河、落合モトキ、令和ロマンの松井ケムリ、のせりんら豪華キャストが、広瀬奈々子監督とともに登壇した。

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『このごにおよんで愛など』

本作のワールドプレミア上映が行われた釜山国際映画祭では、インフルエンザのため惜しくも現地参加がかなわなかった長澤だが、今回、日本の観客を前に念願の舞台挨拶を迎えた。

自由奔放に振る舞いながらも、どこか憎めない主人公・小島詩を演じた長澤は、「釜山に行けなかったのは残念でしたが、佑さんからお客様がとても楽しんで見てくださっていた、思わぬところで笑いが起きていたというお話を聞いて、たくさんの方に楽しんでいただけたことを実感できました。今日新しくこの映画を見ていただくみなさんにも楽しんでいただけたらと思います」と喜びをかみしめた。

気遣いができ、料理が得意な一方、古き良き家族観との間で揺れ動く詩の夫・小島杜夫を演じた柄本は、「『このごにおよんで愛など』というタイトルの映画です。みなさん、知っていますか?」と、限られた時間を意識した短い挨拶でおちゃめな一面を見せた。

詩に不満を抱きながらも、一途な愛情と強い芯を持つ詩の恋人・倉持潤奈を演じた石橋は、「今日はお集りいただきありがとうございます。今日は自由に見ていただいて、何かを感じ取っていただけたら嬉しいです」とコメント。

代理母出産を経て子どもを育てるゲイカップルの一人で、詩の良き理解者でもあるコンちゃんを演じた落合は、「足元の悪い中お集りいただきありがとうございます。上映前まで楽しい時間にできたらと思います」と挨拶した。

そのパートナー・スギくん役で映画初出演を果たした松井は、「このような作品に携われて光栄です。油断するとスギちゃんと呼んでしまいそうですが、別の方になるので気を付けてください(笑)」と会場の笑いを誘った。

潤奈の職場の後輩・桜井歩夢を演じたのせりんは、「今日は短い時間ですが、最後までよろしくお願いいたします」と挨拶。それぞれが個性豊かなコメントを披露した。

そして、本作のメガホンを取った広瀬監督は、「釜山では長澤さんが残念ながら来られなかったので、今日みなさんでこの日を迎えられることができてとても幸せな気持ちです。」と、キャストがそろった喜びを語った。

『このごにおよんで愛など』

本作は、『夜明け』(19年)で鮮烈なデビューを果たした広瀬監督が、自ら企画・脚本を手がけた長編第2作となるオリジナル作品。多様な生き方が模索される時代だからこそ、既存の価値観にとらわれない作品を作りたいと考えたという。

製作のきっかけを問われた広瀬監督は、「これまでも既存の家族像に対して疑問を感じていました。そんな時に友だちのレズビアンカップルから『子どもができたよ』という報告を受けて、すごく視界が開いた感じがしたんです。その子どもが無事生まれて、いつか大きくなった時に、もっと彼女たちが生きやすい世の中になるといいなと思ってこの物語を書きました」と、作品が生まれた背景を明かした。

劇中では、夫と恋人という2つの愛を手に入れようとする詩(長澤)の突拍子もない提案から始まった、3人の共同生活が描かれる。自身が演じた役柄の魅力について聞かれた長澤は、「“一緒にいたくなる人”なのかなと思います。杜夫と潤奈も詩ちゃんと一緒にいたいと思うのは、言葉だけでは言い表せない空気感や温かみなのだと思います」と回答。

広瀬監督もこれに同意し、「結構わがままで、ともすると嫌われかねないキャラクターなのに、どこか軽やかで心地いいんですよね」と、2人で詩の魅力を分析した。

一方、柄本は「杜夫なりのわがままもあって、ちょっとおかしな提案をしてしまうシーンもあるのですが、やっぱり原動力は詩ちゃんと一緒にいたいという真っすぐさ。そう本気で思っていることが一つ魅力なのかなと思います」と、杜夫の繊細な心の動きを説明。

石橋は「潤奈は仕事もできておしゃれで、とても自立した大人な女性の一面もありながら、心の内側は脆くて子どものような純粋な一面も持った人だと思います」と、強さと脆さを併せ持つ潤奈の魅力を語った。

さらに広瀬監督は「それぞれにちゃんと我が強くて、わがままな部分があるキャラクターです。そこがぶつかり合った時に生まれてくるものを掴み取りたいと思いながら描いていました」と、3人の人物像に込めた思いを明かした。

『このごにおよんで愛など』

続いて、キャストたちが撮影現場でのエピソードを披露。印象に残っているシーンを聞かれた長澤は、特に苦労した場面として、歯磨きをしながら杜夫と会話し、思わず吹き出してしまうシーンを挙げた。

長澤は「口の中で歯磨き粉を泡立てないといけなかったのですが、歯磨き粉には研磨剤がはいっているので、リハーサルから磨いていると口の中がピリついていい刺激でした(笑)」と撮影の裏話を披露し、会場の笑いを誘った。

柄本は印象深い場面としてラストシーンを挙げ、「上映前なのでどういうシーンか言えないのですが、撮りながらすごく楽しかったんです。見た後に『楽しかったんだな!』と思っていただければと思います」と、これから作品を鑑賞する観客に呼びかけた。

石橋は詩と杜夫の家で角煮を食べるシーンについて、「すごくにこやかなシーンなのですが、3人がそれぞれ違う思いを持っていてそのすれ違い具合がヒリヒリハラハラする感じがします」と振り返り、和やかな食事風景の裏に潜む緊張感を紹介した。

さらに、詩、杜夫、潤奈の関係性が変化していく物語を彩る落合、松井、のせりんには、「今だから言いたい共演者への〇〇」という質問が投げかけられた。

落合は「(松井と)撮影の合間も一緒に過ごしていたのですが、ケムリさんのスマホの待ち受けが僕の大好きなお笑い芸人のヨネダ2000さんだったんです」と、松井との仲の良さがうかがえるエピソードを披露。

松井は「撮影中に長めの時間が空いた時に、長澤さんが『お散歩行ってくる!』と行かれて、しばらくして戻ってきたらみんなにぶどうを買ってきてくださって、すごくかっこいいなと思いました」と、長澤の気さくな一面を紹介した。

これを受けて長澤は「美味しそうなぶどうを見つけて、その後も待ち時間がある撮影だったので、みんなでつまめるかなと思って買いました。(このあとの差し入れに)ぶどう使っていいですよ!」と返し、会場を笑わせた。

また、潤奈の職場の後輩役として石橋との共演シーンが多かったのせりんは、「石橋さんが空き時間でご飯を食べられている時に、お弁当バッグに僕がよく行くお店のものを使われていて、『石橋さんも行かれるんだ!』と一人で思っていました(笑)」と、撮影中のささやかな発見を明かした。

『このごにおよんで愛など』

イベント後半には、本作のタイトル『このごにおよんで愛など』にちなみ、「このごにおよんでご自身が愛してやまないものは?」と題したフリップトークが行われた。

長澤は「家族」と回答し、「本作は新しい家族の形を模索していく映画ということで家族って何だろう?とすごく考えましたし、形を変えながら自分の人生にとてもいい影響を与えてくれる存在だなと思いました」と、その理由を説明した。

柄本は、収集をやめられない自分も愛さずにはいられないという「推しグッズ(Tシャツ)の収集」、石橋は自身の前世だと思うほど好きだという「アルパカ」、落合は「自然薯(トロロ)」、松井は「ふりかけ」、のせりんは「グリルズ(口ピアス)」と、それぞれ個性豊かな回答を披露した。

そして、広瀬監督は「映画館」を挙げ、「月並みではありますが、配信もいいですがやっぱり映画館という特別な場所で映画を見るという時間は、私にとって何にも代えがたい時間だと思います。最近は閉館になっているミニシアターがたくさんあって、(ミニシアターは)また別の味わい方ができると思うので、ぜひ足を運んでいただきたいです」と、映画館への熱い思いを語った。

最後に、登壇者を代表して長澤は「家族のあり方はそれぞれで、たくさんいろんな色があっていいのだなと思います。物語の中では詩ちゃんと杜夫くんと潤奈が自分たちはどんな家族を作りたいんだろうと悩みながら、日々を一生懸命に生きている姿が描かれています。それをみなさんに見届けていただけたら嬉しいなと思います。ぜひ楽しんでください」と呼びかけた。

続いて広瀬監督は「この映画はLGBTQ+を扱ったクィアな作品です。好きな人と一緒に生きていきたいというのはすごくシンプルな願いだと思うのですが、社会の制度などによって当事者間の気持ちだけでは難しい時もあります。だからこそ当事者の方々だけでなく、たくさんの人を巻き込んでいろんな人に見ていただけるように作りました。セクシュアルマイノリティの方もそうでない方も、ご自身の人生と重ねながら見ていただき、当たり前だと思っていた家族の枠組みについて考えるきっかけになったら嬉しいです」と、作品に込めた思いを伝えた。

『このごにおよんで愛など』は2026年11月27日より全国公開。

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