『海角七号』ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー

主人公のアガを演じたファン・イーチェン(右)と友子を演じた田中千絵(左)
主人公のアガを演じたファン・イーチェン(右)と友子を演じた田中千絵(左)
主人公のアガを演じたファン・イーチェン(右)と友子を演じた田中千絵(左)
田中千絵
ファン・イーチェン
「海角七号/君想う、国境の南」
シネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開中
(C) 2008 ARS Film Production. All Rights Reserved

2008 年8 月に台湾で公開され、台湾で上映された同国映画としては歴代1位、外国映画を含めても『タイタニック』に次ぐ歴代2位の大ヒットを記録したのが、この『海角七等/君想う、国境の南』だ。

敗戦後まもなく、台湾から日本へと戻る引き揚げ船に乗っている若き教師。彼は日本に着くまでの7日間で、台湾に残してきた恋人への尽きせぬ想いを手紙に綴っていた。一方、60年後の現在、郵便配達をしているアガは、今は存在しない「海角七号」という住所宛に届けられた小包を見つける。中には7通の手紙が入っていた。それこそが、日本人教師があの船の中で、恋人の友子宛に綴った手紙だったのだ……。

手紙入りの小包を見つける主人公の阿嘉(アガ)役を演じるのは、台湾のポップスター、ファン・イーチェン。日本から働きに来ていて、アガと反発し合いながらも恋に落ちていくヒロインの友子役に、この映画の大ヒットでアジアのスターに躍り出た田中千絵。2人に初対面の印象や撮影の裏話、そして、この映画と出会ったことで変わったことなどを語ってもらった。

[動画]『海角七号/君想う、国境の南』 ファン・イーチェン、田中千絵インタビュー

──2人はこの映画ではじめてお会いしたそうですが、初対面の印象は?
田中:『海角七号』がクランクインする前、リハーサルがあったんです。そこではじめて会ったのですが、まず感じたのは、アガという主役のイメージそのままの人だなってことです。
 最初は、すごくクールな人だなって思っていました。あんまり喋るイメージもなくて。でも、撮影に入ってからは、ものすごくユーモアのある人で、音楽の才能にも長けているし、本当にアガという青年がそのまま現れたっていうイメージでした。
ファン:僕はそのリハーサルの場所でお会いするまで、この映画のヒロインってどんな人なのかな? 噂では日本の女性って聞いているけどと、ずっと期待していたんです。そしたら田中さんが階段から降りてきて、「うわー、すごい、きれいな人だな」っていうのが最初のイメージですね。

──2人で一緒に演技レッスンも受けたそうですが?
田中:映画が資金難になって、クランクインが半年間、伸びてしまったんです。そこで私が先に、演技レッスンを受けていたんです。OLさんみたいにクランクインまでの間、毎日、事務所に通って、『海角七号』の中国語のセリフなども教わっていました。その後、クランクインが決まって、撮影に入る1か月くらい前から、特別にこの映画のためにレッスンをという形になって、ファンと一緒に受けはじめたんです。
ファン:レッスンでは、先生からテーマを与えてもらって、そのテーマについて、きちんと準備し、先生の前で演じてみせるというのが主な内容でした。今でも覚えているテーマの1つが、映画本編にもあるのですが、田中さんに歌って聴かせるシーン。そして、もう1つがキスシーンです。
田中:私に歌って聴かせてくれるレッスンは、すごく大変だったと思います。先生はもともとミュージシャンで、この映画では音楽が1つの大きなテーマでもあるので、彼が私に歌を聴かせ、私が本当に心から感動したら手を繋いでって言われたんです(笑)。楽曲も彼が自分で選んでくれ、ギターもわざわざ家から持ってきてくれたのですが、私が本当に感動して、彼の手を握るまでにすごく時間がかかっちゃったので……。
──すぐに手を握ろうとは思いませんでした?
田中:この映画にとって、彼が演じるアガと私が演じる友子という役は本当に重要なので、そこら辺はきちんと心から作っていきたいなと思ったんです。
──ファンさんはそのとき、どうしてすぐに手を握ってくれないんだって思いませんでした?
ファン:お会いしてまだ時間が経っていなかったので、親しくなっていないのが原因かなとは思っていました。
──それでキレかかったりはしませんでした?
ファン:自分のせいかとも思いました。自分の歌に感情が入っていなくて、感動してもらえないのかと。

──では、キスシーンはどうでしょう? どっちがリードしていましたか?
ファン:本番では僕がリードしました。なぜかというと、そのシーンは、まず友子が手を繋いでくれ、それがきっかけで、僕が演じるアガが主導権を握るからです。
──うまくリードしていただきましたか?
田中:はい(笑)。

──この映画は、届かなかったラブレターが重要なアイテムになっています。2人はラブレターを書いたことがありますか?
ファン:もちろん、書いたことはあります。17歳のときに告白のためにラブレターを出したのですが、告白なので、特に深い内容は書いていないです。
田中:私は高校生の時に書いたことがあります。でも、書いたことよりも、幼稚園のときに男の子からもらった思い出がすっごく強くて(笑)。内容は覚えていないんですけど、幼稚園のときにラブレターなんて、そんなによくわからないじゃないですか。まわりで幼稚園の先生がキャーキャーと騒いでいて、それがすごく印象的でした。

──この映画はアジア中で大ヒットしました。ヒットを受けて人生は変わりましたか?
ファン:変わったことは多いですね。自分は歌手としてデビューして、歌手活動しかしてこなかったのですが、この映画の大ヒットで、たくさんの方にファン・イーチェンという名前を知ってもらえました。注目されたことは僕の人生のターニングポイントになっていると思います。
田中::私も大きなターニングポイントになったと思います。16歳のときに日本でデビューし、映画やドラマに出演してはいたのですが、『海角七号』という素晴らしい映画に出会えたことで、映画界のスタートラインに立たせてもらえました。この作品を通して、私もアジア映画からのオファーが多くなりましたし、日本以外でも大勢の方が、私のことを知っていてくださる。この映画には「夢をあきらめてはいけない」っていう1つの大きなテーマがあるのですが、そのテーマを改めて感じさせてくれたのが、この映画でもあります。

──最後に読者に向けて、メッセージをいただけますか?
ファン:みなさん、こんにちは。ファン・イーチェンです。この映画は家族揃って楽しめる映画です。この時期は寒いですが、劇中、夏の風景がたくさん出てきますので、この映画を見て、温かく感じてもらえると嬉しいです。
田中:はじめまして、田中千絵です。私は『海角七号』でヒロインの友子という役を演じています。私もそうですが、友子も1人で台湾に渡り仕事をしていて、見た目はすごく強そうな感じなんですが、結構、弱い一面もあったり、本当にかわいらしい女性です。『海角七号』は音楽、夢、そしてラブストーリーと、国境を越えて、人が普遍的に持っているテーマが、たくさん描かれています。台湾で上映されて1年という時間が経ちましたが、こうして日本のみなさんに『海角七号』の感動を伝えることができ、嬉しい限りです。ぜひ、応援をよろしくお願いします。

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