藤本泉、震災がモチーフの映画に主演し「とても考えさせられました」

藤本泉
藤本泉
藤本泉
左から白羽弥仁監督、藤本泉、竹下景子

『劇場版 神戸在住』の完成披露試写会が、オールロケーションを行った街・神戸にあるシネ・リーブル神戸で11月25日に行われ、主演の藤本泉、竹下景子、白羽弥仁監督が舞台挨拶を行った。

[動画」『劇場版 神戸在住』

本作は、父の転勤で東京から神戸へやってきて、今は大学の美術科に通う19歳の辰木桂が、中年の主婦に「震災前は、あそこに私らの家がありましてん」と声をかけられたことから、初めて阪神・淡路大震災の惨禍に見舞われた街にいるのだと意識し始めて展開するストーリー。

主人公の辰木桂を演じた藤本は埼玉県出身だが、本作の撮影中ずっと神戸に滞在していたそうで、神戸について「本当にきれいな街というのが第一印象です。中華街や異人館があって、海があり山があり、素敵なものが凝縮された美しい街ですね」と絶賛。

阪神・淡路大震災の時にはまだ3歳だったという彼女は「私は桂の等身大のような気持ちでした。初めて神戸に引っ越してきた桂は、神戸の街で生きていくなかで、震災の傷跡を目にしていきます。私自身も撮影をしていくなかで、少しずつそういう傷跡に触れて初めて、このきれいな建物が立ち並ぶ神戸の街は、震災という悲しい過去によって造られたのかと、過去の震災というものがあっての今なのだと、とても考えさせられました」と語った。

一方、1996年にスタートした震災復興支援の「詩の朗読とメモリアルコンサート」に99年から14年間参加し続けている竹下は「実は震災前の神戸はほとんど知りませんでした。ですので、心のどこかで震災前を知らない私がここにいていいのか? という思いがあって、その小さな棘を抱えたまま通い続けた神戸でした。でも、今回この映画で、今の神戸の“街”が魔法で“人”に生まれ変わったような素敵な役をいただき、神戸の街と神戸に住むみなさんに、少しでも気持ちが近づけたのではないかと感謝しています」とコメント。

続けて「私自身(震災から)20年と言われてもピンと来なかったのですが、こんなに可愛い藤本さんが震災を知らない世代と知り、こんなに時間が経ったんだなと、まず私自身が驚きました」と述べていた。

本作は、兵庫県、大阪府を放送エリアとし2014年度に開局45周年を迎えるサンテレビジョンが、2015年1月17日が阪神・淡路大震災から20年目にあたることから制作した作品。テレビ放送版と劇場版が、ともに2015年1月17日にオンエアと公開初日を迎えるという日本のメディア史上初の試みが行われている。

『劇場版 神戸在住』は2015年1月17日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開となる。

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