もはや子ども向けとは言えない! 5年連続で最高記録を更新し続けるお化けアニメとは?

#名探偵コナン#映画興収レポート

『名探偵コナン ゼロの執行人』
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『名探偵コナン ゼロの執行人』
(C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

4月公開作の1位は『名探偵コナン ゼロの執行人』。東京で開かれるサミットの会場で爆破事件が発生。新一の幼馴染・蘭の父親で探偵の毛利小五郎が逮捕されるが、事件の裏には謎の男・安室透の姿があった。コナンは安室と対峙する。主題歌は福山雅治。

4年連続で右肩上がり! 春休み映画は『ドラえもん』がぶっちぎりの勝利

安室はシリーズで人気のキャラクター。安室は、黒ずくめの組織の「バーボン」、本名「降谷零」で警察庁警備局警備企画課「ゼロ」に所属する公安警察の捜査官、私立探偵・安室透として活動する3つの顔を持つ。16年『純黒の悪夢』で劇場版に初登場した。 

近年のシリーズの興行成績は絶好調。『絶海の探偵』(13年、36.3億円)、『異次元の狙撃手』(14年、41.1億円)、『業火の向日葵』(15年、44.8億円)、『純黒の悪夢』(16年、63.3億円、『から紅の恋歌』(17年、68.9億円)と5年連続でシリーズ最高を更新し続けている。

子どものころに見たファンが大人になっても見続け、ファン層が広がっているからだ。配給元・東宝の発表によると、初日の客層は男女比が31対69、年齢別では20代が40.8%と最も高く、『コナン』はもはや「子ども向け」ではなく「若者向け」アニメ映画といえるだろう。さらなる記録更新の可能性は十分だ。

2位は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』。3月14日にはジェイク・カスダン監督、出演者のカレン・ギランとニック・ジョナスが来日し、スペシャルスクリーニングイベントに出席。28日には加山雄三、乃木坂46の斉藤優里、川後陽菜がPRイベントを実施した。またスマートスピーカー「グーグルホーム」、ハンバーガーショップ「ファーストキッチン・ウェンディーズ」、カラオケ「ジョイサウンド」などとタイアップを実施した。宣伝ではSNS展開を重視。全国で実施したIMAX試写会はすべてツイッターで募集をかけた。公開1週間前の3月30日から全国のMX4D、4DXスクリーンで先行上映。熱心なファンによるSNS拡散を狙った。

3位は『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱』。主題歌を担当し声優としても出演したももいろクローバーZが公開直前イベントに参加。話題性の喚起に一役買った。配給元・東宝の発表によると、初日の客層は男女比が57対43、年齢別では小学1〜3年生が29.1%、幼稚園・保育園児が16.7%、小学4〜6年生が15.3%。『コナン』とは異なり子ども中心の客層だった。(文:相良智弘/フリーライター)

[4月公開作ランキング]
1位『名探偵コナン ゼロの執行人』32.3億円
2位『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』9.6億円
3位『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱』6.5億円
(4月22日時点。ムビコレ調べ)

相良智弘(さがら・ともひろ)
日経BP社、カルチュア・コンビニエンス・クラブを経て、1997年の創刊時より「日経エンタテインメント!」の映画担当に。2010年からフリー。