『覚悟はいいかそこの女子。』中川大志インタビュー

ツンツン女子は苦手!?“愛され男子”が女子のタイプを告白

#中川大志

素顔は“ヘタレ”や“おっちょこちょい”に近いかも

王子様系や俺様系じゃなく、“ヘタレ男子”を描いて人気となった椎葉ナナ原作の少女漫画「覚悟はいいかそこの女子。」が実写映画化された。イケメンでちやほやされて生きてきたが、本気の恋はしたことのない古谷斗和が、学年1の美少女でクールビューティの三輪美苑を落とそうとあれやこれやと奮闘するうち、美苑の繊細な内面を知って惹かれていくさまを描いている。

斗和はカッコつけようとしても決まらないし、押しには弱くて女の子に強く出られると及び腰になってしまうヘタレ男子だ。そんな斗和を、愛嬌のある憎めない男の子として演じてみせた中川大志に話を聞いた。役柄や作品についてはもちろん、女子のタイプについてや20歳になった心境についてなども飾ることなく語ってくれた。

──原作は読まれましたか?

中川大志

中川:はい、読みました。これまでの少女漫画だとS系の男の子が女の子を振り回すのがパターンだったけど,これは逆なのが新しかった。斗和はカッコつけてなくてダサくなっていく姿こそが魅力で、この役をやりたいと思いました。

──確かに斗和はカッコいいイケメンではないけれど、一生懸命なところがかわいい男の子でした。

中川:高校生にしては純粋で幼く思えたので、共演者たちで話し合って、中学2年生ぐらいの感じで行こうということになりました。あまり物を知らなくて、喜んだり悲しんだりいちいちリアクション大きくて、そこがコミカルに見えるといいなという狙いでした。

──男子はかわいいのに比べてヒロインはツンデレどころかツンツンでしたけど、こういうタイプの女子についてどう思いますか?

中川大志

中川:自分からは話しかけないと思うし、好きにはならないと思います。何かのきっかけで話すようになって、ツンだけじゃない違う面が見えると気になってくるかもしれないけど。

──同世代の役者たちとの共演はいかがでしたか?

中川:刺激的で楽しかったです。「そういう芝居するんだ!」ってお互いに意識し合ってる空気を感じたり、一緒に作品を作っていくのが楽しいです。次に撮影するシーンについて自分たちで話し合って決めたり。リハーサルでやってみて採用してもらえると嬉しくて。

──例えばどのシーンですか?

中川:どこというより全部そんな感じです、男子だけのシーンはとくに。こういうパターンもあるよねって言っていろいろ意見を出し合って。セリフを足したり、アドリブ入れたりというだけじゃなく、全体的なノリとかも。監督が任せてくれたので。

──井口監督とはドラマシリーズ『監獄学園 プリズンスクール』でもご一緒されてますし、信頼関係ができているんですね。

中川大志

中川:信じてくださってると思います。最初に好きにやらせてくれて、本番でもそのままやらせてくれたり、ある程度こちらに任せてくれるからやりがいを感じます。

──印象に残っているシーンはありますか?

中川:後半のひたすら走るシーンですかね。結構大変でした(笑)。見ていただいたらわかりますけど、僕がある人を抱えながら走るんですけど、キツかったですね。でも、走るシーンって青春だな!って思うので、すごく楽しかったし、感動できるシーンになってんじゃないかと思います。

──斗和はヘタレ男子ですが、『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』の天馬は王子様系、『虹色デイズ』のまっつんはチャラ男といろんなタイプを演じられてますが、ご自身に一番近いのはどのキャラですか?

『覚悟はいいかそこの女子。』
(C)2018 映画「覚悟はいいかそこの女子。」製作委員会 (C)椎葉ナナ/集英社

中川:うーん、難しいな、決められない。全部自分にある要素を含んでいるから。逆に僕を知ってる人に聞きたいですね(笑)。天馬くんは全然違うって言われました。斗和は近いかもしれないです。

──王子様よりもヘタレやおっちょこちょいのほうが近い?

中川:そうですね、そっちの方が近いです(笑)。斗和そのままじゃないけど。自分のなかにある部分を極端にして、リアクション大きくしたりしました。

初めて飲んだのは打ち上げじゃなくてプライベートで
──自分とは違うキャラクターになりきるよりは、自分の中にある要素を増幅させてキャラクターに取り組むタイプですか?

中川大志

中川:そうです、自分の中にないものはできない、出てこないですね。どこかしら……どこか自分の中にあるものを探して似た要素や感情を引き出していく感じです。まったく自分の中に皆無というものは出せないですね。

──将来的にこういう役者になりたいという目標はありますか?

中川:僕はいろいろ手を出したいタイプなので、いろんな役にチャレンジしたいです。自分が本当に面白いと思えるものに参加できていたら嬉しいです。内容がどんな作品でもどんな役柄でも、心の底から面白いと思えるものに関わっていきたいです。

──具体的にやりたい役柄などありますか?

中川:なんですかねぇ、狂気じみた役とかやってみたいですね。あとは学生役じゃなく社会人の役で、そのキャラクターがしている仕事についてリサーチしてその職業の役柄を演じるということをしたいです。

──今年20歳になりましたが、心境の変化はありましたか?

中川大志

中川:子どものときからこの仕事をしてきて、学校を卒業して社会人になりました、と言っても日常が劇的に変わるということはないんですけど、自分の仕事に対する姿勢や緊張感が変わりました。というか、自分で意図的に意識を変えないと、そのまま変わらずになっていってしまうので、責任感と緊張感を持っていないといけないなと考えるようになりました。

──誕生日当日はどのように過ごしましたか?

中川:ドラマの撮影をしていたので、現場で共演者のみなさんにお祝いしてもらいました。

──20歳になって成人したらしてみたいことなどありましたか?

『覚悟はいいかそこの女子。』
(C)2018 映画「覚悟はいいかそこの女子。」製作委員会 (C)椎葉ナナ/集英社

中川:打ち上げに出たかったんです、今までは帰らなきゃいけなかったので。参加できたときは嬉しかったです!

──初めてお酒を飲んだ感想は?

中川:初めて飲んだのは打ち上げじゃなくてプライベートでした。やっとだなって思いましたね。先輩方やお世話になった方に、20歳になったらお酒を飲みに行こうって言ってもらっていたから。これからはご一緒できるのが楽しみです。

(text:入江奈々/photo:中村好伸)

中川大志
中川大志
なかがわ・たいし

1998年6月14日生まれ、東京都出身。小学生のときから子役として芸能生活をスタートさせ、高視聴率ドラマ『家政婦のミタ』(11年)で注目される。NHK大河ドラマ『真田丸』(16年)ではベテラン俳優にまじっても引けを取らず印象を残す。映画『今日のキラ君』『ReLIFE リライフ』(共に17年)では主演を務め、『虹色デイズ』(18年)では高杉真宙らとカルテット主演を果たす。また『花より男子』の新章となるドラマシリーズ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(18年)では主人公の許嫁である馳天馬役を演じて好評を博した。