上質リビングシアターのインテリア:アルフレックスCASTELLOにみるソファとラウンジチェアのあり方

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CASTELLO

映画や音楽を肴に豊かな家時間を過ごす「ホームシアター」のある暮らし。大画面といい音を心ゆくまで楽しむには、上質なインテリアが欠かせない。ここでは、リビングシアターが映えるインテリアのポイントを踏まえて新製品を見ていくことにしよう。

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「コスパ重視/量産型」と「高級/カスタム型」の二極化は、インテリアにも明確なトレンドとして表れており、「ボリュウムゾーンよりもハイエンドゾーン」へとシフトする流れをこれまで以上に意識するようになったブランドも目立つ。

アルフレックスジャパンもそのひとつで、この秋投入してきたのは堂々たる高級志向のアイテムたち。もっとも今回のシリーズは、少子高齢化やオリンピック後に求められるのは?と自問自答した結果、市場におけるポジションを底上げすべく約2年掛けて準備してきたもので、アフターコロナを見据えたものではなかった。

むしろ、今年の秋にリリースしようと準備を重ねていたものの、このコロナにあって果たして高額商品が売れるのだろうか?と社内では議論があり、この時期の市場投入が危ぶまれたものだった。

しかし、このコロナがかえって「高級カスタム型」市場を確固たるものにしたと見るべきだろう。巣ごもり時代が、人々に家でどんな生活をしたいのかを改めて振り返るきっかけを作ったのは間違いなく、それゆえに、せっかく買うのならば、耳にする噂を頼りにするよりも、本当に自分が欲しかったものを探し当てる“コダワリ消費”、“本物志向”の「間違いのないもの探し」をしようという意識が高まったからだ。

そんなニーズに応えるべく本質論をぶつけて開発したアルフレックスの商品群を具体的に見ていく。

“城”という名の堂々たる風格のハイエンドソファ

リビングシステムのCASTELLO(カステッロ)は、高級志向の原点に遡って開発された象徴的なシリーズだ。

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一般的にソファで高級志向といえば、レザーの3シーターが定番だ。しかしCASTELLOでは、むしろ一人ひとりがキチンと座れるスペックを求め、1人座りの集合体であるモジュラー式が提案されている。

また、このカテゴリーの製品は、できる限り大きくて立派なソファにしようとするあまり四角四面で重たい印象になりがち。その点CASTELLOは、イタリア語で“城”を意味するその名の通り威風堂々とした力強い印象を与えながら、日本らしい精密な加工が面白味と動きを加え、軽やかな仕上りとなっているのも見逃せない。

デザインを手がけたのは、アルフレックスが長年タッグを組むセルジオ・ブリオスキ。肩の上まで深く支える背もたれは、ハイバックソファ並みのサポート力で頭部まで支え、長時間の映画視聴にもピッタリ。独立したヘッドレストは、水平基調のデザインワークにおけるアクセントにもなっている。照明による陰影にまで気を配られた背クッションのステッチワークも見事だ。

シート内部には、自然素材ではなくマイクロファイバーを採用。沈みすぎずシアター用途でも快適なうえ、立ち上がったあと整えなくてもすぐに美しいフォルムを復元するのは、むしろ今風の感覚に添う。その上、脚部のベースに用いられたメタリック色のアルミは、キラリと光るセンスも覗かせる。

テーブルは工芸品さながらの無垢材削り出し

このCASTELLOには、ソファに組み合わせるリビングテーブルも用意される。

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ソファのコーナーに配置できるコーナーコンソール(¥563,000/税別)は、格子による縦のラインが、ソファの水平基調のデザインと呼応してリズムを生んでいる。この格子は驚くことにブレード状に削り出されており、陰影が柔らかく浮かび上がる仕掛けだ。

また、4サイズあるコーヒーテーブル(¥176,000/税別〜)の天板は、無垢材削り出しながらわずかに立ち上げた廻り縁とする凝った作りを施したことで、動きのある表情を醸し出している。

高級家具のアイコン=ラウンジチェアも座り心地よく仕上げる

CASTELLOのソファとテーブルを用意した上で、「ハイエンドのリビングソファセットにはモダンファニチャーの古典的要素が必要」と考えたアルフレックスは、アイコニックなものとしてレザーのラウンジチェアも開発した。

そのELSA(エルザ、¥560,000/税別)をデザインしたのは大城健作。ミラノに20年近く住み、イタリア家具を知り尽くしているデザイナーだ。

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しっとりと体にまとわりつくようなフォルムは、トスカーナにある丘陵=エルザという名の由来通り。意匠のみならず、機能的にもきちんと座れてアイコニックなものを希求した成果だ。

高級ラウンジチェアの多くは、意匠を優先して厚革を使うため、硬くて滑りやすい。その点ELSAは、軟質モールド(成型)ウレタンに新手法のなめし方により、薄く柔らかい質感と厚革の表情を併せ持つ革を張って座り心地を確保した上で、厚革同様のステッチを施して上質な印象を兼ね備えることに成功した。しかもこのウレタンは、超硬質モールドウレタンで骨組みを構成した上で、内側に軟質モールドウレタンを組み合わせることで、映画作品と向き合いたい人にこそうってつけの座り心地になっているのが心憎い。

同じブランド内でも目的と用途次第で選択肢が違う

ラグジュアリーなリビング作りに何を重視するかは人それぞれだとは思うが、意匠やブランドイメージだけでなく、自分にとって重要な要素を見つめ直すことが重要だとアルフレックスの新製品は教えてくれる。家族みんなでゆったりと映画を楽しめるソファCASTELLOと、ひとり作品に集中したいチェアELSA。このふたつを比べるだけでも、目的と用途に応じた選び方があることがわかるだろう。(文:fy7d)

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