のん「救いになる役だと思った」 “かえるくん”役で挑む村上春樹映画に手応え

#アフター・ザ・クエイク#のん#井上剛#佐藤浩市#映画#渡辺大知#鳴海唯

『アフター・ザ・クエイク』
(C)2025 Chiaroscuro / NHK / NHKエンタープライズ
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』
『アフター・ザ・クエイク』

『あまちゃん』以来のタッグで挑んだアフレコ、自然体で“かえるくん”を表現

映画『アフター・ザ・クエイク』の公開記念舞台挨拶が開催され、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市、のん、井上剛監督が登壇。互いの初共演や役づくりのエピソードを振り返りながら、自然との格闘や“かえるくん”役への挑戦など、現場での裏話を披露した。

・のん『アフター・ザ・クエイク』でかえるくん役!「ぐいぐい涙腺が刺激されました」と感動コメント

満員御礼で実施されたこの日、25年前に刊行された短編連作を2025年の今、映画化した経緯について井上監督はこう解説した。「今年は阪神・淡路大震災から30年。かつて阪神・淡路大震災を題材にしたドラマや映画を作ったことがあって、それからだいぶ経って今年何かできないだろうかと相談したところ、プロデューサーから原作小説を頂いた。それはかつて震災をテーマにした映画を作った時に参考にしたものだったので、縁を感じました」。

『アフター・ザ・クエイク』

・『アフター・ザ・クエイク』公開記念舞台挨拶の写真をもっと見る

家出をして地元から離れた地域で暮らす順子役を演じた鳴海は、海辺での撮影について「本物の焚火で撮影をしたので、風向きが変わるたびにカメラポジションを変えて撮影しました。自然には敵わないなと思わされる瞬間がたびたびありました」と、苦労を振り返った。

「神のこども」として育てられた青年・善也役の渡辺は、プライベートで「兄貴!」と慕う渋川清彦との初共演にしみじみ。「現代パートで対峙した時に、30年くらい時が経ったように一気に歴史を背負っている渋川さんに重みを感じて圧倒されました。まるでタイムスリップしてきたかのような…。さすが兄貴だなと思いました」と改めてリスペクトを語った。

『アフター・ザ・クエイク』

歌舞伎町を舞台に、身長2m以上ある“かえるくん”と共演した佐藤は、「最初に監督から読んで欲しいと渡された僕のパートの内容がチンプンカンプンで意味がわからなかった。でもその後に原作を読んで“なるほど”と納得しました」と語り、映画ならではのマジックリアリズムに唸った。

かえるくんの声を務めたのんについては、「どんな覚悟を持って演じられるのかと思ったけれど、のんさん自身が“これではない”と気付き工夫しながらやられている気がして、かえるくん=のんになっていた。頑張ったなと思って、凄く良かった」と絶賛した。

『アフター・ザ・クエイク』

一方、そのかえるくんの声を務めたのんは、「かえる役は初めてだったので、どんな声になるのだろうかとビックリした。原作も読んで、かえるくんが救いになる役だと思って、意外と責任重大だけど頑張ってやってみようと思いました」とにっこり。

井上監督とは連続テレビ小説『あまちゃん』で関係性を築いており、「朝ドラでとてもお世話になったので、そういう繋がりもあってこれは安心して飛び込もうと思いました。変わらずの井上ワールドだったので軽快に明るく演出してくれたので、楽しくアフレコ出来ました」と伸び伸びと声を当てられたことを報告した。

終盤には出演者の岡田将生からVTRが届き、「見た人の数だけ解釈が分かれる作品だと思いますので、皆さんの感想が本当に楽しみです。村上春樹さんの唯一無二の世界観を最後まで楽しんでください」と呼びかけた。

『アフター・ザ・クエイク』

最後に佐藤は、「なぜ4本の連作なのか、そしてなぜかえるくんが続編なのか。見る人によって解釈は変わると思います。再生の話なのか、蘇生の話なのか。そのニュアンスを自分の心の中で感じていただければ幸いです」とPR。

井上監督も、「日本の30年の節目を4つの章で描きました。見た方の中でもそれぞれの節目があると思います。本作はたまたま4つの物語ですが、それの間なのか後の話なのか、ご自分の中にある物語を想像して感じていただければ嬉しいです」
と語った。

『アフター・ザ・クエイク』は現在公開中。