カンヌ国際映画祭が開幕! ジョニー・デップのレッドカーペット登場にフェミニストから批判の声も?

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ハリウッド・リポーターより
ハリウッド・リポーターより

ジョニー・デップ、オープニング作品への称賛の拍手に感極まる

76回カンヌ国際映画祭が16日(現地時間)に南フランスのカンヌで開幕し、フランスのマイウェンが監督・主演し、ジョニー・デップがフランス王のルイ15世を演じた『Jeanne du Barry(原題)』がオープニング作品として上映された。

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髪をポニーテイルにしてメイン会場のレッドカーペットに登場したデップは、マイウェンや共演のパスカル・グレゴリーやメルヴィル・プポー、ピエール・リシャールといった共演者たちと映画祭名物の長い階段を上がり、観衆の声援に応えた。

18世紀フランスで、貧しい身分から美貌と野心で貴族と結婚し、やがて国王の公妾となったジャンヌ・デビュ・バリー夫人を主人公にした『Jeanne du Barry』上映後の会場ではスタンディング・オベーションがあり、デップもマイウェンも感極まって涙ぐんでいた。

同作はフランスでは同日に劇場公開されたが、一部の劇場ではフェミニストたちが、デップに元妻アンバー・ハードへのDV疑惑があったことを問題視して「世界で最も権威ある映画祭の開幕で、攻撃者がレッドカーペットで観衆に手を振る選択をするのは……明確で破壊的なメッセージを伝えることになります。2023年、被害者とそのアライ(味方)の声は他者によって疑問視され、無視され、沈黙さらされ続けています。私たちが大切にしている思想や価値を守る映画は、物語や表現だけでなく、製作や上映の方法においてもそうであることを要求します」と訴えるチラシを配布。映画祭会場でも同じものが配られた。

映画祭のコンペティション部門審査員の記者会見ではブリー・ラーソンがコンペ外の同作を見るかを尋ねられ、審査員の立場から「(質問の)相関関係や、なぜ特に私に聞くのか理解できません」としながら、見るかどうかもわからない作品なので「もし見るとしても、どう感じるかは分かりません」と答えた。

今年の審査員長は昨年、『逆転のトライアングル』で2度目の最高賞パルムドール受賞を果たしたスウェーデンのリューベン・オストルンド監督。「私たちはそれぞれ大きく異なる背景を持っています。そしてそれこそが、私たちがここにいる理由です」と世界中から審査員が集められた意義を語り、「意見の一致に囚われるべきではないと皆に促したい」と強調した。

ある意見が大勢を占めたとしても迎合せずに自分の意見を表明できる場にしたいと言い、「賢くなる必要はない。何か言いたい時は自分の最初の直感に従うだけでいい」「馬鹿なことを言うのを恐れないでほしい」と語った。

また、俳優・監督・脚本家でもあるポール・ダノはオファーが来た際、妻のゾーイ・カザンに「ぜひ引き受けて」と言われたと明かした。

さらに「私の妻は今、生後半年の子どもを胸に抱えてピケに参加中です」と、現在アメリカで続く脚本家組合(WGA)のストライキに妻が参加していると語り、「私も戻ったら、彼らと一緒にピケに行きます」と表明、場内で拍手が起こった。

今年の審査員は上記3人のほか、『TITANE /チタン』(21年)で第74回のパルムドールを受賞したジュリア・デュクルノー監督(フランス)、『青いカフタンの仕立て屋』(616日公開)のマルヤム・トゥザニ監督(モロッコ)、アティーク・ラヒーミー監督(アフガニスタン出身)、ルンガーノ・ニョニ(ザンビア)、俳優のドミニク・メノシェ(フランス)、ダミアン・ジフロン監督(アルゼンチン)が務める。

カンヌ国際映画祭は27日(現地時間)まで開催され、日本からは是枝裕和監督の『怪物』が17日(現地時間)にコンペティション部門エントリー作として最初に上映される。

日本からは北野武監督の最新作『首』が「カンヌ・プレミア」で上映されるほか、役所広司が主演するヴィム・ヴェンダース監督の日独合作『PERFECT DAYS(原題)』もコンペティションにエントリーしている。

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