アカデミー主演女優賞ノミネートで物議…アンドレア・ライズボローが心境語る「映画業界は忌まわしいほど不平等」

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ハリウッド・リポーターより
ハリウッド・リポーターより

『エブエブ』のミシェル・ヨーはライズボローを擁護

3月発表の第95回アカデミー賞主演女優賞のノミネーションをめぐって、事前のキャンペーン活動が物議を醸したアンドレア・ライズボローが、騒動後初めて心境を語った。

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ライズボローは『To Leslie(原題)』で主演女優賞にノミネートされたが、作品は低予算で興行成績も低く、前哨戦ではほとんど注目されていなかった。だが、彼女の名演がこのまま埋もれてしまうのは忍びないとばかりに、グウィネス・パルトロウやシャーリーズ・セロン、ケイト・ウィンスレットなどハリウッドの大物スターたちが上映会やQ&Aセッションを開催して猛プッシュした結果、ライズボローは主演女優賞候補5人のうちの1人に選出された。

だが、このキャンペーンがアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)による規定に抵触するのでは、という声が上がり、ノミネーション発表後にAMPASが調査を開始する騒動に発展した。調査の結果、ノミネートの変更は行われないことが決定した。

ライズボローは業界誌「The Hollywood Reporter」のインタビューに応え、ノミネートされたことにも、その後の反発に驚かされたと語った。

「すべてを噛み砕く時間があれば、少しは理解できるかもしれません」と、まだ事態を消化しきれていない心境を明かしつつ、ライズボローは「混乱していますが、映画を見てもらえるのは素晴らしいことです。本当に明るい光ではないでしょうか。何かに取り組むとき、その作品が何らかの形で浸透することを望んでいます。どう沁み渡るかは、自分ではコントロールできません」。

さらに「賞のキャンペーンは、これまでそうだったように、辛辣なまでに排他的です。どのような施策が実力主義を最も促進するのかは、まだわかりません。私はそれを見つけるために努力してきたし、これからもそうするつもりです」と語り、「映画業界は、機会という点では忌まわしいほど不平等です」と訴えた。

この騒動について、同じくアカデミー主演女優賞にノミネートされたミシェル・ヨー(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)は、AMPASを欺くことが「そんなに簡単なら、以前から行われていたでしょう」とライズボローを擁護するコメントをしている。

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ヨーはノミネートを確実視されながら、候補にならなかったヴィオラ・デイヴィスやダニエル・デッドワイラーについて「ものすごく大好きですし、全員がオスカーを取れたらいいのにと思いますが」と言いながら、ノミネートまでの道のりを「厳しい」と表現。「私はノミネートされるのに40年かかりました。俳優や女優1人1人が心血を注いで映画に取り組んでいるし、必ずしも自分がノミネートされると思っているわけではありません。伝えたいストーリーの方が重要なのです」と語っている。

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