特権階級への風刺込めた『サイレント・ナイト』、地球最後の聖夜を舞台に描く家族の姿とは?

#カミラ・グリフィン#キーラ・ナイトレイ#サイレント・ナイト#リリー=ローズ・デップ#ローマン・グリフィン・デイヴィス#映画

『サイレント・ナイト』
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『サイレント・ナイト』
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『サイレント・ナイト』

道徳的責任を負わない政府への疑問を反映

キーラ・ナイトレイ主演、人類が滅びゆく“地球最後のクリスマスイブ”を過ごす家族の姿を描く『サイレント・ナイト』より、 カミラ・グリフィン監督のメッセージ&オフショット画像を紹介する。

・間近に迫る人類滅亡! “地球最後のクリスマスイブ”に集まった人々の不可解な表情とは!?

家族が絆を確かめ合い、恋人たちがロマンティックなひとときを過ごすクリスマスイブ。本作は、そうしたクリスマスのイメージを根こそぎ覆すイギリス映画だ。もしも家族と友人たちが集うクリスマスが“人類滅亡の日”だったら? クリスマス映画と終末的なディザスター映画という対極的なジャンルを融合させ、前代未聞のサプライズを呼び起こす。

製作は『キック・アス』『キングスマン』シリーズのヒットメーカー、マシュー・ヴォーン。『ラブ・アクチュアリー』(03年)『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでおなじみのキーラ・ナイトレイが主演を務め、『ジョジョ・ラビット』(19年)のローマン・グリフィン・デイヴィス、リリー=ローズ・デップらが脇を固める。

『サイレント・ナイト』

本作で監督デビューを果たしたカミラ・グリフィンは、新型コロナのパンデミックを予見したかのような世界観を創出し、このうえなくセンセーショナルな“人類最期のクリスマス映画”を描き出す。カミラ監督は、本作に出演したローマンとその双子の弟ハーディ&ギルビーの母親でもある。

カミラ監督は、イギリスの中流階級出身で、政府や権力者が力を振りかざす権威主義的な価値観に疑問を抱いて育った。本作に出演しているローマンら自身の子どもたちには、自分の価値観や周りの大人たちの価値観に疑問を投げかけるように促してきたという。

英国史上最短の在任期間となったリズ・トラス前首相から、現在のリシ・スナク首相に交代して間もない状況の中、カミラ監督は「政府が自身の過ちに対して責任を負わないこと、また弱者に対しても責任を負わない政府の道徳性に疑問を呈し、本作の物語にも大きく反映させています」と語り、現在のイギリス政府への風刺と、未来を担う子どもたちの世代への希望を脚本に込めたという。

『サイレント・ナイト』

世界終末とクリスマスを掛け合わせた設定については、「クリスマスを選んだ理由は、孤独な人にとっては、クリスマスはとても孤独であり、過去の友人や愛した人を思い出すような感傷的な特別な日だと思っています。私は登場人物たちが避けられない重圧(子育て、思想、人種差別)の中で、“逃れられない死”を受け入れた大人たちと、政府が推奨する“安らかな死”を受け入れられない子どもたちが、最後のクリスマスをどう過ごすのかを追求し、表現しました」と解説する。

『サイレント・ナイト』

また、カミラ監督とローマン、双子の弟ハーディ、ギルビーらの撮影中のオフショット画像が到着した。“地球最後のクリスマスイブ”という重い設定の本作だが、家族同士のオフショットからはリラックスしたムードが伝わってくる。

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映画『サイレント・ナイト』は11月18日より劇場公開される。


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