【今日は何の日】LPレコードの日に見たい、UK発の音楽が主役の映画2選

#LPレコードの日#グッド・ヴァイブレーションズ#ジョシュ・ホワイト#モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~#今日は何の日#音楽#コラム

『グッド・ヴァイブレーションズ』
『グッド・ヴァイブレーションズ』
(C) Canderblinks (Vibes) Limited / Treasure Entertainment Limited 2012
『グッド・ヴァイブレーションズ』
『グッド・ヴァイブレーション』
『グッド・ヴァイブレーションズ』
『モダンライフ・イズ・ラビッシュ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』

3月20日は「LPレコードの日」だそうだ。1951年(昭和26年)のこの日に、日本コロムビアが日本初のLPレコードを発売したのを記念して制定された日である。そこで今回は、レコードショップを拠点にストーリーが展開していく作品をご紹介する。

レコード店で始まった恋の行方は? 『モダンライフ・イズ・ラビッシュ』

まず1本目は、レコード店で英国のバンド「Blur(ブラー)」のアルバムを物色中に出会った男女の恋模様を描いた、『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』だ。BlurはOasis(オアシス)と並んで90年代のブリットポップブームを牽引したビッグネームであり、タイトルの『モダンライフ・イズ・ラビッシュ』はそのままBlurのアルバムタイトルでもある。

『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』ジョシュ・ホワイト インタビュー

ともにBlurファンで音楽好きのリアムとナタリーは、レコード店で出会ってすぐに意気投合し、やがて同棲を始める。リアムは自らのバンドで成功を夢見るバンドマンであるが、少年のような無邪気さが魅力ではあるものの地に足が着いておらず、仕事をしても1ヵ月と続かない。そこでナタリーは、愛する恋人の夢をサポートするべく気が進まないまま広告会社に就職し、家計を支えるようになる。

『モダンライフ・イズ・ラビッシュ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』

『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』 (C) Modern Life Pictures Limited 2016

おそらくこの作品の裏テーマは、「デジタルVSアナログ」だ。今時の若者ながら、リアムは音楽のストリーミングもスマートフォンもラビッシュ(=ごみ、ガラクタ)だと思っているアンチデジタル人間だ。SNSとも無縁で、カフェで気取ってKindleで読書する奴らを愚物と決めつけている。にもかかわらず、SNSがきっかけで人生の転換期を迎えることになる。果たして、毎日仲睦まじく笑い転げていたカップルの心に生じた距離感は埋まるのか。作中にちりばめられたUKロックの名曲をBGMに、ぜひ二人の恋の行方を見届けていただきたい。きっと損はしないはずだから。

実在するレコードショップを描いた『グッド・ヴァイブレーションズ』

続いては、北アイルランドのベルファストに実在したレコードショップの店名がそのままタイトルになった作品『グッド・ヴァイブレーションズ』だ。舞台は、紛争の真っただ中にあった1970年代の北アイルランド。「プロテスタントかカトリックか」「反政府主義者か共産主義者か」。常に他人を疑いの目で見ながら宗教や思想で色分けし、ふるいにかけて敵と見なせば危害を加えるーそんな最悪な状況の中、音楽で人々の心に活気を与えるべく一人の男が立ち上がるのである。

アイリッシュパンクのゴッドファーザーとも呼ばれたテリー・フーリーは、「グッド・ヴァイブレーションズ」という名のレコードショップをオープンし、その傍ら採算を度外視して地元のパンクバンドをサポートしていく。ここでもまた、地に足の付いていない男の影にしっかり者の女性の姿があった。テリーの妻ルースである。やり場のない社会への不満や不安を発火装置に、音楽への情熱に転換してスパークさせるーそんなアイリッシュパンク黎明期の熱量が感じられる作品だ。(T)

『グッド・ヴァイブレーションズ』

『グッド・ヴァイブレーションズ』

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