不遜なフロント係の白人女性、不気味な「X」からの花束に苛立つ黒人女性の運命は?

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違和感だらけの『アンテベラム』本編映像

『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサー、ショーン・マッキトリックの手掛けるスリラー映画『アンテベラム』が、11月5日に公開される。このたび、何気ないシーンなのに違和感漂う本編映像が公開された。

この度公開されたのは、公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)が、滞在しているホテルのフロントでレストランの予約を取ろうとする何気ないシーンだが、何かがおかしい。この違和感は『ゲット・アウト』『アス』で感じたそれに近い。しかも各ショットやセリフは、本作品のパラドックスをひも解くヒントを匂わせる。

ヴェロニカは、仕事で訪れたニューオーリンズで滞在するホテルの部屋を出ようとしたとき、ボーイから花束を受け取る。その花束には、送り主の名前に「X」と記されているだけで、「帰郷を待っています」という謎のメッセージが添えられていた。

「X」とは一体誰なのか? そして、帰郷とはどういう意味なのか? そんな彼女が宿泊する部屋の名前は、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンの名前が冠された「JEFFERSON SUITE」。黒人奴隷制度に反対の意を表していたことでも知られる大統領に由来する名としているのも何らかのメッセージなのだろうか?

「未解決の過去は現在に害をなす」…黒人蔑視を思わせるエピソードが続く

レストランの予約をフロント係に頼もうとしたヴェロニカは、不意に肩を叩かれる。振り返ると、それは友人のサラだった。

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謎の花束でナーバスになっていたヴェロニカは驚くものの、久しぶりの再会を喜ぶ。だがその後に交わすお互いの会話には、「無意識なる過去を祓う」「過去は決して死なない」「過ぎ去りもしない」「先祖は夢に取り憑いて生き続ける」「未解決の過去は現在に害をなす」などと意味深な言葉が連なる。まるで何かよからぬ出来事を暗示するかのようだ。

サラと別れたヴェロニカは、フロント係の白人女性にレストランの予約を申し込む。だが彼女は穏やかに微笑みながらも、ヴェロニカを待たせたまま、かかってきた電話応対を始めてしまう。まるでそれが、黒人女性であるヴェロニカへの態度として相応しいとでもいうかのように……(https://youtu.be/Ol-36omvvf4)。

フロントの壁に飾られているのは、白亜の屋敷が描かれた油絵。それは、謎の女性とともに切り取られた場面写真の邸宅に似ている。

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本作品の冒頭に引用されるのは、20世紀アメリカ文学の巨匠ウィリアム・フォークナーの小説「尼僧への鎮魂歌」に記された「過去は死なない 過ぎ去りさえしないのだ」という有名な一節。ヴェロニカとサラの会話にも印象的に出てくる言葉だ。果たしてそれが意味するものとは? 全編に散りばめられたヒントが繋がりを見せるとき、突然浮かび上がる真実にあなたは瞠目する!

夢か、現実か。人気作家を襲う悪夢の正体とは?

博士号を持つ社会学者で人気作家でもあるヴェロニカは、優しい夫、愛くるしい幼い娘との幸せな家庭を築き上げていた。ある日、ニューオーリンズでの講演会に招かれた彼女は、力強いスピーチで拍手喝采を浴びる。しかし、友人たちとのディナーを楽しんだ直後、ヴェロニカの輝きに満ちた日常は突然崩壊し、究極の矛盾をはらんだ悪夢へと反転するのだった……。

一方、アメリカ南部のプランテーションで囚われの身となり、過酷な労働を強いられているエデンは、ある悲劇をきっかけに奴隷仲間とともに脱走計画を実行するが──。

『アンテベラム』は、11月5日に公開される。

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