『世界遺産』高野山最古の国宝・多宝塔の内部に潜入! 史上初8K撮影を敢行

#TBS#世界遺産#歴史#自然#4K#8K#日本

多宝塔五智如来像2F0A0900
多宝塔の秘仏・五智如来像を撮影する様子
(C)TBS
多宝塔五智如来像2F0A0900
西塔立体曼荼羅撮影2F0A1548
世界遺産
金剛三昧院多宝塔
西塔
冬の根本大塔
世界遺産

今春放送25周年を迎えた『世界遺産』が10月3日、全編を高精細の8Kカメラと4Kカメラで撮影した特集回「高野山の四季」を展開することがわかった。

・『世界遺産』高野山最古! 国宝・多宝塔の他写真6枚はこちら!

『世界遺産』放送25周年スペシャル第2弾「高野山の四季」

1996年4月から放送を開始した同番組。記念すべき節目にあたり、番組では4月に放送25周年スペシャルの企画第1弾「空から見る京都四季の絶景」を放送。今回、同放送に続く25周年スペシャル企画第2弾「高野山の四季」を放送する。なお10月3日は地上波放送のためフルハイビジョンに変換して放送。12月にBS-TBSで4K放送を行う予定。

高野山は2004年に世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つ(ほかには吉野・大峯と熊野三山という2つの霊場、熊野古道と大峯奥駈道と高野山町石道などの参詣道がある)で、9世紀の平安時代に弘法大師・空海が密教(真言宗)の道場として開いた日本仏教の聖地の一つ。高野山全体が「金剛峯寺」という大きな寺院の境内で、「金剛峯寺」という名称は空海が「金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかくいっさいゆがゆぎきょう)」というお経より名づけたと伝えられている。境内には主殿をはじめとした様々な仏教建築物を備えており、境内の広さは総坪数48,295坪も有する。番組では、昨年11月から撮影を開始。空海の開創から1200年以上の歴史を刻む高野山の四季を届ける。

国宝の多宝塔内部を史上初8K撮影!

世界遺産に登録されている塔頭寺院の金剛三昧院(こんごうさんまいいん)。1211年、鎌倉幕府の初代征夷大将軍となった源頼朝の菩提を弔うため、頼朝の妻・北条政子の発願により禅定院として創建され、その後、政子の息子・源実朝の菩提も弔うため改築され、金剛三昧院と改称した寺院だ。

国宝に指定されている多宝塔は1223年に建造され、現存する高野山最古の建造物だ。多宝塔としては現存する中で滋賀県大津市にある石山寺の多宝塔に次いで日本で2番目に古いものである。高さはおよそ15mの檜皮葺。塔そのものが源頼朝の供養塔と考えられている。

多宝塔の内部は通常公開されておらず、重要文化財の秘仏・五智如来像(ごちにょらいぞう)が安置されている。五智如来とは密教における5つの智慧(法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智)を表したもので、金剛界大日如来を中心に阿閦如来(あしゅくにょらい)、宝生如来(ほうしょうにょらい)、阿弥陀如来、不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)を四方位に配した金剛界五仏である。多宝塔の内陣は撮影の許可が滅多に下りないが、今回は特別に許可が下り、史上初の8Kカメラによる撮影を敢行。鎌倉時代から高野山の地で守り続けられてきた木造五智如来像の姿をくまなく届ける。

通常は非公開! 西塔の立体曼荼羅を8K撮影

壇上伽藍(だんじょうがらん)において根本大塔と対をなす西塔。弘法大師入定後の仁和2年(886年)に完成。度重なる消失により、現在の西塔は1834年に再建された5代目となる(このときに銅瓦葺になる)。白木造りの擬宝珠ぎぼし高欄付多宝塔で、高さは27.27m。

通常、公開されていない塔の内部は1834年の当時のもので、滅多に撮影することができない。今回、金剛三昧院・多宝塔と同様に特別に撮影許可が下り、塔内に安置されている金剛界の大日如来を胎蔵界の四仏が囲んでいる立体曼荼羅を8Kカメラで撮影した。平安期に造られた元々の本尊である大日如来坐像は、現在霊宝館に保管されている。

いにしえの時代から続く高野山の四季折々の美しさを8Kカメラで撮影

番組では、高野山の中心にある壇上伽藍や蛇腹道の紅葉、雪景色、桜の実景など高野山の四季のほとんどを約1年かけて8Kカメラで撮影。10月3日の放送は地上波放送のため、フルハイビジョンに変換して放送するが、映像の高精細さと美しさは実感できる。そして、金堂前と金剛三昧院・多宝塔を、モーションコントロールカメラで撮影。異なる季節が、動きのあるワンカットの映像の中で表現されている。

担当ディレクターの田口亮は「新型コロナウイルスの蔓延により、海外の撮影現場に直接行くことができなくなって1年以上が経ちました。そのような状況下で昨年の秋から始めたのが、今回の撮影です。高野山の魅力をどのようにしたら映像として伝えることができるのか、スタッフでアイディアを持ち寄り、いつも以上に時間と情熱をかけて作り上げました。膨大な量の素材から厳選に厳選を重ねて選んだ珠玉の映像です。ワンカットたりとも見逃せない30分になっていると思います」とコメント。

堤慶太プロデューサーも「日本の風土の特徴は、表情豊かな四季があることです。番組では日本の世界遺産を1年かけて撮影するプロジェクトを進めており、今回の『高野山の四季』は、8Kカメラと4Kカメラで撮影したものとしては比叡山、知床に続く第3弾となります。春夏秋冬の四季の絶景と共に見どころなのは、空から撮影した高野山の様子です。山中にあるため、なかなか全体像がつかみづらい金剛峯寺と高野山ですが、空からの映像によって『ああ、こういう場所にあったんだ』と実感できると思います。ご期待ください」とアピールしている。

『世界遺産』放送25周年スペシャル第2弾「高野山の四季」は、TBS系列にて10月3日午後6時より放送。

INTERVIEW