観客に不快感を与える封印映画! 夫人が解説するジョージ・A・ロメロ幻の作品

#アミューズメント・パーク#ジョージ・A・ロメロ#ゾンビ#ナイト・オブ・ザ・リビングデッド#スザンヌ・ロメロ#ホラー#マーティン/呪われた吸血少年

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アミューズメント・パーク
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ホラー映画の巨匠が半世紀前に発表した作品はなぜ封印されたのか?

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68年)『ゾンビ』(78年)などで知られるゾンビ映画の第一人者であり、2017年に惜しまれながら他界したホラー映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ。彼が73年に手掛けた幻の作品『アミューズメント・パーク』が、制作から半世紀を経て日本初公開中だ。これに併せ、ロメロ夫人であり、ジョージ・A・ロメロ財団の代表を務めるスザンヌ・ロメロから日本のファンに向けてコメント動画が届いた。

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動画では、この類まれな作品の制作経緯、そして、なぜ幻と化したのかを解説。さらに「これは実は最もロメロらしい映画なのかもしれません。カットの仕方など彼らしい編集スタイルですし、見た人をどんな気持ちにさせるかもロメロらしいです」「不快を感じ、楽しめないように作られた映画もあるのです」と、ロメロ作品としての貴重な映画であることを説明する。

また、この映画をジョージ・A・ロメロが監督したことが興味深い上に、その内容が現在も議論が続くテーマを扱っていることの重要性を語る。「私たちに問いかけている、議論すべきことです」「“映画をエンジョイして”と言いたいですが、みなさんは楽しめないでしょう」

アミューズメント・パーク

ジョージ・A・ロメロは68年に元祖モダン・ゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を発表し、一般的に知られているゾンビのイメージを作り上げた。さらにその続編『ゾンビ』(78年)でゾンビ映画というジャンルを確立し、全世界を恐怖のどん底へ叩き落した。

そのロメロが73年に発表した『アミューズメント・パーク』は、2017年に16ミリ・プリントが発見され、ロメロの死後にジョージ・A・ロメロ財団によって4Kレストア作業が行われた。

もともと本作はルーテル教会が敬老意識の啓蒙を意図してロメロに依頼した企画だったが、出来上がった作品が老人の悲惨な状況を容赦なく描いていたことから、依頼者の手によって封印されることとなった。ロメロがある意味での教育映画を撮っていたという希少性に加え、ホラー映画ではないものの、ロメロ視点でアメリカの現実を映し出した貴重な作品である。

アミューズメント・パーク

今回、この『アミューズメント・パーク』の日本公開にあたり、ロメロ監督の1973年作品『ザ・クレイジーズ』と1977年作品『マーティン/呪われた吸血少年』も併せて劇場公開される。『ザ・クレイジーズ』は人間を凶暴化させる細菌兵器が引き起こすパニックを描き、2010年にはブレック・アイズナー監督によってリメイクされている。『マーティン』は現代を生きる孤独な吸血鬼青年の苦悩をテーマにしており、生前のロメロが自身のフェイバリットに挙げていた作品だ。

『アミューズメント・パーク』は、現在公開中だ。