ハリウッドに見る性差別、人種差別の現状。理想と現実の差は偶然? それとも…

#映画

高評価ながらもゴールデングローブ賞にはノミネートされなかったグレタ・ガーウィグ監督
高評価ながらもゴールデングローブ賞にはノミネートされなかったグレタ・ガーウィグ監督
高評価ながらもゴールデングローブ賞にはノミネートされなかったグレタ・ガーウィグ監督
『ハスラー』
2月7日より公開

#1「トランプVSハリウッドの行方は? 大統領はツイートで風刺映画攻撃、俳優からは痛烈批判」より続く

【2020年に引き継がれたハリウッドニュース/#2】
女性監督が不選出への疑問、そして
アジア系の好調とエジプト系の不遇

映画産業では多様性や包摂性を意識し、キャストもスタッフも人種や性別を問わない志向が高まっている。だが、その一方で、1月5日(現地時間)に発表される第77回ゴールデングローブ賞では作品賞、監督賞に女性監督の作品がノミネートされなかった。

ゴールデングローブ賞ノミネート発表、女性監督ゼロの意外な結果

もちろん女性というだけで候補にするというのはおかしいが、『レディ・バード』でアカデミー賞監督賞候補になったグレタ・ガーウィグ監督の『ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語』やオークワフィナが中国系アメリカ人女性の主人公を演じる『フェアウェル』(ルル・ワン監督)、ジェニファー・ロペス主演の『ハスラーズ』(ローリーン・スカファリア監督)など高評価の作品も多かっただけに、「なぜ?」という声は少なくない。1月13日(現地時間)に発表されるアカデミー賞ノミネーションはどうなるか、注目したい。

2018年の『クレイジー・リッチ!』の大ヒットを受けて、同作でシンガポールの御曹司を演じたヘンリー・ゴールディングは『ラスト・クリスマス』(公開中)に出演、2020年はガイ・リッチー監督の『The Gentlemen(原題)』、『Snake Eyes(原題)』と順調にキャリアを進めているが、同じくリッチー監督の『アラジン』で主役を演じたメナ・マスードは、世界で興収10億ドルを超える大ヒット作に主演したにも関わらず、次回作が決まらずにいる。エジプト系カナダ人のマスードは「『アラジン』公開後、一度もオーディションを受けられていない」とDaily Beastの取材で話している。現在Huluで配信中の「Reprisal」に出演しているが、これは『アラジン』公開前に出演が決まっていた作品だ。

「別に『バットマンに出演してください!』と言われたいとかそういう話ではなくて、せめてオーディションくらい受けさせて欲しい。せめて部屋に入れて欲しい。一度でいいからチャンスをください」と悲痛だ。

そんな最中にDisney+が『アラジン』のスピンオフ企画を発表したが、こちらの主人公は、ヒロインの王女ジャスミンの花婿候補の1人だったアンダース王子。ビリー・マグヌッセンが演じるアンダース王子は実写版のみに登場するオリジナル・キャラクターだ。中東が舞台の物語にわざわざ登場させた白人のキャラクターがスピンオフで主役になるという展開は、2人の俳優の明暗をはっきり分けた形になり、ハリウッドにおける多様性と包摂性の“現状”が反映されている。