是枝裕和監督が10月14日、TOHOシネマズ 日比谷で実施された映画『真実』(10月11日公開)の公開記念舞台挨拶に、日本語吹替版キャストの宮本信子や宮崎あおい、佐々木みゆとともに登壇。本作で主演をつとめたフランスの国民的女優カトリーヌ・ドヌーヴの凄みを語った。
本作は、是枝裕和監督の最新作にして、第76回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門のオープニング作品。国民的大女優ファビエンヌ(ドヌーヴ)が出した自伝本「真実」をめぐって、ファビエンヌとその娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)らの間で巻き起こる人間ドラマを描く。
大型台風が過ぎ去った14日に行われた本イベント。是枝監督は「台風で予定が変更になって、どうなることかと思いましたけど、映画は公開を迎えることができてホッとしています」と胸をなでおろした。
ファビエンヌの声を担当した宮本は、初めて洋画の吹き替えにチャレンジ。「お話をいただいたときはびっくりしまして、頭をぐるぐると考えて4時間くらい悩みました。吹き替えの仕事はすることがないと思っていましたが、監督とはご縁がございまして、思い切って仕事を受けてみようと思いました」と明かした。
収録当日まで心がけたことを問われたリュミール役の宮崎は「ビノシュさんがどういう表情でセリフを言っているのかを頭に焼きつけました。当日は台本をきちんと読むと、ビノシュさんの口の動きと私の声がぴったりと合って、収録も楽しかったです。勝手にビノシュさんと同じ気持ちを共有できているような感覚でした」と述べた。
是枝監督は、撮影時のドヌーヴについて回想。「ドヌーヴさんは一日一回必ず良いテイクを出されるんです。ほとんどセリフを覚えてこないんですけど、相手との関係やリズムでセリフを頭に入れていきます。最初は僕の書いたものとは全然違うセリフを喋っていますし、相手役の人もなんとか合わせるんですけど、いきなり100点の演技がくるタイプなんです。その100点を目の当たりできたのは貴重な経験でしたね」と振り返った。
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