のんと片渕須直監督、終戦記念日に『この世界の片隅に』の思い出を語る

のん、片渕須直
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片渕須直
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女優のんと片渕須直監督が、8月15日にテアトル新宿で行われた映画『この世界の片隅に』の再上映舞台挨拶に登壇した。

『この世界の片隅に』再上映舞台挨拶、その他の写真

本作は、第二次世界大戦中の広島県の呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に、前に向かって生きていく女性すずを描いたアニメーション作品。2016年11月に公開されるや、口コミを中心に大きな反響を巻き起こし、同年度には数々の賞を受賞。その後、DVD発売やオンデマンド配信などが普及してもなお、劇場での上映が続いている。

また、すずが迷いこんだ遊郭で同世代のリンという女性と心を通わせていく過程などが新たに描き足された『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開が決定している。

イベント当日は終戦記念日。劇中にもすずが玉音放送を聞いて畑で号泣するシーンがあるが、司会者が改めてアフレコ時にどのような思いで演じたかをのんに質問すると「最初、あのシーンを見たときには、それまでのすずさんからは意外な印象を受けました。監督に聞いたら『すずさんと同じように、(玉音放送を聞いて)なんだか訳がわからないけど、涙がボロボロってたくさん出てきた人がいたらしいよ』って言われたんですね。それを聞いて、自分でも説明がつかない感情があるんだなぁと。ひょっとしたらその時のすずさんの中には、怒りといった感情があったかもしれない。そんなことを思いながらあのシーンは演じました」と語っていた。

片渕監督は「この映画を作っているときに、『これは8月の映画だよね』という声をよく耳にしていたんです。でも僕は『そうかな?』って思っていました。8月だから戦争や終戦のことを思い出すのか、それじゃほかの日には思い出さなくてもいいのかと、疑問を感じていたんです。さらにこのお話は冬に始まって冬に終わるので、あえて11月という冬の季節の公開を目指しました。願わくば、1年中いつでもこの時代に生活をしていた人たちの顔を思い出せるきっかけになったら、ありがたいと思っています」とコメントした。

すでに特報が公開されている『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』について聞かれた片渕監督は「原作にはあったのですが、時間の都合により入れることができなかったエピソードを新たに作りました。これまでは、すずさんは一人ぼっちで呉にお嫁に来てから、5歳のはるみちゃんが唯一の友だちだったんですよ。でも、もっともっと出会った人たちがいて、彼らにも色々な変化があったんです。そしてその人たちとの触れ合いによって、ラストに至るという流れがあるので、それを今回のバージョンでは詳しく描いてみたいと思っています」。

特報のナレーションの収録について質問されると、収録日はのんの誕生日の前日だということでバースデイケーキが用意されていたが「ケーキが運ばれる前に、監督が半分以上食べちゃったんですね。そのことをよく覚えています」とコメント。会場からは大きな笑いが起きていた。片渕監督は「申し訳ない」と恐縮しきりだった。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は12月よりテアトル新宿ほかにて公開となる。

INTERVIEW