「響きがなんかカッコ良くね?」で命名!『ブレードランナー』は雰囲気カッコいい映画だった!?

#ブレードランナー 2049#元ネタ比較

『ブレードランナー 2049』
2017年10月27日より全国公開
『ブレードランナー 2049』
2017年10月27日より全国公開

原作と映像化された作品を、重箱の隅をつつくように細か〜く比較する【元ネタ比較】。今回は『ブレードランナー 2049』を取り上げます。

【元ネタ比較】『ブレードランナー 2049』前編
映画公開直前に死去!
『ブレードランナー』原作者は不遇の作家だった

映画作品のひとつというより、ひとつのカルチャーを確立したと言ってもいい1982年のカルト映画『ブレードランナー』。2019年を舞台にしたSF映画の金字塔が、35年の月日を経て続編である『ブレードランナー 2049』が製作され、世界規模で盛り上がりを見せている。

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35年前も今回も世界の熱狂ぶりを横目で見ているのは、何を隠そう筆者だ。ここから面倒臭いことを言い出すので、興味ない人は飛ばしてもらって結構だが、そもそも映画『ブレードランナー』の原作は同名小説ではなくて、現代アメリカSF界の巨匠フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」である。

ちなみにディックの映画化された小説は『トータル・リコール』や『マイノリティ・リポート』などなど多数あるが、彼自身は質素な暮らしを送った不遇の作家で、1作目の『ブレードランナー』の公開直前に死去している。

“ブレードランナー”という名を持つものは、アメリカのSF作家アラン・E・ナースの小説「the Bladerunner」があり、この小説をもとにビートニク作家のウィリアム・バロウズが執筆した「ブレードランナー」がある。内容はディックの小説と無関係だが、『ブレードランナー』の映画スタッフがバロウズの小説から“ブレードランナー”という言葉を気に入って、映画に使用することをナースとバロウズ関係者に承諾を得たのだとか。

要するに「“ブレードランナー”って、響きがなんかカッコ良くね?」ということで用いたのだろう。非難を承知で言うと、このエピソードは映画『ブレードランナー』をとても端的に象徴するものだと思う。『ブレードランナー』はなんとなく雰囲気カッコいい映画だと思うからだ(中編へ続く…)。

中編「原作のデッカードはシブくてクールじゃない!」に続く…

『ブレードランナー 2049』10月27日より全国公開中。