是枝裕和監督『怪物』がカンヌ映画祭で公式上映! 9分半に及ぶ拍手と歓声のスタンディングオベーション

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『怪物』
(C)2023「怪物」製作委員会
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是枝監督をはじめ、主演の安藤サクラ、永山瑛太らが華やかなレッドカーペットに登場

是枝裕和監督、音楽・坂本龍一による映画『怪物』が、第76回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に正式出品され、是枝監督、脚本の坂元裕二、出演者の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太の6名がカンヌ入り。フランス時間5月17日の公式上映に登場した。

・是枝裕和監督が『怪物』完成披露試写会に登壇、カンヌ国際映画祭を控えた作品に自信を覗かせる

華々しく開催された映画祭のオープニングセレモニーでも、その人気の高さが伺えた映画『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)が、いよいよコンペティション部門での公式上映の日を迎えた。

レッドカーペットセレモニーが始まった当初は雨がポツポツ降るなか、まずは招待されたセレブたちが登場。ペドロ・アルモドバル監督やイーサン・ホーク、ロマン・デュリス、ヴィオラ・デイヴィス、ジェンマ・チャン、世界的人気K-POPグループ・BLACKPINKのロゼらが現れると、会場は一層の盛り上がり。そして、いつの間にか雨もあがり澄み渡った空のもと、『怪物』一行が到着。待ちわびていたファンの歓声に迎えられた。

・[動画]是枝裕和監督 安藤サクラらが映画『怪物』でレッドカーペットに!

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左から是枝裕和監督、安藤サクラ、黒川想矢、柊木陽太、永山瑛太、坂元裕二(脚本)
Photo by Andreas Rentz/Getty Images

アルマーニのタキシードに身を包んだ是枝監督に続き、グッチのタキシードにスタイルの良さが際立つ永山、所属事務所社長の舘ひろしがこの日の為に仕立ててくれたTAGURUのタキシードでキリっとキメた黒川、是枝監督と同じアルマーニのタキシードではにかむ柊木、さらには脚本家の坂元と、男性陣が黒いタキシード姿で登場するなか、ひときわ注目を集めたのは、シャネルの白いドレスとジュエリーに身を包んだ安藤サクラ。眩しいほどの輝きを放ちながら、『万引き家族』(18年)以来2度目のカンヌ・レッドカーペットに参加した。

是枝監督は、ファンからのサインや写真撮影にも応じるなど、ファンサービスもたっぷり。全員が一列に並び、時に手を繋いだり、談笑しながら、和やかな雰囲気でレッドカーペットを進む。カンヌ常連の是枝監督は、子役たちに「カメラに向かって手をふろう」と声をかけるなど貫禄の佇まい。安藤、永山も時に子役たちをフォローしながら、和やかにセレモニーを楽しみ、黒川と柊木は、弾けんばかりの笑顔で、世界から集まったメディアを魅了した。

・レッドカーペット、公式上映の全ての写真を見る

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9分半のスタンディングオベーション、坂本龍一への追悼文にも大きな拍手

会場内で大きな拍手で迎えられた後、一行が着席して上映開始。エンドロールが始まると、2200人もの観客を収容する会場からは拍手がおこり、坂本龍一への追悼文が流れた際には、さらに割れんばかりの大きな拍手が沸き、9分半にもわたるスタンディングオベーションが続いた。

・[動画]カンヌ映画祭で『怪物』9分半のスタンディングオベーション!

その間、監督は少しホッとしたような表情を見せながら、大きく会場内を見渡して称賛にこたえ、両脇の安藤と永山ともハグをし、言葉を交わし、喜びを分かち合った。また脚本家の坂元ともしっかり肩を組み、『怪物』が多くの観客に届いた手応えを確かめ合い、称え合った。

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スタンディングオベーションの後、マイクを渡された是枝監督は「こんなに多くのスタッフとキャストに支えられて作ることができました。まずはそのスタッフとキャストに感謝します。そのスタッフとキャストの多くが今日ここに集まってくれたことがすごくうれしいです。でも色々な事情でみんながここに集まるわけにもいかなくて、でもここに来られないスタッフとキャストの思いもここ(胸に手をあてて)に抱いて今ここに立っているつもりです。戻って皆さんのこの拍手と、皆さんの顔を、ここに来られなかったチームのみんなに報告したいと思います。とても良いワールドプレミアになったとおもいます。有難うございました」と語った。

今回審査員長を務めるのは、昨年のカンヌで2度目となる最高賞パルム・ドールを受賞した『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(17年)『逆転のトライアングル』(22年)のリューベン・オストルンド監督。審査員には俳優のブリー・ラーソンやポール・ダノらが名を連ねる。コンペティション部門に選出された計21作品の中から最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞が発表となるのは、フランス時間の5月27日の授賞式を予定している。

是枝監督作品がカンヌ国際映画祭で「コンペティション部門」に選出されるのは、昨年の韓国映画『ベイビー・ブローカー』以来2年連続、7回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は9回目)。なお、昨年の『ベイビー・ブローカー』では、エキュメニカル審査員賞、そして主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞した。これまでも、2004年『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年『そして父になる』では審査員賞を受賞、2018年『万引き家族』では最高賞であるパルム・ドールを受賞している。

『怪物』は6月2日より全国公開。