タイタニック
『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』

世紀の大ヒット映画『タイタニック』25年前の公開当時に打ち立てた伝説の数々とは!?

1997年に公開されアカデミー賞11部門を受賞した映画『タイタニック』の劇場公開25周年を記念し、『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』が、バレンタイン期間限定で劇場公開される。これ先立ち、映画『タイタニック』が公開当時どんな伝説を打ち立てて来たのかを振り返ってみたい。

・レオナルド・ディカプリオ、態度が悪すぎて『タイタニック』主演を逃す瀬戸際だった!

1912年に実際に起きたタイタニック号沈没事故をベースに、新天地アメリカを目指す画家志望の青年ジャックと上流階級の娘ローズの身分違いの愛の物語を描く本作。強く惹かれ合い、次第に絆を深めていくローズとジャックだが、乗船した不沈を誇っていた豪華客船が皮肉な運命に見舞われてしまう…。

『ターミネーター』(84年)、『エイリアン2』(86年)、『アバター』(09年)など数々の大ヒット作を生み出してきた巨匠ジェームズ・キャメロン監督は、この作品のために2億ドル越えという当時の映画界で史上最高金額となる高額な製作費を投入し、メキシコに船の巨大セットを建造。実在したタイタニック号の設計図をもとに、撮影で使用するタイタニック号の右半分や船尾をほぼ実物大で再現した。さらに、映像の細部に映る船のパーツひとつひとつもリアルさを追求し、徹底的に作り込んだという。

こうしてできた荘厳なセットに加え、“映像の神”と呼ばれるキャメロンが、当時の最先端映像技術を最大限に施したことにより、観る者は、タイタニック号が沈没してゆく恐ろしさをリアルに体感できる。その迫力溢れる映像は、今観ても圧倒されてしまうほど。時代を超えても色褪せないハイクオリティな映像が、25年も前に生み出されたものだというから驚きだ。

1997年に劇場公開当時、全世界の初動興行収入は18億4000万ドルを超え、10億ドルの大台に乗った最初の映画となった本作は、全世界歴代興行収入1位に輝き、日本でも1997年12月20日の公開から翌1998年11月までの約1年間の超ロングラン上映という大記録を達成。約25年が経った現在でも、日本の洋画歴代興行収入1位(262億円 ※興行通信社より)を守り続けている。

興行収入だけにとどまらず、本作はアワードでも飛ぶ鳥を落とす勢いをみせた。アカデミー賞では、14部門でノミネート、作品賞・監督賞を含む11部門受賞を果たし、単一作品での最多受賞(歴代最多タイ)作品となった。

他に類を見ない製作費で生み出され、異例の大ヒットを遂げた本作。それだけでも伝説的といえるが、当時様々な社会現象も巻き起こした。世界の歌姫セリーヌ・ディオンが歌う主題歌「My Heart Will Go On」は、日本でも大ヒット。その知名度の高さは今も健在で、一度聴くだけで誰もが作品を思い出してしまうほど。

また、劇中でケイト・ウィンスレット演じるローズが船首に立って両手を広げ、レオナルド・ディカプリオ演じるジャックが後ろから優しくハグする“タイタニックポーズ”も大流行。当時、恋人たちはこぞってこのポーズをマネし盛り上がっていた。今でも、劇場公開当時を知る人だけでなく、若い世代の人など実際に作品を鑑賞したことがない人までもが、瞬時にこのポーズをマネできる。楽曲やポーズが圧倒的知名度を誇っている点も、時代を超えて愛される『タイタニック』の影響力の高さを物語っている。

『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』

ちなみに本作は、2008年に実施された米オンライン映画チケット販売会社ファンダンゴ・ドット・コムの調査で、2月14日のバレンタインデーに見たい映画ランキングで男性1位として選ばれたこともある。恋人たちから熱い支持を集めるバレンタインにぴったりの作品でもある。

本作で見る者の心を最も動かすのが、厳しい運命のなか、互いを想い、共に生き抜こうとするローズとジャックの姿。美しくエモーショナルなこの男女を演じたのは、まだ若き日のウィンスレットとディカプリオだ。今やアワードの常連と云わんばかりの地位にいるこの2人だが、当時の彼らはまだ新人。『タイタニック』公開後、一躍有名となり、売れっ子となっていく。彼らのその後の目覚ましい活躍だけを見ても、本作がいかに世界的に愛されたのかが見て取れる。

『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』は、2月10日より2週間限定公開される。