『草の響き』 (C)2021 HAKODATE CINEMA IRIS.

ベスト1『草の響き』、ワースト1『空白』

唯一の映画批評専門誌「映画芸術」による、毎年恒例「日本映画ベスト&ワースト」の2021年版が決定した。詳細は1月28日発売の雑誌「映画芸術」478号に掲載されるが、ランキングは下記の通り。

・『草の響き』東出昌大インタビュー 佐藤泰志小説の映画化第5弾で、3年ぶりの映画主演

ベストテン

1位 『草の響き』(監督/斉藤久志)
2位 『偶然と想像』(監督/濱口竜介)
3位 『BLUE/ブルー』(監督/吉田恵輔)
4位 『いとみち』(監督/横浜聡子)
5位 『街の上で』(監督/今泉力哉)
6位 『あのこは貴族』(監督/祖手由貴子)
7位 『茜色に焼かれる』(監督/石井裕也)
7位 『痛くない死に方』(監督/高橋伴明)
9位 『狐狼の血 LEVEL2』(監督/白石和彌)
10位 『東京自転車節』(監督/青柳拓)
*『茜色に焼かれる』『痛くない死に方』は同率7位

ワーストテン

1位 『空白』(監督/吉田恵輔)
2位 『すばらしき世界』(監督/西川美和)
3位 『キネマの神様』(監督/山田洋次)
4位 『ドライブ・マイ・カー』(監督/濱口竜介)
5位 『由宇子の天秤』(監督/春本雄二郎)
6位 『偶然と想像』(監督/濱口竜介)
6位 『そして、バトンは渡された』(監督/前田哲)
6位 『ヤクザと家族 The Family』(監督/伊藤俊也)
9位 『いのちの停車場』(監督/成島出)
9位 『花束みたいな恋をした』(監督/土井裕泰)

*『偶然と想像』『そして、バトンは渡された』『ヤクザと家族 The Family』は同率6位。『いのちの停車場』『花束みたいな恋をした』は同率9位

ベスト1の『草の響き』は、ベストの点数23、ワースト点は0、ベスト2の『偶然と想像』はベストで31点を集めたものの、ワースト点が-9、合計で22点となり、わずか1点差で1位の座を譲った。

ワースト1は『空白』。ワーストで31点を集め、ベストではわずか8点。ワースト2の『すばらしき世界』はワーストで23点、ベストで14点を集めている。

吉田恵輔、濱口竜介の両監督作品は、2作共に、ベスト&ワースト10入りしている。

「映画芸術」は、1946年に大橋恭彦(俳優・津川雅彦の伯父)を編集・発行人として創刊、89年以降は脚本家の荒井晴彦が編集長を引き継ぎ、今日に至る。

本ベストテンの特徴は、厳しい選定・評価によるワーストテンと、ワーストの点数をベストの点数から差し引いた合計点がベストの順位を確定するという集計システムと共に、選出者が映画評論家のみに偏らず、監督や脚本家、プロデューサーなどの映画人から、劇場スタッフ、一般の会社員までと幅広いことから、独自性に富んだラインナップとなるところにある。

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