西島秀俊×濱口竜介監督が村上春樹の世界を表現。カンヌ出品作『ドライブ・マイ・カー』90秒予告解禁!

#カンヌ国際映画祭#ドライブ・マイ・カー#村上春樹#濱口竜介#西島秀俊

妻の記憶が刻まれた赤い車。この運命から目を逸らさない

ベルリン映画祭など数々の映画祭で受賞し、日本映画を担う才能と世界からも期待されている濱口竜介監督。主演に西島秀俊を迎え、村上春樹の短編を映画化した最新作『ドライブ・マイ・カー』が2021年8月20日より全国で公開となる。2021年7月6日より開催されているカンヌ国際映画祭コンペティション部門にも、日本映画として唯一出品され関心を集める本作。このたび初公開となる90秒の予告が解禁となった。

西島秀俊×村上春樹! 映画『ドライブ・マイ・カー』劇中写真公開

公開された映像では、愛車であるサーブを走らせる演出家であり俳優の家福(西島秀俊)とその助手席に乗る脚本家の妻・音(霧島れいか)の一見穏やかなシーンから始まる。「今晩帰ったら少し話せる?」と音が、胸に秘めた想いを打ち明けようとしている様子が映し出される一方で、「奥様にはいつもお世話になっています」と音と親密そうな気配を漂わせる俳優の高槻(岡田将生)を家福が笑顔で迎え入れるシーンが続く。しかし、幸せそうな日々から一転、音は突然この世を去ってしまう。

その後、広島の演劇祭で演出を手掛けることになった家福。「すごくいいドライバーです」と紹介される寡黙なドライバーみさき(三浦透子)と出会う。みさきや高槻との時間を経て、妻の音から聞くことができなかった秘密や喪失と向き合うことになる家福。「嘘を言っているようには聞こえませんでした。それが真実かどうかは分からないけど」と語るみさきなど、印象的な言葉が続き、その後展開される重厚な人間ドラマが見え隠れする。後半には、「舞台上での銃声」「カセットテープ」「ミラー越しのみさき」などのショットが連なり、家福が辿る葛藤と波乱の運命を予期させる。

これまで、豊かな映画的表現で、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口竜介監督。その一端が垣間見える映像に、カンヌでの反応も期待が高まる。

オバマ元米大統領もお気に入りの本が原作。愛され続ける物語

舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、音はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく……。

原作である「ドライブ・マイ・カー」は、「女のいない男たち」と題して文藝春秋で連作された(2013年12月号-14年3月号)短編小説の一作目。のちに、同作含む全6篇を収録した短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)として発売。バラク・オバマ元米大統領が「2019年のお気に入りの本」に挙げたことでも話題となった。現在、累計発行部数は70万部を突破、19ヵ国語に翻訳され多くの国で愛されている。映画化に際しては「ドライブ・マイ・カー」のほか、同短編小説集に収録されている「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影されている。

『ドライブ・マイ・カー』は8月20日より全国公開。

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