星野源の新曲が『平場の月』主題歌に決定 優しい旋律が堺雅人×井川遥のラブストーリーを包み込む

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(C)2025映画「平場の月」製作委員会
『平場の月』
『平場の月』
『平場の月』

脚本を読みながら紡いだ「いきどまり」 聴く人の心に寄り添う切なく温かな楽曲

星野源の書き下ろし楽曲「いきどまり」が、映画『平場の月』の主題歌に決定。主題歌を使用した最新予告映像が解禁された。月明かりのように優しい旋律が、堺雅人と井川遥のリアルで切ない大人のラブストーリーを包み込む。

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原作は、2018年の刊行以来、発行部数20万部を突破した朝倉かすみによる小説「平場の月」。男女の心の機微を繊細に描き、各紙の書評で絶賛され、第32回山本周五郎賞を受賞した。

妻と別れた主人公・青砥健将(あおと・けんしょう)は、地元に戻り、印刷会社に再就職。慎ましく、平穏な日々を送っていた。そんな青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子(すどう・ようこ)は、夫と死別し、今はパートで生計を立てている。お互いに独り身となり、さまざまな人生経験を経た2人は再会をきっかけに意気投合。中学生以来、離れていた時間を少しずつ埋めていく。

ある日、アパートの部屋から月を眺めていた須藤に、青砥が問いかける。「お前、あのとき何考えてたの?」。須藤は少し間を置いて、こう答える。「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね、ちょっと」。自然と再び惹かれ合うようになった2人は、やがて未来についても語り始めるのだが──。

主人公・青砥健将を演じるのは、『DESTINY 鎌倉ものがたり』(17年)以来、8年ぶりの映画主演となる堺雅人。青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子を演じるのは、堺とは『半沢直樹』以来の共演となる井川遥。

2人の中学生時代を演じるのは、TBSドラマ『不適切にもほどがある!』のキヨシ役で注目を集め、現在は『ちはやふる -めぐり-』にも出演中の坂元愛登と、今年放送の『あなたを奪ったその日から』で好演し、本作で鮮烈な銀幕デビューを飾る一色香澄。さらに、中村ゆり、でんでん、吉瀬美智子、そして堺と11年ぶりの共演となる大森南朋らが脇を固める。

今回、星野源が新たに書き下ろした「いきどまり」が、本作の主題歌に決定した。まるで降りそそぐ月明かりのように紡がれるピアノの旋律と儚げな歌声は、聴く人の心にやさしく響き、ささやかな希望の余韻を残す。星野源の新境地ともいえる楽曲となっている。

星野源
星野源

星野は「いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲『いきどまり』は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です」と楽曲の制作意図を明かした。

主演の堺は「曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします」と想いを明かした。

さらに、かねてより星野のファンであったという土井監督からは「(主題歌となる楽曲は)愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。この曲をもって完結することができる『平場の月』はなんと幸福な映画だろう」と賛辞を贈った。

『平場の月』

また、最新予告では、地元に戻って平穏に生活する青砥と須藤が再会し、共に過ごす何気ない穏やかな時間の中で、“なんかちょうどいい”距離へと徐々に関係を深めていく様子が映し出される。視線や仕草のひとつひとつにお互いへの特別な感情をにじませる2人。中学時代と現在の姿が折り重なるように描かれ、あの頃と今が静かに呼応する。

「私は青砥が一緒にいたいと思うようなやつじゃない」と気持ちを吐露する須藤。「俺はお前と一緒に生きていきたい」とまっすぐに訴える青砥。星野源が歌う主題歌「いきどまり」が、交差する青砥と須藤の想いをより鮮明に浮かび上がらせ、優しい光で包み込みながらささやかな希望をもたらす。

そして、ナレーションは中学時代の須藤を演じた一色香澄が担当。初挑戦でありながら、可憐で繊細な表現を見事に魅せて、本作の温もりを際立たせる。

■星野源

ある日、土井監督と那須田プロデューサーが「直に話したい」と僕の作業場まで来てくれました。映画『平場の月』の主題歌を制作して欲しいというオファーでした。今まで何度もお仕事ご一緒しているけど、こんな風に自分の居場所まで来てくれて3人だけで話すなんて滅多にないなあ、と嬉しかったのを覚えています。いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲「いきどまり」は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です。劇場の中で、そして貴方の中で、ぜひこの楽曲を聴いてください。

■堺雅人

曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。また、「間違いだらけの優しさ」「忘れられぬ呪い」「行き止まりの二人」といった、星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします。出演者として本当に嬉しく思います。星野さん、ありがとうございました。

■土井裕泰監督

俳優・星野源とはこれまで何度か仕事をしてきたけれど、もちろんそのずっと前から、彼の音楽や文章のファンだった。紛れもない現代のPOPSTARでありながら、その表現のベースには常に市井の人の視線や実感があって、だからこそ彼の眼を通して見た世界はとても信用できる。

この平場の男女の物語は彼の眼にはどんな風に映るのだろうか? ある時、そんな興味に急にとらわれて、多忙な彼に台本を届けに行ってしまった。
数ヵ月経って、ツアーが一段落した彼から返ってきたのは、彼の声とピアノだけのシンプルで美しい曲だった。

「切ない、大人の、恋物語」などという惹句ではとてもすくいきれない、愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。

この曲をもって完結することができる『平場の月』はなんと幸福な映画だろう。星野源の歌う言葉を、どうか劇場で、最後の一音までもらさずに聴いてほしい。

『平場の月』は2025年11月14日より全国公開。