破産や息子の死…壮絶な人生を送った“今世紀最高の女優”、ロミー・シュナイダーの深遠な魅力

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20世紀最高の女優と言われるロミー・シュナイダーの特集上映「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」が85日から825日まで東京・渋谷のBunkamura ル・シネマにて開催される。今回、予告編が公開された。

・ゴシップに事欠かなかったロミー・シュナイダーの没後40周年

日本初公開の作品から遺作となった『サン・スーシの女』まで7作品が上映

ウィーンの名門俳優一家の家に生まれ、ヨーロッパを中心に多くの傑作・話題作に出演し世界最高峰の女優として名を馳せた女優、ロミー・シュナイダー。一方では度重なる色恋沙汰、破産、元夫や息子の死などスキャンダルやゴシップがつきまとうなど壮絶な人生を送るが、死後マリリン・モンローやカトリーヌ・ドヌーヴを抑えて「今世紀最高の女優」に選ばれるなどその鮮烈な印象は今も輝く。

映画祭で公開されるのは7作品。『太陽がいっぱい』(65年)の主演であるアラン・ドロンとロミーが再共演した『太陽が知っている 4K デジタルリマスター版』(69年)は、4人の男女の思惑が官能的かつ不穏に交錯し合う、太陽が眩いサントロペの別荘を舞台にした心理サスペンス。

『マックスとリリー』(71年)は、日本劇場初公開。ミシェル・ピコリとロミー・シュナイダーの名演から目が離せない、クライムサスペンスだ。

『夕なぎ』(72年)は、全く異なるタイプのふたりの男性に愛される女性ロザリーをロミーが知的な魅力と共にドライに演じる大人のラブストーリー。イヴ・サンローランの衣装も見どころの一つ。

『離愁 4K デジタルリマスター版』(73年)は、第二次世界大戦中のフランスを舞台に、妻子ある中年男とドイツ生まれのユダヤ女の愛と別れを描いた作品。終始シンプルな黒いワンピースにひっつめた髪という出立ちながら、画面に存在感を漲らせるロミーの感動的な表情と、そのラストシーンは忘れ難い。

また、フランスの金融界を揺るがせた実在の女性、マルト・アノーの生涯をベースに、第一次大戦後、貧しい帽子売りから金融界に進出、フランス初の女銀行家となった女性エンマ・エケールの姿を描く『華麗なる女銀行家 4K デジタルリマスター版』(80年)、ロミーが息子ダヴィットを不慮の事故で亡くした3ヵ月後に始められ、また彼女の遺作になった『サン・スーシの女』(82年)、さらに日本初公開であるドキュメンタリー『地獄』(09年)。

今回公開された本映画祭の予告編では、ハイブランドのドレスから開放的なバカンススタイルなど様々な衣装に身をつつんだロミーの華麗な姿から、張り詰めた表情をたたえた横顔をじっくりととらえた『離愁』のワンシーンなど、女優ロミー・シュナイダーの深遠な魅力を垣間見ることができる。

「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」は、85日から825日までBunkamura ル・シネマにて開催。