『妖怪大戦争 ガーディアンズ』赤楚衛二インタビュー

『チェリまほ』で大ブレイク! 今度は旅する妖怪・天邪鬼に!

#妖怪大戦争#妖怪大戦争 ガーディアンズ#赤楚衛二

赤楚衛二

役との共通点は、寂しがり屋なところ

『妖怪大戦争 ガーディアンズ』
2021年8月13日より全国公開
(C)2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ

1960年代に「妖怪三部作」の一つとして製作され、2005年に三池崇史監督が神木隆之介主演でリメイクした『妖怪大戦争』。興行収入20億円の大ヒットを記録した平成版に引き続き、令和版でもメガホンを取った三池監督が放つ最新作が『妖怪大戦争 ガーディアンズ』だ。

古の怨念により妖怪獣が出現し、妖怪たちは伝説の妖怪ハンターの血を引く勇者の復活に奔走する。しかし選ばれたのは弱気で心優しき少年だった! 世界の存亡をかけた戦いに挑む主人公・ケイを寺田心が演じ、ケイと共に旅をする妖怪・天邪鬼を赤楚衛二が演じている。出演が決まった時はとてつもなく嬉しかったと語る彼に、役柄に込めた想いと今後の目標について聞いた。

“チェリまほ”赤楚衛二の胸キュンシーン満載!

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──前作の『妖怪大戦争』はご存じだったのでしょうか。『妖怪大戦争 ガーディアンズ』に出演が決まった際の想いや台本を読んだ感想について教えてください。

赤楚:僕自身前作を小学5年生の時に見ていたので、このお仕事について話があった時はとてつもなく嬉しかったですね。勇気について教えてもらい、多少なりとも影響を受けていたので、その映画のシリーズに出演して今度は自分が何がしかのものを与えられる立場になるんだということで、ただただ「演りたい!」という思いでした。
最初に台本を読んだ時は、「これ、どうやって撮るんだろう?」とスケールの大きさにまず驚き、ストーリー的には“兄弟の物語”というところでウルっときて。何より戦うだけではなくて「相手と自分、お互いに分かり合うんだ」という描き方が令和ならではで良いんじゃないかなと思いました。

──天邪鬼は孤独なひねくれ者で哀しみや愛嬌を感じさせるキャラクターですが、演じるにあたって気をつけたことは何だったのでしょうか。
赤楚衛二

主人公のケイ(左/寺田心)と天邪鬼(右/赤楚衛二)

赤楚:三池監督にはケイとの関係性がすごく大事だと言われていたので、まず一番にケイの友達にならなければと思いました。身体的なアプローチとしてはキャラクターとして少し“弱さ”が欲しいということで、かかんでいる姿勢だったり、少し声を潰したり。ほんのちょっとスパイス程度に入れたつもりだったのに、特殊メイクで鼻が詰まっている状態だったので余計に鼻声になってしまいました(笑)。

──特殊メイクが演技の邪魔になることも…?

赤楚:鼻声以外はお芝居を阻害されるということも意外になくて、小さな心の機微みたいなところも繊細に表現できたのではないかなと。妖怪として細かいところまで作り込まれてあってクオリティの高さに感心したんですけれど、ただ、愛してもらえるのかなという怖さはありましたね。

──三池監督とのやりとりの中で、特に印象に残っている言葉は何だったのでしょうか。

赤楚:印象に残っているのは、役の方向性の話ですね。一度お芝居をやった時に「ちょっとラクしたね」というニュアンスのことを三池監督に言われてしまいまして。自分としてもお芝居をするなか、どこかしら“感覚”じゃなくて“思考”が入ってしまった時があったので、やっぱり妖怪の姿でも見抜かれるんだなと思いました。あと、感情表現としてどこまでオーバーに演じていいんだろうっていう話をちょくちょくしていたんですけど、その度に三池監督が「思いっきりやってくれ、やりすぎたら言うから」と言ってくれたおかげで、飛び込んでいけた感じもありましたね。

──天邪鬼と赤楚さんご自身との共通点や異なる点を挙げるとしたら?

赤楚:実は共通点はあんまりなくて。どちらかと言うと僕は思ったことをはっきり言ってしまうタイプなので。強いて言えば寂しがり屋なところ。僕は夜中になると人恋しくなって友だちに電話をかけまくったりするぐらい寂しがり屋なんですけれど、そういう寂しさみたいなところは共通しているのかもしれません。
実は天邪鬼はひねくれているけれど、受ける影響に関しては素直なんですよね。ケイの言葉ひとつで疑問を持って、それで変わっていく。そうやって大きな冒険を経験する中で変化できるっていうのは羨ましいなと。やっぱり自分を疑うってなかなか難しかったりすることもありますし。

──赤楚さんは『仮面ライダー』シリーズのほか、映画・ドラマと様々な役柄を演じてきました。これまでの経歴の中で最も印象に残っている役柄について教えてください。

赤楚:ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』で演じた松田秀明役ですね。彼にはすごく辛い過去もあるので、その後は幸せになっているのかな?幸せになってほしいなと思うような人生を歩んでいるのでちょっと印象的でした。演じていてもやっぱり苦しかったですし、それだけに残っていますね、その苦しさは。

──町田啓太さんと共演したドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』では主人公の安達清を演じ、 “チェリまほ”の愛称で大人気となりました。あの作品で得たものは何だったのでしょうか。
赤楚衛二

赤楚:『チェリまほ』は内面的な役作りから始めましたが、相手のアプローチに対して演技していくという“受けの芝居”でした。会話や雰囲気など相手からのアクションにすぐ反応して感じたままに演じていくというのを一か月半ずっとやっていたので、瞬時に対応する感覚は鋭くなったと思います。何よりチームがすごく素敵なメンバーで、スタッフさんたちも含めて役者たちが未だに連絡を取り合うような関係性が築けたので、そういう意味では人にも恵まれた作品だったと思いますね。

──今後の目標と、演じてみたいジャンルがあればぜひ。

赤楚:『チェリまほ』で僕のことを知ってもらったことは嬉しかったですし、今回の『妖怪大戦争 ガーディアンズ』で初めて見てくださる方もいるかと思いますので、今後の目標はやっぱり「よりいろんな人に見てもらえるような役者になれたら!」そして「そんな作品に出会えたら!」ですね。そしてその役を通して僕自身を表現できたらと思います。
演じてみたいジャンルは時代劇で、実は出演したことがないんですよ。でも「人を斬らなそうな顔をしてる」と言われているので、お殿様あたりで(笑)。

天邪鬼の衣装の着物も似合っているので時代劇も拝見してみたいです! それでは最後にこれから作品をご覧になる方へのメッセージをお願いします。

赤楚:主人公のケイはすごくピュアなハートの持ち主で、一生懸命に戦っていく勇気は老若男女問わず心に響くものがありますので、妖怪好きな人はもちろんのこと、たくさんの方たちに見て欲しいですね。

(text:足立美由紀/photo:谷岡康則/スタイリスト:壽村太一/ヘアメイク:廣瀬瑠美)

 

赤楚衛二
赤楚衛二
あかそ・えいじ

1994年3月1日生まれ、愛知県出身。映画『ヒロイン失格』(15年)で映画デビュー。『仮面ライダー』シリーズの仮面ライダークローズ役で知られるほか、数々のドラマ・映画・舞台に出演。19年の『ねぇ先生、知らないの?』でW主演を飾る。翌年、映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(20年)、『映像研には手を出すな!』(20年)などに出演。連続ドラマ単独初主演作『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の安達役が好評を博す。21年の7月期から中島健人と小芝風花がW主演する韓国ドラマのリメイク『彼女はキレイだった』に出演し、ヒロインが働くファッション誌編集部員・樋口拓也役を演じる。