『宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち』第六章「回生篇」山寺宏一インタビュー

名作『ヤマト』に歌手として起用され「びっくり」

#山寺宏一

デスラーで出た上にさらにエンディング主題歌まで! 半端ないプレッシャーです

日本のアニメーションに金字塔を打ち立てた『宇宙戦艦ヤマト』。1970年代に一大旋風を巻き起こしたこの名作をベースにした完全新作シリーズ『宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち』の第六章「回生篇」のエンディング主題歌が、山寺宏一の「大いなる和」に 決定した。

人気声優・山寺に、歌手として起用された感想や『ヤマト』への思いなどを聞いた。

──オファーを受けたときの印象をお聞かせ下さい。

『宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち』第六章「回生篇」
(C)西義展/宇宙戦艦ヤマト 2202 製作委員会

山寺:突然「ヤマトのエンディング主題歌が決まりました」とマネージャーに言われて、てっきりデスラーとして好敵手のようなイメージのオファーなのかと思ったら、「歌手として歌って欲しい」というお話だったんです。なにかの間違いじゃないかと思いました(笑)。とにかくびっくりしたのと、ありがたいっていう思い。がんばらなきゃいけないなって。

──曲や詞の印象はいかがでしたか?

山寺:昔、企画もののアルバムで「ヤマトより愛をこめて」を歌ったことがあるんですよ。『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』って『さらば宇宙戦艦ヤマト』のリメイクだから、そういう曲なのかなって思っていたんです。そうしたらプロデュースがS.E.N.S. Projectさんで、曲を聞かせて頂いたらとにかく素晴らしい曲でした。詞もきっと、みなさんが経験したことのあるような、懐かしい情景を歌っている、とても希望を感じさせる詞でした。

──レコーディングの様子をお聞かせ下さい。

『宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち』第六章「回生篇」
(C)西義展/宇宙戦艦ヤマト 2202 製作委員会

山寺:S.E.N.S. Projectの中心人物である勝木ゆかりさんと、安全地帯のギタリスト武沢豊さんが実際にスタジオにいらしてディレクションして下さったんです。歌詞は台詞を言うように、その気持ちだけで歌ってくれたらそれでいい。心に刺さる、人の気持ちを動かす歌っていうのは、上手いとかテクニックがあるとか、そういうことではないんですと、おふたりは言ってくれました。そこで詞の内容と演奏、メロディを聞いて、それに乗っかるまま気持ちを込めて歌ったんです。上手く歌おうとか、そういうことは考えず、気持ちで。例えば、僕の地元宮城の風景を思い浮かべながら歌ってみたら、自分の中で色んな想いが溢れてきました。その気持ちが伝わってくれたらいいなと思いますね。

──ヤマト世代の山寺さんにとって、ヤマトのエンディングを歌うということは?

山寺:『宇宙戦艦ヤマト』は、僕が小さい頃から見ていた作品です。旧作から今作に至るまで、名だたる歌手のみなさんと名を連ねることになるわけですから、すごいことです。しかも重要な役、デスラーで出させていただいた上にさらにエンディング主題歌まで! 半端ないプレッシャーですよ。

──第六章「回生篇」の見どころは?

山寺:まずは前章が、ヤマトが沈んだところで終わったんですよね。だからヤマトは一体どうなるのか、というのが大きな見所ですよ。そして銀河というヤマトに似て非なる戦艦と、山南のアンドロメダの活躍。もう鳥肌ものでしたね。あとはガトランティスです。ずっと謎だったんですけど、ズォーダーとは!? ガトランティスとは!? サーベラーとの関係も色々と明らかになります。そのあたりデスラーは全然出てこないんですが(笑)。

──ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

山寺:「大いなる和」――人が集まってできる和を尊ぶ、大いなる「和」がタイトルの歌です。『2202』のファンは僕のようなヤマト世代の方もいれば、10代、20代でも見ている方はたくさんいらっしゃるでしょう。この歌はそのみんなの心に、すっと入ってくる。そういう歌にできあがっています。みんなの心に思い浮かぶような風景から、未来へとぐぐっと広がっていく。ヤマトらしい大きなスケール感の曲を楽しんで下さい。

山寺宏一
山寺宏一
やまでら・こういち

1961年6月17日生まれ、宮城県出身。大学卒業後、養成所を経て声優として活動。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(88年)、『らんま1/2』(89年)、『劇場版ポケットモンスター』シリーズ、『かいけつゾロリ』シリーズなどの人気アニメ映画で声優を務めるほか、ウィル・スミス、ブラッド・ピットらの吹き替えなども担当。97年から16年までTVバラエティ番組『おはスタ』のメイン司会も務めた。