『リトル・マエストラ』有村架純インタビュー

大ブレイク間違いナシの若手イチ押し女優!

#有村架純

撮影の合間は(釈由美子さんと)楽しくガールズトークをさせてもらった

日本海に面した寂れた漁村にあるアマチュアオーケストラのメンバーと、“天才指揮者”の触れ込みでやってきた女子高生の交流を描いた『リトル・マエストラ』。音楽性は二の次ながらも楽しく「威風堂々」を演奏してきたメンバーと、わけありの天才少女指揮者が、ときに反目し合い、ときに協力しながら共に成長していく姿が感動を呼ぶ。

本作の主人公で、オーケストラの指揮者をつとめることになる美咲を演じているのは有村架純。『阪急電車 片道15分の奇跡』(11年)、『劇場版 SPEC〜天〜』(12年)などで注目を集める注目の若手女優だ。今年、大ブレイク間違いなしの有村に話を聞いた。

──主人公の美咲は東京でつらい経験をし、最初は突っ張った感じで登場しますが、オーケストラのメンバーの前ではお嬢様風を演じます。最後は素の自分を見せますが、演じ分けはどのように工夫しましたか?

有村:美咲の本質はブレないようにしなければと思いました。最初の美咲はちょっと突っ張っている感じなので、声のトーンを低くしたり、ぶっきらぼうにしてみたり、細かいところに気をつけました。次に、“天才少女指揮者”と偽っているときの美咲は、ちょっとお嬢様風に気持ちを持っていき、変化をつけました。

──釈由美子さんと一緒のシーンが多いのですが、共演した感想は?

有村:撮影の合間は楽しくガールズトークをさせてもらったんですけど、“良き姉御!”というか、格好いい方だなと思いました。

──ガールズトークというと、恋愛バナシなんかも?

有村:そうですね(笑)、理想のタイプの話なんかをしたり。あとは、美容法だったり、釈さんはいろんな習い事をされていらっしゃるので、そういうお話もしていただきました。

もっともっとガムシャラにやらないといけないなと思います
有村架純

──物語の舞台となる石川県の志賀町でロケをしたそうですが、見ていてものすごく寒そうでした。実際の撮影はいかがでしたか?

有村:寒かったです。寒すぎで痛かったです(笑)。カイロを服に貼れるだけ貼っていたのですが、全然効かなくて。足先から冷えてくるので、足の感覚も全然ないんです。地面に足がついているのかも分からないくらいでした(笑)。

──船に乗るシーンも寒そうでした。

有村:寒かったです。それに日本海は荒波なので、すごく荒れていて。船酔いはしませんでしたが、足を踏ん張っていないとヨロヨロしちゃって大変でした。

──2010年にテレビドラマ『ハガネの女』で女優デビューして以来、『阪急電車 片道15分の奇跡』や『劇場版 SPEC〜天〜』などの話題作に次々に出演し、あっという間に人気が出た感じですが、この2、3年を振り返っていかがですか?

有村:う〜ん……もっともっとガムシャラにやらないといけないなと思います。

有村架純

──それから、昨年末に発売した初めてのイメージDVDが、Yahoo!ショッピングの映像ソフト部門と男性総合部門の2部門で、予約注文のみで第1位を獲得する人気ぶりでしたが、感想は?

有村:自分のDVDを買ってくださる方がこんなにいるんだとビックリしたんですけど、実感がなくて(笑)。むしろ、まだまだこれからという気持ちですが、1位になったことはとても嬉しいです。

テレビに自分が映っていると最初の頃は恥ずかしかった
有村架純

──人気が出てきたなという実感はありますか?

有村:特にないんです。テレビを見ていて自分が映っていると最初の頃は恥ずかしかったのですが、今は反省点ばかりが気になってしまって。「あぁ、ここをもっとああすれば良かった……」とか。一生、女優としてやっていきたいので、ただひたすら仕事に向かっているだけです。

──端から見ると、“がむしゃら”とか“ひたすら”という言葉が想像できないくらい優雅に、余裕があるように見えますが。

有村:そう見えますか(笑)? 全然違うんです。常に台本がないと不安で、持ち歩いていたりします。

有村架純

──では、素顔の有村さんはどんな女の子なんですか?

有村:よく「落ち着いてるね」って言われるんですけど、物事を深く考えてしまうタイプで、たまに迷路に迷い込んでしまうときがあります。ただ、パッと切り替えることもできるタイプなので、「頑張ろう!」と前向きになれたりはするんですけど。あとは不器用だと思います。考え込んでしまう部分もそうだし、集中しないとバランスがとれないところがあったりして、「あぁ、私って不器用だな」って思います。

──映画でも食べ物でもなんでもいいのですが、“好きなもの”はなんですか?

有村:人とお話するのはすごく好きです。誰かといるとすごく安心します。かといって1人が寂しというタイプではなくて、1人で映画館に行くのも好きですし、1人でカラオケに行くのも好きです。あと、好きな食べ物はお寿司(笑)。サーモンが好きですけど、玉子も好きで、お寿司だったらなんでも好きです。

女優人生が1番の夢。でも結婚はいつかしたい
──オフの日の過ごし方は?
有村架純

有村:1人で買い物に行ったり、家でDVDを見たり、友だちとご飯を食べに行ったりもします。あとは、アロマオイルなど良い匂いのするものが好きなので、そういうものを探しに行ったりもします。

──今年は10代最後の年でもありますが、今後の夢や抱負は?

有村:このお仕事を一生続けていきたいので、女優人生が1番の夢です。でも、結婚は、もちろんいつかしたいです。何歳くらいに、という希望はとくにないのですが。気持ちに余裕ができてからでないと無理かなと思います。女に生まれたからには、結婚はやはり憧れなので。

有村架純

──最後に、映画の見どころなどを教えてください。

有村:何かをやりたいんだけどやり方が分からない、どうしようと悩んでいる人がいたら、ぜひこの映画を見て明るい気持ちになってもらえたら嬉しいです。美咲の心の変化や人々の温かさにも注目して見てください。

(text&photo=編集部)

有村架純
有村架純
ありむら・かすみ

1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年、ドラマ『ハガネの女』でデビューし、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』(13年)で注目を集める。『映画 ビリギャル』(15年)で第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞をW受賞。同作と『ストロボ・エッジ』(15年)で第58回ブルーリボン賞主演女優賞受賞。主な映画出演作は、第29回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎新人賞を受賞した『何者』(16)年、『夏美のホタル』(16年)、『3月のライオン』(17年)、『ナラタージュ』(17年)、『コーヒーの冷めないうちに』(17年)、『フォルトゥナの瞳』(19年)、『花束みたいな恋をした』(21年)、『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』(21年)。ドラマ『コントが始まる』に出演、9月に舞台「友達」に出演予定。

有村架純
リトル・マエストラ
2013年2月1日より有楽町スバル座ほかにて全国公開
[監督]雑賀俊郎
[脚本]坂口理子
[原作]いずみ♡組
[出演]有村架純、釈由美子、蟹江敬三、篠井英介、筒井真理子、上遠野太洸、松本利夫、前田吟
[DATA]2012年/日本/アルゴ・ピクチャーズ/108分
(C) 2012「リトル・マエストラ」製作委員会