コムアイ&森永泰弘が紡ぐジャワ島神秘の物語! 刺激に満ちた複合芸術とは?

#音楽#映画を聴く#コムアイ#サタンジャワ#リン・ヌグロホ#森永泰弘

『サタンジャワ』サイレント映画+立体音響コンサートでボーカルとパフォーマンスを担当するコムアイ
『サタンジャワ』は7月2日、有楽町朝日ホールにて上演
『サタンジャワ』サイレント映画+立体音響コンサートでボーカルとパフォーマンスを担当するコムアイ
『サタンジャワ』は7月2日、有楽町朝日ホールにて上演
『サタンジャワ』サイレント映画+立体音響コンサートでボーカルとパフォーマンスを担当するコムアイ
『サタンジャワ』は7月2日、有楽町朝日ホールにて上演
サウンドアーティストの森永泰弘

7月2日、有楽町朝日ホールにてサイレント映画と立体音響コンサートを組み合わせた昼夜2回の特別公演『サタンジャワ』が上演される。ガリン・ヌグロホ監督によるモノクロ映像に、サウンドアーティストの森永泰弘がジャワ島で採取した音源と日本・インドネシア特別編成音楽アンサンブルの演奏する音楽を重ね、さらにその上に水曜日のカンパネラとしての独自の活動で知られるコムアイがヴォーカルとパフォーマンスを重ねる。映画でも音楽でも演劇でもない、刺激に満ちた複合芸術を創造する試みである。

生成りで素朴な心地よさ! 音楽ファンにとってかけがいのない作品

インドネシアの映画界を牽引するヌグロホ監督による『サタンジャワ』の映像は、ジャワ島に伝わる神秘主義を軸とした物語で、男と女とサタンの複雑に絡み合う恋愛関係を描いている。本作の映像制作にあたり、ヌグロホ監督はバリ島に古くから伝わる影絵人形芝居の「ワヤン・クリ」とF.W.ムルナウ監督の1922年の映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』に着想を得ているという。特にワヤン・クリは、牛革を精巧に加工・着彩して作られた人形を人形使いが操り、その動きをスクリーンに投影。グンデル・ワヤンと呼ばれる青銅製ガムランによる伴奏をつけるという形式が、「映画の拡張」というヌグロホ監督の長年のテーマと深くリンクしている。

『サタンジャワ』はこれまで世界各地で上演されており、それぞれの公演地によって異なる音楽や音響が重ねられるのが大きな特徴だが、日本ではサウンドアーティストの森永泰弘が音楽・音響デザインを担当。この春にインドネシアのスラウェシ島のマッカサル近郊南スラウェシ周辺部、ジャワ島のバンドゥンやバニュワンギなどを回り、宗教儀式や結婚式など現地の伝統行事をフィールドレコーディングしており、これらの音源に弦楽クインテットやガムラン、タラワンサ、カチャピといった現地の楽器で編成された楽団による演奏が混ざり合う(立体音響については後編の森永氏インタビューをご参照ください)。

またヴォーカルとして出演するコムアイは、最近では屋久島での人々や自然との触れ合いから生まれた楽曲集『YAKUSHIMA TREASURE』(水曜日のカンパネラ&オオルタイチ名義)をリリースするなど、まさに今回の適役と言える活動を展開してきたアーティスト。水曜日のカンパネラに留まらず、モデルや女優としての活動も増えているだけに、ステージでのパフォーマンスにも注目度が高まる(後編へ続く…)。

後編「東京では2回だけ! 見る人を音で包囲し映像世界へ誘う没入型音響の未知なる体験」