シュワルツェネッガーの90年代傑作SFが4Kリマスター上映

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シュワルツェネッガー
『トータル・リコール 4Kデジタルリマスター』 11月27日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー (C)1990 STUDIOCANAL 配給 リージェンツ
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フィリップ・K・ディックの描く“幻視”の世界観

アーノルド・シュワルツェネッガーが主演したSF映画の金字塔『トータル・リコール』が1990年12月1日に日本で公開されてから30年となる今年、4Kデジタルリマスターを経て11月27日より全国公開される。

・最初は「ヒットしない」と言われた大ヒット映画、その裏話が面白すぎる!

『トータル・リコール』の舞台は、西暦2084年。ダグ・クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)が火星旅行を夢見て人工記憶センターを訪ね、目覚めたら妻からも相手にされない別人になっており、命の危険にさらされる。当時最高額となる7,000万ドルもの製作費が投入され、『バック・トゥ・ザ・フュー チャー PART3』や『ダイハード2』といった話題作を抑え、全米初登場No.1を獲得した。

監督は『ロボコップ』のポール・バーホーベン。当時はアナログのSFXだが、彼ならではの大仰な演出が、屈強なアクションスターしてのアイコンが完成していたシュワルツェネッガーを、自身の内面と葛藤する普通の男として描くことに成功。シュワちゃんの代表作のひとつとして、いまもファンに愛されている。

原作はSF小説の巨匠、フィリップ・K・ディックの短編小説「追憶売ります」。幼少期に二卵性双生児の妹を失った体験が、生涯彼が生涯にわたり“幻視”、”複製”といったテーマを扱う原動力になっているが、本作の主人公も、封印された”自身の記憶”とされるものに触れ、自我を強く揺り動かされる。

リモートコミュニケーション時代に改めて見直したい

近年のSF映画は、果てしなく未知なる宇宙や新しい技術や科学への憧れを正面から扱うよりも、人間の神秘的な内面に焦点を当てるものが目立つ。記憶を扱った作品には、『インセプション』などクリストファー・ノーラン監督の一連の作品や、体と精神が分離する『シックス・センス』、人のアタマの中に侵入するスパイク・ジョーンズ監督の『マルコヴィッチの穴』などがあるが、いまだに記憶のメカニズムそのものに焦点をあてるエンターテインメント作品としては『トータル・リコール』が最右翼だろう。

ディックの提示する「自分が見ているものは、すべてまやかしかもしれない」というメッセージは、コロナ禍でリモートによるコミュニケーションが日常化したいま、改めて現実味のあるテーマとして重みを増す。

『トータル・リコール 4Kデジタルリマスター』は、11月27日より全国公開。(文:fy7d)

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