75歳にして初の長編映画監督デビューを果たす司慎一郎監督が、“老人たちの視点”で描いたフィルムノワール映画『枯れ木に銃弾』の公開が決まった。新たなジャンル〈シニア・ノワール〉に挑んだ作品として注目が集まっている。
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老害? コスパ悪い? そんな世の中に最後の抵抗!
映画『枯れ木に銃弾』は、75歳にして初めて長編映画の監督に挑む司慎一郎が、自身の人生と真正面から向き合い完成させた意欲作。
かつて映画監督を志しながらも家庭の事情で夢を断念し、一般企業に就職。その後、数々の試練を乗り越え経営者として成功を収めた司監督は、人生の終盤に差し掛かった今、「本当にやり残したことは何か?」という問いに立ち返った。
その答えとして浮かび上がったのが、自分を支えてきた家族や仲間への感謝と、がむしゃらに働いてきたにもかかわらず排除されていく社会への怒りだった。本作は、その相反する感情から生まれた作品となる。
物語の中心にいるのは、現代社会からこぼれ落ちた高齢者夫婦。
東京の下町で暮らす山西喜一郎を演じるのは鷲田五郎、妻・あかね役には田所ちさ。ふたりは、長く“普通に生きてきた”夫婦として、静かな老後を送っていた。

療費で貯金を失い、社会からの冷遇と生活困窮の中で、「価値のない人間」とまで言われ絶望するふたり。最後の希望として、喜一郎とあかねは亡き父から受け継いだ猟銃を手に、富裕層の家を襲撃するが、計画は思わぬ惨劇へと変わる。
逃亡の末に辿り着いたのは、かつての憩いの場所・銭湯。血まみれの身体を洗い流し、もう一度「人間」として戻ろうとするふたりだったが……。
解禁されたメインビジュアルには、返り血を浴びた夫婦が並び立ち、喜一郎が拳銃を構える姿が写し出されている。画面を横切るように走る“ひび割れ”の表現とともに添えられたコピーは、「普通に生きてきた――昨日までは」。
それは、平凡な日常がある瞬間を境に崩れ去ること、そして“普通”であることさえ許されなくなった人々の現実を、象徴的に突きつける。
高度経済成長を支えてきた世代が「老害」「コスパが悪い」と切り捨てられ、現金主義も通用しない機械化された社会の中で居場所を失っていく現実。「自分たちは、もう価値のない存在なのか?」——その問いを抱えながら、ふたりは“最後の反抗”を選ぶ。
司監督は本作を、単なる犯罪劇ではなく、“老人のためのノワール映画”として位置づけ、「シニア・ノワール」と名付けた。体力も衰え、社会からも遠ざけられた老人たちが、それでもなお人生と向き合い、“花を咲かせようともがく姿”を、フィルムノワールの文法で描き出す。70代で初の長編映画に挑むという監督自身の歩みが、この物語に確かなリアリティを与えている。
年齢に夢の限界はない——『枯れ木に銃弾』は、そのことを声高に語るのではなく、ひとつの映像と物語として静かに差し出す作品だ。

『枯れ木に銃弾』は2026年2月20日より全国順次公開。
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