『大統領暗殺裁判 16日間の真実』公開記念、韓国激動の時代を繋ぐ歴史大作2作品が特別上映

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『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
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『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
『KCIA 南山の部長たち』
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『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』

大統領暗殺と軍事反乱、民主主義の危機を描いた歴史の闇

チョ・ジョンソク、イ・ソンギュン、ユ・ジェミョン共演、韓国史上最悪の政治裁判を描いた衝撃のサスペンス映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』が公開される。これを記念して、本作に繋がる事件を描いた『KCIA 南山の部長たち』(20年)『ソウルの春』(23年)の特別上映が決定した。

・イ・ソンギュン、遺作『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は事件に巻き込まれた愚直な軍人役

軍事クーデターで政権を掌握し、独裁者と批判されるほど強大な権勢を振るった朴正煕(パク・チョンヒ)大統領。そんな彼が国のナンバー2とも噂された側近の中央情報部(KCIA)部長金載圭(キム・ジェギュ)によって、1979年10月26日に暗殺された。本作は、このセンセーショナルな事件の裁判と、10.26大統領暗殺から12.12軍事クーデターという韓国近代史の中でも大きな歴史的事件に巻き込まれた3人の男を、一部フィクションを交えて史実に基づき描いた作品だ。

この韓国史上最悪の裁判とも言われる大統領暗殺裁判を、弁護する者、裁かれる者、裏で操る者、それぞれの目線でドラマチックに作り上げたのは、イ・ビョンホン主演の大ヒット作『王になった男』(12年)のチュ・チャンミン監督。前作で見せた手腕を今作でも遺憾なく発揮し、その当時に生きた人々の声にならない悲痛な叫びを鮮明に描き出している。

キャストには、韓国映画・ドラマ界を代表する実力派俳優たちが集結する。勝つためには手段を選ばない弁護士チョン・インフ役には、ドラマ『賢い医師生活』などで人気を博すチョ・ジョンソク。チョン・インフが弁護する、愚直な軍人パク・テジュ役には、『パラサイト 半地下の家族』(19年)をはじめ多数の映画・ドラマに出演し、本作が遺作となったイ・ソンギュンが扮する。

さらに、裁判を裏で操る合同捜査団長チョン・サンドゥ役には、『劇映画 孤独のグルメ』(24年)や『梨泰院クラス』で幅広い演技を見せたユ・ジェミョン。韓国元大統領・全斗煥(チョン・ドゥファン)をモデルにしたこの役で【第61回百想芸術大賞 映画部門 助演男優賞】を受賞し、圧倒的な存在感を放っている。

今回、本作公開記念として、『大統領暗殺裁判 16日間の真実』につながる事件を描いた『KCIA 南山の部長たち』『ソウルの春』の特別上映が決定した。「1979年激動の韓国近現代史特集」と題し、 『KCIA 南山の部長たち』が8月15日より、『ソウルの春』が8月18日よりYEBISU GARDEN CINEMAにて連続上映される。また、特集上映限定にて、チョ・ジョンソクとイ・ソンギュンが向き合って座る本作の象徴的なシーンを切り取った特製しおりの配布も予定されている。

1979年10月26日に起きた朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件を描いた『KCIA 南山の部長たち』、そしてその後に全斗煥(チョン・ドゥファン)らが新たに権力を掌握しようとした「12.12軍事反乱」を描いた『ソウルの春』。どちらも実際の事件をもとに、一部フィクションを交えながら描かれた、韓国の近現代史を知るうえで欠かせない作品である。

一方、今年8月に待望の日本公開となる『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は、大統領暗殺事件から12.12軍事反乱へと続く、韓国民主主義の存亡を揺るがした歴史的な二つの事件を結ぶ“政治裁判”と、そこに関わった人々に焦点を当てる。これまで描かれることのなかった、韓国史上最悪とされる政治裁判の裏側を明かす注目作だ。

劇中では、大統領暗殺やその後の軍事クーデターの顛末も描かれており、前述の2作品との描写の違いを見比べるのも興味深い。チュ・チャンミン監督も「別の視点から歴史に注目することで、新たな映画的な面白さを感じてもらえるかもしれない」と語っており、本作はまさに、史実をより深く知るための欠かせない“1ピース”となっている。

韓国映画ファンにとっては、これらの作品に登場する実在人物のモデルを、複数の俳優が演じている点も注目すべきポイントだ。たとえば『大統領暗殺裁判 16日間の真実』でイ・ソンギュンが演じる軍人パク・テジュは、中央情報部部長(ユ・ソンジュ)の随行秘書官であり、上官の指示に従ったことで大統領暗殺事件に巻き込まれる。

また、この事件の主犯格である中央情報部(KCIA)部長を、『KCIA 南山の部長たち』ではイ・ビョンホンが演じている。異なる作品で同一人物を異なる俳優がどう表現するかという点にも注目が集まる。

『大統領暗殺裁判 16日間の真実』

『ソウルの春』では、ファン・ジョンミンが首都警備司令官と対峙するチョン・ドゥグァン保安司令官(全斗煥をモデルにしたキャラクター)を演じて話題を呼んだが、『大統領暗殺裁判 16日間の真実』で同じ人物をモデルにしたチョン・サンドゥ役を務めたのは、名優ユ・ジェミョン。ユ・ジェミョンは公判を盗聴し、裁判長に秘密のメモを送り続けて裁判を操る冷徹な策士を演じ、ファン・ジョンミンとは異なるタイプの独裁者像を浮かび上がらせている。

ちなみにファン・ジョンミンは『ソウルの春』で第60回百想芸術大賞・映画部門の最優秀演技賞を受賞し、翌年にはユ・ジェミョンが本作で同賞の助演男優賞を受賞。ともに同じ実在の人物をモデルにした役柄で、名優2人が2年連続で評価されたという奇妙な因縁もある。

『KCIA 南山の部長たち』は2025年8月15日~17日、『ソウルの春』は8月18日~21日までYEBISU GARDEN CINEMAにて公開。『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は8月22日より全国公開。