錦戸亮が弁護士役で法廷に立つ! 性別適合手術の合法性をめぐる裁判に迫る衝撃の実話

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『ブルーボーイ事件』
(C)2025 『ブルーボーイ事件』 製作委員会

トランス女性の当事者キャストが集結、1960年代の日本を舞台に尊厳と希望を描く

トランスジェンダー男性であるというアイデンティティを反映した独創的な作品作りで国内外から大きな注目を集める期待の若手・飯塚花笑監督の最新作『ブルーボーイ事件』が、11月14日より劇場公開されることが決定。あわせて、主人公・サチ(中川未悠)が狩野(錦戸亮)とともに法廷に立つ本ビジュアルが解禁された。

・性転換手術は違法なのか? 錦戸亮も弁護士役で出演した問題作『ブルーボーイ事件』に注目

1960年代後期、東京オリンピックや大阪万博で沸く、高度経済成長期の日本。国際化に向け売春の取り締まりを強化する中、性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けた通称ブルーボーイたちを一掃し街を浄化するため、検察は手術を行った医師を逮捕。手術の違法性を問う裁判には、実際に手術を受けた証人たちが出廷した。

かつて実際に起きた“ブルーボーイ事件”に衝撃を受け、映画化を決意したのは、『僕らの未来』(11年)『フタリノセカイ』(22年)『世界は僕らに気づかない』(23年)などで国内外から大きな注目を集める新鋭・飯塚花笑(いいづか・かしょう)監督。当時の社会状況と事件について徹底的に調査し、裁判での証言を決意したトランスジェンダー女性サチを主人公に物語を構想した。

その渾身の企画に惚れ込んだのが、『深夜食堂』シリーズをはじめ、『アヒルと鴨のコインロッカー』(07年、中村義洋監督)、『岸辺の旅』(15年、黒沢清監督)、『月の満ち欠け』(22年、廣木隆一監督)など数々のヒット作を手がけてきた映画プロデューサーの遠藤日登思。飯塚監督らと何度も脚本の改訂を重ねながら、オリジナル作品として本作を完成させた。

東京の喫茶店で働く主人公・サチ(中川未悠)は、恋人の若村(前原滉)からプロポーズを受け、幸せを噛み締めていた。そんなある日、弁護士の狩野(錦戸亮)から証人として出廷してほしいと依頼を受ける。実はサチは、性別適合手術をしたことで裁判にかけられた赤城(山中崇)のもとで手術を受けた患者のひとりだった。サチは、かつての同僚・アー子(イズミ・セクシー)やメイ(中村中)、ブルーボーイの仲間・ベティ(真田怜臣)、ユキ(六川裕史)、ツカサ(泰平)と自分たちの尊厳をかけて裁判に向き合うことになる。

キャスティングにあたっては、「この物語を描くには、当事者によるキャスティングが絶対に必要」という監督の強い意志のもと、さまざまな経歴を持つトランスジェンダー女性を対象にオーディションが実施された。多くの候補者の中から主人公役に選ばれた中川は、ドキュメンタリー映画『女になる』(17年、田中幸夫監督)に出演した経験はあるものの、演技は未経験。本作で初めて演技に挑み、いきなり主演に抜擢された。トランスジェンダーの俳優が映画界で活躍する機会は依然として極めて少なく、本作は日本映画界に一石を投じる作品となっている。

今回解禁された本ビジュアルには、証言台に立ち、まっすぐ前を見据えるサチの姿が映し出されている。背後には、ブルーボーイのメイ、アー子、ベティ、ユキ、ツカサが傍聴席に並び、裁判の行方を見守っている。そして、弁護士・狩野がサチの隣に立ち、証言を引き出そうとしている。「知られざる歴史がここにある」というコピーの通り、本作は1960年代の実際の裁判に着想を得て、性別適合手術が違法か合法かを争った法廷を舞台に、関わった人々の姿を描く社会派エンターテインメントとなっている。

『ブルーボーイ事件』は2025年11月14日より全国公開。