「見る前の自分には戻れない」亀梨和也らが語る、映画『でっちあげ』の衝撃と深い余韻

#でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男#三池崇史#亀梨和也#映画#柴咲コウ#綾野剛

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
(C)2007 福田ますみ/新潮社 (C)2025「でっちあげ」製作委員会
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
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『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』

藤井道人、白石和彌、染井為人ら各界著名人からの絶賛コメントも

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』の初日舞台挨拶が6月27日に開催され、主人公の小学校教諭・薮下誠一を演じた綾野剛、息子への体罰を主張する保護者・氷室律子役の柴咲コウ、週刊誌記者・鳴海三千彦役の亀梨和也、そして本作のメガホンを取った三池崇史監督が登壇。多くの観客を前に、熱気あふれるトークが繰り広げられた。

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公開初日のこの日、客席には緊張感と期待が入り混じる独特の空気が漂っていた。そんな中、スクリーン後方の扉からキャスト陣がサプライズで登場すると、場内は大きな歓声と拍手に包まれた。熱気に満ちた客席に向かい、綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也の3人が手を振りながら笑顔でステージへと向かう。ステージ上で三池崇史監督とも合流し、4人が並ぶと改めて大きな拍手が沸き起こった。

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』

まず、主人公・薮下誠一を演じた綾野剛が、「今日を迎えることができて、とても嬉しいです。これだけの多くの方にこの作品を選んでいただけて、心から感謝申し上げます」と本作への思いと、初日を迎えた喜びを語ると、客席からは温かい拍手が送られた。

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』

続いて氷室律子役の柴咲コウは、「昨年の撮影時から1年を経て、ようやく公開できることをとても嬉しく思っています」と作品に込めた想いを語った。

亀梨和也は、「これから見ていただくにあたって、より作品に入り込んでいただけるような時間を過ごせればと思います。今日は楽しんで帰ってください」と場内を和ませる挨拶を述べた。

最後に三池崇史監督が、「今日は本当にありがとうございます。作品も含めて、最後まで楽しんでいってください」とあいさつし、完成した映画を届けられる喜びを率直に語った。

会場がひときわざわめいたのは、各界の著名人から本作へ寄せられたコメントが紹介された場面。綾野の渾身の演技と、三池監督の挑戦的な演出に対して、監督の藤井道人は、「綾野剛という俳優の全てが、この映画を形作る。トップシーンのバックショットから、ラストシーンの瞳まで、薮下誠一という男のたゆたう感情を全身全霊で演じ切っている。剛さん、すごいよ! 三池監督もすごい!! 2025年、絶対に見て欲しい映画に出会えました」と熱のこもったメッセージを寄せた。これを受けた綾野は、「照れますね(笑)たくさんの方に届く作品を作っている藤井さんに評価いただけて、ただただ嬉しいです」と感謝とともに胸の内を明かした。

さらに、白石和彌監督や作家・染井為人らからのコメントも紹介され、柴咲は「嬉しいですね。出演オファーお待ちしております!(笑)」と冗談交じりにコメント。亀梨は、「(本作は)近くに存在しているテーマだなと僕自身も感じていました。素敵なコメントをありがとうございます」と真摯に応じた。また、親交の深い俳優・窪田正孝からのコメントには、三池監督が「彼の目から見ても楽しんでもらえて嬉しいです」と感慨深げに語った。

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』

MCから「“でっちあげ、気になっているけど怖そうで見に行くのを迷っている”という声もあるが、それでも見てほしいポイントは?」と聞かれ、綾野は、「映画も出逢いの一つだと思っています。いろんな1秒を体感できるというのが醍醐味。新たな再発見ができる作品になっているので、まだ見ぬ1秒に出逢いにきていただいていただけると幸いです」と語った。柴咲は、「私は物事をはっきり言うタイプですが、律子を演じて、自分にも日和っている部分があると気づきました。自分たちが何を根拠に情報を判断しているのか考える、いいきっかけになる作品だと思います」と振り返り、亀梨も、「まずは出逢っていただきたいです。人の強さや弱さが描かれていて、人間関係などの景色がクリアに見えてくる作品です。僕たちの本気度を受け取っていただきたいです」と、作品への熱意をにじませた。

事前インタビューで「すべての登場人物のなかに少なくともひとつは『あぁ、わかるな』と腑に落ちる点がある」と語っていた三池監督。この日はMCから「薮下・律子・鳴海、それぞれのどこに共感できたか?」と問われると、「登場人物は、それぞれ自分の人生を自分なりに一生懸命に生きているんです。優柔不断な面を持っている善良な薮下には、特に共感できます」と、キャラクターに込めたリアリティと共鳴したポイントを語った。

綾野は、「劇中で描かれているのは、それぞれの一面でしかありません。その人をどう生きるか、それぞれの一面をちゃんと振り切るというのを大切にして演じました」と語り、亀梨は、「出てくるキャラクターがみんな人間らしくて、その立場、その職業の正義の掲げ方があると感じました。ちょっとしたかけ違いで、こういう事態になる…というゾクっとする感覚がありました」と共感を示した。柴咲は、「私(律子)の目の奥を見てください!」といたずらっぽくほほ笑むと、登壇者全員で「この大スクリーンで、律子の凍るような目を見たい!」とツッコみ、息の合った掛け合いで会場を盛り上げた。

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』

イベントの最後には、これから映画を見る観客に向けてメッセージが贈られた。亀梨は、「見る前の自分には戻れないです! 生きるということに対して気づきがもらえる映画なので、たくさんの方に共有していただき、輪が広がってくれたら嬉しいです」と語り、柴咲は、「黒だと思っていたのが白だということもある。この作品から、想像力を培う大切さを学びました。見てくださるみなさんにも、そこを捉えていただけたら嬉しいです」と呼びかけた。最後に綾野が、「本作は、ジェットコースターのようなスピード感にワクワクするエンタメ作品です。劇中で起こっていることに、ただ楽しんでいただけたら嬉しいです。楽しめば楽しむほど、答え合わせができる。持ち帰っていただいた時に、初めて育っていく。総合芸術を、最後まで楽しんでください」と観客一人ひとりに向けて語りかけた。

その後、全国のライブビューイング会場に向けて全員でカメラに向かってサインを書き、フォトセッションへ。最後はMCの掛け声に合わせ、キャスト・監督・観客が一体となって「映画でっちあげ!」「本日公開!」と声をそろえ、キャノン砲が発射される中、舞台挨拶は幕を閉じた。

『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は現在公開中。