異色のインディーズ映画として公開中の『劇場版 米寿の伝言』。池袋シネマ・ロサで2週間限定の上映予定だったが、初日・2日目と満席となる好評を受けて。急きょ上映期間を延長、さらには6月6日からTOHOシネマズ梅田(大阪)、6月20日からはサツゲキ(北海道)での上映も決定するなど、話題を呼んでいる。
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体が動くうちに、できることなら夢を叶えてあげたい
変わり者の発明家である祖父・米蔵(西本匡克)が、米寿を目前に他界する。孫兄弟のキョウヘイ(西本健太朗)とキッペイ(西本銀二郎)は祖父の遺品である『発明品』を整理していた。
すると、発明品が誤作動し棺桶の中の祖父と弟の中身が入れ替わってしまう。米蔵との再会に喜ぶのも束の間、発明品は故障し元に戻せなくなってしまった!
果たして兄は、弟を救えるのか……という“死んだ祖父と孫の中身が入れ替わる”家族の奮闘と絆を描いたハートフルコメディだ。
だが実は、“演劇の道”に進みたかった元教師の父の夢を叶えるべく、娘がプロデューサーになり、“演劇の道”を進んでいる息子たちに声をかけ西本家の挑戦がスタートした「主演・85歳の素人おじいちゃん」という異例の製作経緯でも話題となっている。
プロデューサーであり実娘の西本浩子は「父(西本匡克)は昔、役者を志していたそうなんです。ですが父の弟がはやくに亡くなったことにより役者の道を諦め、安定した先生の道を選んだんです」と語る。
匡克は子どものころから役者をやっていた浩子の息子たち(西本健太朗、西本銀二郎)に、よく本気のダメ出しをしていたという。
「それを見て、役者を目指していた魂がまだ心の中に残っているんだなと思いました。80歳を過ぎて、体も動くうちにできることなら夢を叶えてあげたいと思った」のがきっかけだった。
「まず100分の舞台に立てるかという体力的な問題と、セリフ的な問題がまったくの未知数でした」と舞台、映画と展開したガクカワサキ監督は語る。
「主演なのにちょっとワンシーン出ただけではお客さんも含めて納得してもらえないので、ほぼ主役に見せるにはどうしたらいいかと悩みました。それで死体役を思いついたんです」
そこから映画化したのは「大阪と東京で舞台公演して、私もじぃじもそれで満足したんです。映画化したのはコロナウィルスが流行ったことが大きく、そのころ『毎日つまらんわ。誰にも会えないし』ってぼやいていて、それで何かをやりたいなと」と浩子がその理由を語る。
製作費は1000万円でした。クラウドファンディングなどの支援で500万円、さらに浩子が400万円、主演の実孫でありメインキャストの西本健太朗が100万円出して映画化にこぎつけた。
本作は、低予算から一大センセーションを巻き起こした『カメラを止めるな!』(17年)の上田慎一郎監督が企画ミーティングに参加していたという。
「上田監督にいただいたアドバイスのなかで『タイムリミットをもっとハッキリ作った方がいい』と言われ、まさに『カメ止め』らしい発想だと思いました」とガクカワサキ監督。
「上映時間は61分ですが、本当は90分くらいになる予定だったんです。編集が終わるとさらに減って57分になってしまって。クラウドファンディングで長編を作ると宣言したので、どうやって60分以上にしようかなと」西本健太朗は言う。
そこから意外な展開が生まれるのだが……それは劇場で確かめてほしい。『カメ止め』『侍タイムスリッパー』(24年)に続く話題の映画の誕生だ。
『劇場版 米寿の伝言』は現在公開中。
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