7ORDERとガラス張り契約結び“昭和体質”なエンタメ界にイノベーション!新参者Birdmanはゲームチェンジャーとなれるか?

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Birdman
欧州最大規模のK-POPイベントを展開する「Live Company Group」とパートナーシップを締結/David Ciclitira会長(右)と握手するBirdmanの伊達晃洋 代表取締役(左)
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2023年1⽉2⽇にバンテリンドームナゴヤで初開催され、大きな話題を呼んだ「KROSS vol.1-kpop masterz-」。韓国を中心に世界で活躍する国内外のアーティストを一堂に会し、輝かしい才能を交差(クロス)させることで生まれるエンターテインメントが堪能できるイベントとなっている。

『梨泰院クラス』で世界的な人気を誇る俳優パク・ソジュンをはじめ、男性アイドルグループASTROのメンバーであるチャウヌ、BTSの弟分と注目のTOMORROW X TOGETHER、韓国のオーディション番組で選ばれたBLANK2Y、元・東方神起のメンバーで日本のK-POPブームの火付け役であるJ-JUNが登場。さらに、日本からは7人組アーティストとして活躍中の7ORDERがオープニングアクトを務めるなど、豪華な出演者が集結した。

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しがらみ多い“業界”に戸惑うも「戦うのは嫌いじゃない」

突如として開催された国内最大級のフェスティバルの開催に驚いた人も多いと思うが、その立役者となるのが本イベントを手掛けた株式会社Birdmanの代表取締役である伊達晃洋。もともとは広告事業を展開していたが、2021年にEX事業(エンターテインメント・トランスフォーメーション事業)を立ち上げ、エンタメ業界に参入した。わずか1年ほどでこれほどの成果を実現させてしまうのは並大抵のことではないが、最初のきっかけはコロナ禍だったと振り返る。

「もともとは、2012年に店頭プロモーションに特化したエードットという会社を作り、広告やマーケティング、ブランディングといった幅広い事業を展開させていました。そして、2019年に上場を果たし、まさにこれからというタイミングでコロナ禍になってしまいました。その頃はデジタルを駆使したリアルなイベントを開催しようとしていたので、僕らが注力していた事業はすべてダメになってしまいました。そのときに、いまから既存の事業だけで成長路線に立て直すのは難しいだろうなと。新規の事業を作らなければ、と色々なところに網を張っていたところ、自分のなかで引っかかった一つがエンタメでした。しかも、偶然なのか必然なのか、7ORDERの活動をサポートする縁にも恵まれたので、それならしっかりとエンタメ事業をやろうと覚悟を決めました」

7ORDER

Birdmanとグロースパートナーシップ契約を結ぶ第一弾アーティストとなった7ORDER

とはいえ、当時はコロナ禍の影響によってエンタメ業界自体が全体的に落ち込んでいた時期でもある。では、そこにどのような商機を見出したのだろうか。

「ピンチだからこそ、逆にチャンスはあると感じました。それに、僕らのような新参者が入れるタイミングがあるとしたら、ここしかないのかなと。あとは、僕自身が広告事業を続けるなかで、自社にコンテンツがないことにジレンマを感じていて、いつか(自前の何かを)作らなければいけないと考えていたので、エンタメ事業ならそれもできるのではないかという気持ちもありました。そういう点でも、自分のなかで合致したのだと思います」

そして、「試行錯誤が続くエンタメ業界をアップデートさせたい」という思いを胸に新たな一歩を踏み出した伊達。しかし、さまざまなしがらみや制約が多い世界のなかで戸惑うことも多かったという。

「語弊があるかもしれませんが、“村社会”みたいだな、というのが最初の印象でした。やっぱり噂好きや怪しい方も多いですからね(笑)。でも、基本的に戦うのは嫌いじゃないですし、そこが面白いなとも思いました。自分がいままで生きてきた場所ではあり得ないこともたくさんあったので、すごい業界だなと。ただ、自分たちや契約しているアーティストたちを守るためにも、ビジネスとしてのスタンスや本質を見極める力、そして客観的に見る目線は忘れることのないように、つねに意識しています」

大切にしているのは消費者目線、「優秀な人材活かしきれていない」と危惧も

経営者としての立場を踏まえつつ、伊達が何よりも大切にしているのが、ファンである消費者の目線に立つこと。

「これだけインターネットが普及していることもあり、いまは昔以上に多くの情報が消費者に届いています。しかも、いろんな業界の事情もバレ始めてもいる状況になりつつあるので、いつまでも同じ方法を続けるのは難しいのですよね。それに伴ってメディアも変わっていかないといけないですし、何をしたらお客様が喜んでくれるのか、ということについて僕も含めてもっと真摯に向き合わなきゃいけないと感じています」

もともとは伊達自身も消費者としてエンターテインメントを楽しんでいた一人。だからこそ消費者としての感覚が原点にあり、ビジネスマンとして改善すべき点についてもこう指摘する。

「国内需要で成立してしまうからだと思いますが、日本だけが、いまだに鎖国されているように感じることがあります。実際、僕は以前から仕事でアジアのほかの国に行くことがよくありましたが、どこも世界に向けて動いているところばかりです。たとえば、韓国は日本よりも国土が小さく人口も少ないため、つねに外を見ています。そして、世界規模で稼ごうという姿勢が徹底しています。それは(アイドルグループなどの)育成の段階から始まっていますが、すべてが世界に向けた戦い方を基準にしているので、本当にすごいことだと思います。そういったこともあって、新しいエンタメ力を身に着けるためにどうしたらいいかと考えた結果、K-POPというジャンルを選ぶことにしました」

さらに、いい意味で“エンタメ業界の新参者”だからこそ、慣習にとらわれることなく自由でいられるのが、伊達の強みとも言えるだろう。

「いまお話したように日本は内側にばかり目が向いていますが、もっとポジティブにアグレッシブにいろんなことをやっていかないと、ほかに後れを取ってしまうと思います。僕のような新参者が言うのは大変恐縮ですが、日本のエンタメ業界にはいまだに足を引っ張ろうとする文化があり、さらにコンプライアンスにがんじがらめになっている部分が大きいので、これもいい加減やめたほうがいいのではないかなと。このままでは何も表現できなくなるだけでなく、どんどんエンターテインメントが育ちにくい土壌になってしまうのではないかと危惧しています。日本にはせっかくいいクリエイターがたくさんいるのに、それを活かしきれていないように感じます」

スピード感を重視し、わずか1年半でパク・ソジュン、T×Tらの招へいに成功

少子高齢化により、この先、人口は減っていく一方の日本。今までのように国内だけを見ていては現状維持すら難しいだろう。海外展開は必須だが、どの国でも新しい勢力への警戒はつきものだ。しかも、Birdmanはエンタメ業界においてわずか1年半というキャリア。韓国をはじめとした各国のエンタメ業界から思惑と実力と値踏みされ、警戒されるはずだ。にもかかわらず、初開催イベントに、どうして韓国のそうそうたるトップスターたちを呼ぶことができたのか。そこには、伊達の緻密な戦略があった。

「あまり知られていませんが、実は2022年の春頃からK-POPのイベントを毎月開催していました。とにかく続けて、経験を積み重ねてみようと。そしたら狙い通り、K-POP界隈でだんだん『Birdmanという会社が何かしてるぞ』みたいな噂が広がり始め、そこで一気に人脈も広がっていきました。そうなると、情報もどんどん入ってくるようになるんですよ。あとは、韓国側も若い会社と組んでみたいと思ってくださっていたようですし、上場していることで信頼もしていただけたのではないかなと。その後、2022年の10月にはMBCという韓国のラジオ局と一緒に『アイドルラジオフェス』を共催。1時間で席数を超える多数の応募があり、そこで初めて成功を実感できた気がします。あとは派手で象徴的なわかりやすいものを作ればうちへの吸引力もさらに増すと思ったので、バンテリンドームナゴヤでイベントをやろうと決めました」

[動画]パク・ソジュン、5年ぶりの日本「お久しぶりです」/KROSS vol.1-kpop masterz-

それが冒頭にも触れた「KROSS vol.1-kpop masterz-」のことだが、驚かされるのはスピード感の早さだ。

「チャンスを逃さないためにも、僕たちが一番大事にしているのはスピードです。特に、韓国のみなさんはとにかくスピード感のあるやりとりを重視していますから。韓国とのビジネスにおいては、これまでの殿様商売のようなやり方ではまったく相手にされないと思います」

そんななか、さらなる弾みをつけるためにも絶対に成功させたいのが、2月25日と26日に開催が決定している『KROSS vol.2』。前回以上に気合いが入っている様子が伺えたが、そこにはある理由があった。

ENHYPEN

ENHYPEN(エンハイプン)

「実は、『KROSS vol.1〜』では、予定していたメインアーティストが急に来られなくなって大変なこともありました。けれど、それよりも重く受け止めているのは、ファンの方々から価格設定や会場の設計、パフォーマンスの時間などについて、多くのご意見をいただいたことです。実際にどういった意見があったのかというのはすべて一覧にし、チェックさせていただきました。日韓との調整も含めて今は本当に課題だらけだと感じています。解決できることと、すぐには難しいことがありますが、次はそれらの反省点を生かしながら作っていきたいと、一所懸命取り組んでいるところです」

元キンプリの岩橋玄樹、OnlyOneOf、Weeeklyらが「KROSS vol.2」で豪華競演!

今回も、韓国のサバイバルオーディション番組から誕生したENHYPENや元King & Prince(キンプリ)の岩橋⽞樹など、国内外の注目アーティストが続々と参加することが発表されている。そのなかでも、vol.1に引き続いて登場するBLANK2Yは、Birdmanとはグロースパートナーシップ契約を締結しているアーティスト。7ORDERが本事業の第一弾アーティストとなっているが、これまでにない新しい形の契約としても話題となっている。

グロースパートナーシップ契約を結ぶBLANK2Yと伊達晃洋氏(左から4人目)

「グロースパートナーシップ契約というのは、基本的には会社とアーティストの対等な契約。戦略だけでなく、収支も含めたすべてをガラス張りにして一緒にやっていこうというスタイルです。従来のマネージメントを否定しているわけではなく、お互いに成長していくためにサポートし合うイメージで設けた、Birdmanならではの契約形態です。アーティストたちがなりたい自分たちになれるように、彼らの意思を尊重しながら実現に向けて動いていきたいと思っています。いまはまだ2組だけですが、今後はもっとたくさんのアーティストとグロースパートナーシップ契約を組んでやっていくのが目標です」

契約問題で揺れることが多い芸能界だけに、グロースパートナーシップ契約がさらなる広がりを見せれば、大きな変化を起こすきっかけにもなるかもしれない。すでに業界に風穴を開けつつある伊達だが、さらに新たな企画を進行中とのことで、韓国との共同製作による映画やテレビ番組の構想、日本初上陸となる海外フェスの開催などいくつもの案件を予定していると明かす。話を聞いているだけでも、思わずワクワクしてくるが、今後どのような“Birdman旋風”が巻き起こしてくれるのか、期待せずにはいられない。

「内容だけでなく、規模も含めて日本の芸能界におけるゲームチェンジャーになりたいと考えています。そのためには、キラリと光る個性だけで終わるのではなく、大きなことを巻き込んでいかなければ、変えることはできません。とにかくいまは、どんどんいろんなところにアプローチしていきたいと思っています。もともとクリエイティブとマーケティングを主体とした会社なので、エンタメと掛け算することによって、新しいプラットフォームで発信できることも多いのではないかなと。お客様に楽しんでもらうのはもちろんですが、スポンサーにも喜んでもらえるような仕組みをたくさん作っていきたいです。そして、アーティストには海外に羽ばたいていけるようなきっかけを提供できたらいいですよね。そのためにも、音楽だけでなく、映画やドラマなどさまざまな分野でチャレンジを続けていき、もっと日本、アジア、世界のエンタメの橋渡しができたらいいなと思っています」(text:志村昌美)

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