ジェーン・バーキンは語る。驚くべき時代の先駆者、セルジュ・ゲンズブール
#LGBTQ#アンディ・ウォーホル#ジェーン・バーキン#ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ#ジョー・ダレッサンドロ#セルジュ・ゲンズブール#フランス#フランソワ・トリュフォー
当時ローマ法王の逆鱗に触れた官能性、楽曲・映画共に大ヒット
作曲家・作詞家・歌手・俳優・映画監督・小説家として、後世に多大な影響を及ぼしたセルジュ・ゲンズブール没後30年を記念して、ゲンズブール初の映画監督作である『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 4K完全無修正版』が5月29日に公開される。これにあたり、主演のジェーン・バーキンのメッセージ動画が解禁された。
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本作のモチーフとなった楽曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」は、1969年に発表されたセルジュ・ゲンズブールの代表曲。ジェーン・バーキンとのデュエットソングであり、あまりにも官能的なために当時物議を醸し、ローマ法王が激怒。ヨーロッパのほとんどで放送禁止となったにも関わらず、本国フランス、日本を含め、世界的に大ヒットした。
本作はゲンズブール本人が初めてメガホンを取り、75年に映画化された作品だ。
舞台はアメリカの田舎を彷彿とさせながらも、どことはわからない文明社会のゴミ捨て場。ジョニーを演じるのはジェーン・バーキン。寡黙ながら知的なクラスキーを演じるのは、アンディ・ウォーホルに見出だされ、20世紀のNYカルチャーにおける最も有名なセックス・シンボルである美男スター、ジョー・ダレッサンドロ。
マイノリティが虐げられ、暴力や不条理が蔓延するおぞましい世の中。そこに生きる、愛を求める人々。随所に「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のインストゥルメンタル版を使用し、巧みな映像と音楽によって、愛の素晴らしさを美しく描き出している。
75年の公開時は映画監督フランソワ・トリュフォーからは絶賛されるも、赤裸々な同性愛の描写ばかりが強調され酷評を受けた。描かれた本質的な内容やユーモアは理解されず、イギリスでは上映禁止。日本でもすぐには公開されず、83年に性的なシーンは修正のうえ英語版でようやく公開、95年のリバイバル上映時にはやはり修正が加えられたものの、大ヒットを記録した。
こうして上映されるたびに修正を加えられるも、多くのファンに賞賛されてきた伝説の傑作がゲンズブール没後30年となる今年、待望の4K完全無修正版となり、鮮やかに美しくよみがえる。95年のリバイバル上映時と同様、寺尾次郎による日本語字幕での上映となる。
この度解禁されたメッセージ動画は、今年の4月19日にジェーン・バーキン本人によって撮影されたばかりのもの。「この作品はかなり時代を先取りしていて衝撃でした。興味深いことにフランソワ・トリュフォーがこんなことを言っています。“私の作品より『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』を観ろ”と。時代を先取った映画で、ジョーも時代の先駆者でした」と語っている。
高級メゾン・エルメスのバック<バーキン>が生まれるきっかけとなった存在で、ファッションアイコンとして今なおカリスマ的人気を誇るジェーン・バーキン。セルジュ・ゲンズブールとは「伝説的なカップル」と日本でもかつて大人気だった。色褪せぬジェーン・バーキンやジョー・ダレッサンドロの魅力を、時代の先駆者であった本作にて確かめてみたい。
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