『ホリミヤ』久保田紗友インタビュー

凛とした魅力でブレイク必至、注目女優を直撃

#ホリミヤ#久保田紗友

久保田紗友

あまり素直に自分を出せない部分は役と共通

劇場版『ホリミヤ』
2021年2月5日より1週間限定先行イベント上映
(C)HERO・萩原ダイスケ/SQUARE ENIX・実写「ホリミヤ」製作委員会・MBS
TVドラマ版『ホリミヤ』
2021年2月16日より放送スタート

HERO原作・萩原ダイスケ作画によるシリーズ累計600万部を突破した同名の人気漫画を実写化した『ホリミヤ』が映画&テレビドラマとして劇場公開・放送開始! 俳優・鈴鹿央士と女優・久保田紗友のダブル主演で、劇場版は2月5日公開、ドラマ版は2月16日よりスタートとなる。劇場版では映画『キスカム!〜COME ON,KISS ME AGAIN!〜』などの松本花奈監督がメガホンを取り、ドラマ版の第1~3話に撮り下ろしエクストラシーンを加えた内容になっている。

物語はクラスで地味なネクラ男子・宮村伊澄(鈴鹿)と優等生で明るい人気者女子・堀京子(久保田)が、偶然お互いの秘密を知った事から距離を縮めていく姿を描いた青春ラブストーリー。学校と私生活でギャップあるヒロイン・堀京子を伸び伸びと演じた若手女優の久保田が、作品への思いや20代を迎えた心境を語った。

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──ヒロインの堀さんは学校ではオシャレで今どきな女子の反面、家ではすっぴんで家事や弟の世話をこなす家庭的な女の子ですが、演じてみてどうでした?

久保:最初はどう演じわけたらいいんだろうって思いました。でも、私も高校生の頃はクラスで人気者なタイプではなかったけど友だちはいたので、それは何故だろうって考えた時に自分も素を出したりたくさん笑っていたからだろうなって思って。堀さんも、学校でも家でも自分を飾ったり取り繕ったりしていない子だと思ったので、根本では繋がっているなと思いました。

──誰に対しても明るくて、お願いをされたら引き受けたり、クラスにいたらつい頼りたくなる存在ですよね。自分との共通点は?

久保:不器用な部分はすごく自分に似ていて、人に対してどうやって思いを伝えればいいか悩むところや、あまり素直に自分を出せない部分はとても共通していると思いました。

──堀さんの弱点というか、そういうもどかしさも見ていて青春を感じました。演じるにあたってはどんなところを意識しました?

久保:最初は探り探りな部分もあったけど、鈴鹿君をはじめ他のキャストの方と演じたりしゃべったりしていく中でそれほど自分が堀さんに寄ろうとしなくてもいいんじゃないかと思いました。役作りを諦めたとかではなくて、自分の感覚の中で堀さんと似てる部分が結構見つかったので、そのまま演じようと。そうやって自分を受け入れられた瞬間があったので、今まで自分の見たことのない表情も映してもらえました。

久保田紗友

──久保田さんは21歳、メガホンを取った松本花奈監督は22歳です。監督が同年代というのは一緒に仕事をしていてどんな感じでした?

久保:歳が近い事もあって、リラックスして現場に行けました。でも、やっぱり監督なのでどういう風に見られているか緊張しました(笑)。(撮影時は)松本監督は私の2歳年上でしたが、あの歳で現場のトップにいるのは純粋に凄いですよね。

──凄いですよね。映画を見ていると思春期の心情が丁寧に描かれていて松本花奈監督らしいと思いましたが、演出で印象的な事はありましたか?

久保:松本監督は「こういう感じで」とご自分で演じて下さる方で、すっぴんを見られた時のシーンも原作では「ズーン」と(重い)感じでしたけど、もっとコミカルに「『見られた~!』みたいにやって!」と自ら例を出して下さったりしました。松本監督が演じている姿もとてもさりげなくて好きで、宮村君を覗くシーンでもゆっくりちょこんと演じて見せてくださり、そういうコミカルな可愛さがある方でした。

──2人がそうやって撮影している姿を想像すると和みます(笑)。

久保:和みますね(笑)。それを演じてる自分にもまた和みました(笑)。

久保田紗友

──劇中では宮村君と堀さんが互いの意外な一面を知るわけですが、宮村君を演じた鈴鹿さんはどんな印象でした?

久保:それこそ、鈴鹿君は最初つかみどころがなくて何て話しかければいいか正直分からなかったです。でも、意外と話しかけてくれたり、同い年だなと感じる所がありました。多分、そもそもの波長がとても合うんだと思います。お互いにそれほどしゃべるタイプではないので、だからこそ一緒にいて無言でも許せると言うか、無言が苦しくない関係でした。

──無言でも苦しくない関係っていいですよね。

久保:ですね(笑)。

20代となって最初の年、昨年は濃い1年でした

──1月18日に21歳の誕生日、おめでとうございます! 改めて、20代になって最初の1年を振り返るとどんな年でした?

久保:ありがとうございます。年上の方たちが言うように、10代から20代になった感覚はそれほど変わりませんでした。でも、この1年間はとても色々な作品に携わらさせていただいて、写真集の発売や映画『サヨナラまでの30分』の公開もありましたし、ドラマも立て続けに参加させていただいたり……緊急事態宣言で2ヵ月間も空白の期間があったにも関わらず濃い1年でした。

──ギュッと詰まった1年だったんですね。特に女優として何か感じた事は?

久保:ドラマの現場をやらせていただくことが多い中で、人って色々な事に慣れてくるじゃないですか。その慣れって怖いなと思いました。最初の頃は慣れるために一生懸命で、”慣れた”と実感するのはそれだけ成長できている証拠でもあると思います。でも、また新たなステージを目指していかないといけないな、と。そういう事を実感した1年でした。

──女優デビューから約8年を経て、色々な現場を経験したからこそそうやって自分を俯瞰して見られるようになってきた、というタイミングだったんでしょうね。2021年はほかにも公開を控えている映画がありますが、どんな1年にしたいですか?

久保:自分の可能性を広げたいです。学生の頃は色々な事を吸収して成長している感覚があったけど、20歳になってから前ほど自分の伸びしろじゃないですけどそういうものを感じなくなっていて。目標はあるし上を目指していく中で、改めて貪欲に頑張っていきたいと思いました。

ホリミヤ

──頑張ってください。最後に、映画の見どころをお願いします。

久保:『ホリミヤ』は1人1人が少しづつ前に進んでいこうとする作品で、みんな不器用だけどそれぞれの愛おしさがあります。学校という今思えば限られた世界だけど、相手の事を思いやり、思われ、仲間や好きな人と何かしたりそれによって傷ついたり、だからこそ成長したり刺激しあって前に進んでいく姿が、本当に瑞々しく温かく描かれた作品になっていますので、ぜひ注目して頂けたら嬉しいです。

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(text&photo:ナカムラヨシノーブ)

久保田紗友
久保田紗友
久保田紗友
くぼた・さゆ

2000年1月18日生まれ、北海道出身。12年に女優デビューし、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』(17年)、『過保護のカホコ』(17年)、『この世界の片隅に』(18年)、『M 愛すべき人がいて』(20年)、『先生を消す方程式。』(20年)など数多くのテレビドラマに出演し、現在は『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』に出演中。映画では『ハローグッバイ』(17年)、『サヨナラまでの30分』(20年)などに出演し、21年には『モルエラニの霧の中』やダブル主演作『藍に響け』などの公開が控えている。