『すべては君に逢えたから』東出昌大インタビュー

人気急上昇中のイケメン俳優を直撃! クリスマスの過ごし方は?

#東出昌大

今は必死だけど、振り返ったら楽しかったと思えるはず

イルミネーションがきらめくクリスマス直前の東京駅を舞台に、6つの物語が交差する映画『すべては君に逢えたから』。

嘘をきっかけに若手社長と出会った夢破れた女、仙台と東京の遠距離恋愛、母親と過ごすクリスマスを夢見る少女、余命わずかと知り息子との時間を大切に生きようとする運転士、気になる先輩に告白できない大学生、49年前のイブの約束を胸にしまい続ける女店主など、老若男女10人のさまざまな愛の形が綴られている。キャストも、玉木宏、高梨臨、木村文乃、東出昌大、本田翼、市川実和子、時任三郎、大塚寧々、小林稔侍、倍賞千恵子ら、ベテランから若手まで豪華なメンバーが揃う。

なかでも遠距離恋愛の物語に出演している東出は、現在、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』に出演中で、人気が急上昇している若手ホープだ。そんな期待の俳優に、本作での演技や遠距離恋愛について、気になるクリスマスの過ごし方について、話を聞いた。

──東出さんは『桐島、部活やめるってよ』(12年)で役者デビューされて、本作のほか、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』などにも出演されましたが、この1年ほどの間でどれくらいの変化がありましたか?

東出:目まぐるしくて、早くて(笑)。どんどん水が増水していって、流れが速くなっていってるなあ、と思いますね。さらに速くなるのかなあ、と。

──コントロールできない感じですか?

東出:一応、意志を持って漕いではいますが、頑張らないと沈んでしまうような。僕自身の変化といえば、素晴らしい方とご一緒できる機会が多いのですが、そういう方々は仕事に対して誠実だと思うので、自分もそうありたいと思います。どんどん必死になっていますが、振り返ったらきっと楽しかった、と思えるのではないかと。ただ、少し休みたいと思うこともありますが。でも、この間、ちょっと遅い夏休みがあって実家に2、3日戻ったのですが、そうするとなんだか寂しいんですよね。

──経験を重ねたことで、演技に対して意識が変わりましたか?

東出:今、『ごちそうさん』というNHK連続テレビ小説の撮影中で、1日のシーン数が多いのですが、「大事なことは、“撮ったものは忘れること”」とよく言われます。1つひとつを気にかけていると、頭がパンクしちゃうので。でも、ちょっとずつの積み重ねで、考えるべきことや、考えなくていいことを選り分けながら、やっているのだと思います。1年たって変わったこと、いろいろですね(笑)。

恋愛は“休めるところ”であってほしい
東出昌大

──本作『すべては君に逢えたから』は、ご自身初のラブストーリーだと伺ったのですが、演じてみていかがでしたか?

東出:面白かったです。拓実(東出昌大)と雪奈(木村文乃)のカップルは紆余曲折ありますが、好きという一貫した気持ちがあるので演じやすかったですね。

──照れくさいシーンはありましたか?

東出:撮影中は拓実になっているので、演じていて恥ずかしいということはないですけど、冷静に考えると「東出はしない!」というか(笑)。僕はそもそも人混みが苦手なので、クリスマスの東京駅はやっぱりすごい人でしょうし、本当に好きだからこそできることなんだろうなあ(笑)。

──演じられたことのなかで、東出さん自身、こういうのはアリかな、というのはありましたか?

東出:どうなんでしょうね。あんなことはしない、って言ってますけど、実際にはもっとすごいことするのかもしれないし(笑)。経験がないのでわからないですけど。

──監督からこういう風に演じてほしい、などの指導はありましたか? また、この現場で新しく吸収されたことは?

東出:台詞まわしがお芝居っぽくならないでほしい、っていわれました。日常生活のなかで、彼女からの電話に出るときに、あまり「もしもし」って言わないじゃないですか。そういう感じでいいと。それで、今回の役は、今までいただいた役のなかでは、いちばん自分に近かったんですね。年齢的にも近いし、仕事に一生懸命になっているというところも似ているし、人を愛することもわからなくはないので。等身大で演じられたので、腑に落ちたところも多かったです。それが新しい経験でしたね。

東出昌大

──拓実は仕事と恋愛の兼ね合いで悩んだ結果、彼女と共に歩もうとしますが、東出さんはどう思われましたか?

東出:本当に好きなんだなあと思いますね。仕事が忙しくて別れちゃうカップルは多いと思うので。遠距離恋愛の経験は僕にはありませんが、あの2人は遠距離ならではのよいところも見つけられたのがよかったですね。

──ご自身は、生活のなかで恋愛が占める割合はどのくらいですか? また、相手に尊重してほしい部分、あるいは尊重したい部分などはありますか?

東出:僕は、仕事は仕事、プライベートはプライベート、と分けるほうなので、家や友達関係にも、仕事を持ち込むことはしたくないですね。特に恋愛となれば、休めるところであってほしいので。そうでないとおかしくなっちゃいそうです、この仕事って。『クローズEXPLODE』(14年公開予定)の撮影中はすごく情緒不安定になってしまって。今後も長く仕事を続けていけば、そうなりかねないので。(役に入り込むという意味では)そうなってもいい部分もありますが、やっぱり恋愛やパートナーとなるのであれば、休みたいですね。

今までにいちばん悩まされたのは2人の監督と事務所の社長(笑)
『すべては君に逢えたから』
(C) 2013「すべては君に逢えたから」製作委員会

──拓実は宮城県の復興現場で働いていますが、きっと本木克英監督は東京のクリスマスの話だけでなく、復興の話を入れたかったのだと思いました。その希望を若手ホープである東出さんに託したようにも思えましたが。

東出:僕も以前に被災地に何度か行ったのですが、仙台空港の近くは初めてでした。石巻も南三陸も気仙沼も、復興が進んでいないところもあって、そこで頑張っている人たちも確かにいらっしゃって、それを若い拓実が表現しているのはいいなと思いました。話がそれてしまいますが、本当に難しい問題ですね。震災以降、やらなければいけないことはまだまだたくさんあると感じます。

──被災地に行かれたのはいつ頃なんですか?

東出:役者になる前です。役者になろうとも思っていないときで。だから、もちろん役作りではないのですが、予備知識が少しはあったことが今回は役立ったかもしれません。初めて行っていたら、きっと芝居どころではなくなってしまうので。

──この作品のタイトルは『すべては君に逢えたから』ですが、東出さんはこの人に会えたから今の自分がある、と思える人はいらっしゃいますか?
東出昌大

東出:いっぱいいます。ただ、この人に悩まされた、という人物を3人挙げるなら、吉田大八監督(『桐島、部活やめるってよ』)、豊田利晃監督(『クローズEXPLODE』)、うちの事務所の社長です(笑)。この1、2年で素晴らしい方々との出会いがたくさんあって、尊敬したり大好きな方はもちろん多いのですが、いちばん悩まされたのはこの3人ですね。悩むことが成長になっていればいいのですが、それはまだまだ先にならないとわからないので。豊田監督は哲学的というか、「台詞ってなんなんですかね?」と聞いたら、「それが台詞だ」と言われたり。皆さんのおっしゃっていたことをすべて理解できたわけではないのですが、それらが蓄積されていって、何かの折に、こういうことだったんだ、と思うこともあります。

──社長に悩まされるっていうのは、どういうことですか?(笑)

東出:事務所でワークショップをやったりしているので。あとは、社長がこれは見たほうがいいよ、と勧めてくれるお芝居や映画があるのですが、社長の好みでもあるんですけど、どれも役が「生きている」ものばかりで、素晴らしい作品をたくさん紹介されて圧倒されましたね。

しっぽりとクリスマスを過ごすのが理想。デートしたいなあ(笑)
『すべては君に逢えたから』
(C) 2013「すべては君に逢えたから」製作委員会

──話は変わりますが、東出さんは海外にもよく行かれるようですが、外国でクリスマスを過ごしたことは?

東出:ないです。ぜひ、そうしたいですね。ドイツに行ってみたい、ホットワインとか飲みながらお祭りを見てみたいですね。

──それが理想のクリスマスですか?

東出:人が多い場所が苦手なので、海外ならしっぽりやってるところもあるのかな、って思ったんですけど。うーん。キラキラっていうより、しっぽり、っていうほうがいいかなあ。

──今年のクリスマスはおそらくお仕事だと思うのですが、もし時間があったらこんな風に過ごしたい、というのはありますか?

東出:今年ですか? 仕事したいです(笑)。予定なんてないので!

──では、映画にちなんで、東京駅やクリスマスに関する思い出があれば教えてください。

東出:東京駅は、小学校の修学旅行の集合場所だったんですよ。それも、雪奈が“幸せの白い鳩”(※劇中での台詞)と呼んでいたあのドームの広場で体育座りして待っていたんです。今回、撮影で行ってみて、自分が大きくなったものだから、ここはこのくらいの広さだったんだ、と。

──まさかそこで演技することになるとは、ですね。

東出:そうですね。役者になった実感がまだわかないので。

東出昌大

──でも、いろいろな方から話しかけられたりするのではないですか?

東出:電車でこの間、母くらいの女性に話しかけられて。でも、呼ばれてもいまだに自分のことじゃないような。その方は、『桐島〜』を見てくださっていたみたいですが。よく気づいたな、と。まあ、デカいですからね(笑)。

──クリスマスの思い出は?

東出:僕、高校の3年間はずっと剣道の合宿で、クリスマスにデートしたことないんですよ。男同士で傷をなめあう、という感じでしたね。いずれしたいなあ、デート(笑)。クリスマスは子どもの頃から大好きなんですよ。サンタさんも。

──サンタさんはいつ頃まで信じてましたか?

東出:3歳上の兄がいるんですが、兄に聞かされて。それで、兄が「バラしたから。もう昌大も知ってるから」と親に伝えたら、母の態度がガラっと変わって、「あんたたち、今年は何が欲しいの?」って。小学校2年生くらいでしたね(笑)。

(text&photo=秋山恵子)

東出昌大
東出昌大
ひがしで・まさひろ

1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。2006年からモデルとして活躍したのち、『桐島、部活やめるってよ』(12年)で俳優デビュー。2013年にはNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』でヒロインの夫役を演じてブレイクし、翌年に『クローズEXPLODE』で映画初主演。その後も、『GONIN サーガ』(15年)や『デスノート Light up the NEW world』(16年)などの話題作で主演を務める。『聖の青春』(16年)では、第40回日本アカデミー賞優秀助演男優賞をはじめとする数々の賞を受賞した。そのほか、主な出演作は『散歩する侵略者』(17年)や『OVER DRIVE』(18年)、『菊とギロチン』(18年)、『寝ても覚めても』(18年)、『ビブリア古書堂の事件手帖』(18年)など。

東出昌大
すべては君に逢えたから
2013年11月22日より丸の内ピカデリーほかにて全国公開
[監督]本木克英
[脚本]橋部敦子
[出演]玉木宏、高梨臨、木村文乃、東出昌大、市川実和子、時任三郎、大塚寧々、倍賞千恵子、本田翼、小林稔侍
[DATA]2013年/日本/ワーナー・ブラザース

(C) 2013「すべては君に逢えたから」製作委員会