「庄司浩平写真集 だから、ぼくは」庄司浩平インタビュー

大ヒットドラマ『40までにしたい10のこと』でブレイクの注目株

#BL#写真集#庄司浩平

庄司浩平三

枠からはみ出すことにワクワクしちゃうタイプ

風間俊介主演の大ヒットしたドラマ『40までにしたい10のこと』で相手役・田中慶司を演じ、2025年8月まで放送していた『仮面ライダーガヴ』ではラキア・アマルガ/仮面ライダーヴラム役に扮し、ブレイクナンバーワン俳優と呼び声高い庄司浩平。

庄司浩平

「庄司浩平写真集 だから、ぼくは」発売中/3,300円(税込)/KADOKAWA

今、時の人である彼のセカンド写真集「庄司浩平写真集 だから、ぼくは」が、庄司自身26歳の誕生日である10月28日に発売される。ムビコレでは庄司にインタビューを実施し、写真集に込めた思いや撮影秘話、脚光を浴びる今の心境などを語ってもらった。

庄司浩平インタビュー動画「だらしない服の脱ぎ方も細部にこだわった」

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──写真集の発売が決まったときの感想を教えてください。

庄司:まず純粋に嬉しかったですし、読み物として面白い物を作りたいと思いました。写真集って1回見ると満足しちゃってなかなか2回目がないと思っているので、味変(あじへん)的に見る度に違うものになっていたらいいなと思ってます。人によって色んな受け取り方ができるものが作れたらと思って、文章をいくつかと写真という形で作っていきました。

──ご自身で書かれた文章がビジュアルとして膨らんでいく過程はいかがでしたか?
庄司浩平

庄司:楽しかったですね。僕は託すスタンスでいて、文章を作ってからは僕の意思はほぼ入れずにお任せしたんです。自分が予想していた形になったものもあれば、こんな風になったんだっていう部分もあって、とても面白いものができたと思います。

──庄司さんはもともと文学がお好きですが、本作を制作するにあたってインスピレーションを受けた作品はありますか?

庄司:梶井基次郎の「檸檬」ですね。当時の僕が純文学に凝っていたということもあるんですけど、掴みきれないけど最後は晴れ晴れする世界観を感じてもらえれば嬉しいです。写真集の最後の方に文庫本を持ってるカットがあって、それは実際に檸檬を持ってるんです。教科書や課題図書などで多くの方が触れたことがある作品がいいと思いまして、「スイミー」や「ごんぎつね」をもとにするのはさすがに難しかったので「檸檬」を選びました。

──本作は目線を外したモノクロのカットから始まって皮肉を込めたような文章もあって、ちょっとシニカルな雰囲気が非常に興味惹かれました。とくにこだわられたポイントなどはありますか?
庄司浩平

庄司:気に入ったカットは、上半身をベルトで縛られている写真です。基本的にはブラックコーデなんですけど、塗料を顔に塗って差し色が入っていて、シンプルにファッションシーンとしてすごく面白い絵ができたと思いました。それと、このベルトを締めた時も意外と動けたなっていう感覚があって、縛られてるのに実は自由があるみたいなところが、この後の文章に繋がる絵になっていると思うんです。縛られてるという事実は変わらないんですけど、「意外と動ける余裕がある面白さ」みたいな。抜け出そうと思えば抜け出せそうとか、そういった部分もこの写真に入っていていいなと思います。

──縛られている窮屈さから自由を求めているのは、ご自身を表すイメージなのでしょうか? 庄司さんのSNSなどを見させてもらっていて、言葉のチョイスも面白いですし、何か突破口や自由を求めていられるのかなと感じたのですが。
庄司浩平

庄司:2年程前までは「窮屈だな」と思うことは多かったんですけど、最近はこの写真のように、実はそれなりに遊びがあるって思ってます。この仕事をしてると制約ってそれなりにありますけど、それはこの仕事じゃなくても、ただ社会を生きるというだけでも大なり小なり皆さん感じているものですよね。やっぱり僕自身ちょっと枠からはみ出すことにワクワクしちゃうタイプではあるみたいです(笑)。

──文章でお気に入りの箇所はありますか?

庄司:この最後の「3年日記の最終年にいる。2年前は悪口。1年前も悪口。今日はハッピー」っていうところかな。実際に“3年日記”をつけていて、もちろん誰にも見せるつもりない個人的な日記なんですけど、23〜24年はまあ悪口がいっぱい書いてあって(笑)。ひどい言葉がいっぱいあって面白いんですけど、25年からは楽しそうにしていることが多くて。1年でこんなに劇的に変わるもんなんだって思ったので、そまま載っけちゃいました。

──撮影中のエピソードも教えてください。
庄司浩平

庄司:かなり暑い日もあったので、汗は本物の汗です(笑)。畳の部屋での撮影日も暑かったんですけど、エアコンもない中でスタッフの方がたくさんの小道具で世界観を作ってくれました。

──庄司さんご自身でアイデアを出したりもしましたか?

庄司:かわいいカニのマスコットがあって、それを置く位置を考えたり、服のだらしない散らかり方を探ったり、カメラマンの方と相談しながら撮っていきました。“作られたカオス”が美しいのであって、本当にだらしないのはいただけないので(笑)。

──庄司さんご自身は整理整頓はお得意ですか?

庄司:一人暮らしをしてからは整理整頓するようになりましたけど、実家帰るとやらないです(笑)。父もきれい好きだし、母からは毎日片付けるように言われつつ、僕はあんまり得意じゃなかったんですけど、(今は)やらなきゃ誰もやってくれないので。環境がそうさせますね。コツは友だちを呼ぶこと。あまり整ってないところに呼んで、「なんだこいつ、私生活終わってんな」って思われるのも悲しいので、「仕方ないからやるか」みたいな(笑)。特に水回りはちゃんとやるようにしてます。

──水回りがこだわりなんですね。

庄司:一度、知人宅を大掃除することがあって、ぬいぐるみを洗ったり、色々したんですけど、そのとき水回りがすごくて。そのときに「僕はこうならないぞ」っていう強い意思を持ちました(笑)。

慶司は僕にとって、すごく近くに寄り添ってくれた存在

──この写真集は、26歳のお誕生日に発売となりますけれど、今までの誕生日で1番印象的なエピソードやプレゼントがあれば教えてください。

庄司:何かなあ。ちっちゃい頃は本もらっていて、ミニバス(ミニバスケットボール)を始めてからはバッシュ(バスケットボールシューズ)を買ってもらって、プレゼントは基本固定でしたね。記念事や誕生日やクリスマスに家族で行くレストランがあって、一人暮らしするようになってからも1人で行くことがあるんです。親に連れて行ってもらっていたお店に自分のお金で行けるよになって、ひとつ大人になったなみたいな感覚が最近味わえるようになりました。

──大ヒットしたドラマ『40までにしたい10のこと』についても質問させてください。改めて振り返って、庄司さんにとってこの作品はどういう存在になりましたか?

庄司:本当に貴重な時間を過ごせたと改めて思ってます。作ってる最中は僕を含めて制作陣も、「これを大ヒットさせてすごい数字を叩き出してやろう」などとは思わなかったのですが、放送が始まって想像以上の多くの方に見ていただいて、評価いただいて、そんな機会に恵まれたことが嬉しいです。BL作品に触れたことが無い方にも、逆に原作のファンの方にも届いたのかなって思ってます。

──私も原作ファンだったんですが、ドラマにもハマって楽しく見させていただきました。
庄司浩平

庄司:それはとても嬉しいです。(撮影時は)『仮面ライダー』もやっていましたし、慶司の髪型が原作とは違ったり、当初はいろんな捉えられ方をされるだろうなとは思いました。撮影で言えば、2ヵ月にも満たない時間でしたけど、慶司で僕のことを知ってくださった方がいて、慶司は僕にとって、すごく近くに寄り添ってくれた存在です。

──今、旬の俳優として注目されていることに関してはどう感じられていますか?

庄司:う〜ん、自分自身の変化は特にないです。周りが急激に変わっていったなとは感じますけど、自分の身の置き所は変えないようにしようって思っているので。でも、(私生活で)スーパーで割引きクーポンを必死に出してる姿を見られるのはちょっとキツいなって思ったりはしますけど(笑)。
僕がカメラの前に立つのが好きか嫌いかとか、目立つ位置にいるのが好きか嫌いかっていう個人的な部分は置いておいて、役者として生きていくって決めた以上はスポットライトが当たる位置にいないと飯が食えないっていうビジネス的な側面はあるので、まずそこに立つ経験ができたことはすごく貴重だなと思います。

──今は20代後半ですが、“30までにしたいこと”があれば教えてください。
庄司浩平

庄司:いっぱいあるんですけれど、ショーのモデルはどこかでチャレンジする機会があればと思ってます。体型や身長など幸い条件はなんとか満たしていると思うので、何かのきっかけでショーを椅子で見るんじゃなくて、モデル側として舞台に立てれば嬉しいです。

──それは表現者としてですか?

庄司:やっぱり憧れているからですね。実際にミラノやパリに行くと、ファッションウィークなんて街中に奇跡的な等身の人たちがたくさん歩いていて、ショーを見て自分もこうなりたいと思ったんですが、僕は選ばれなかった側で、電車に乗って安いホテルに帰ってしょっぱい思いをして…。またショーに出られたら違う景色があるだろうし、日本であったヨウジヤマモトさんのショーに出させてもらったときはステージ裏の喧騒が面白くて興奮して。ほんとに一瞬なんですよ。準備は朝から集まっていろいろとやるんですけど、ショーが始まったらものの15分や30分で終わっちゃって、大勢の人がその瞬間にものすごいエネルギーをかけてるっていうのがすごく面白くて、その場所にまた行けたらいいなと思います。

──では、最後にこの写真集を見られるファンの方にメッセージをお願いします。

庄司:改めて日頃応援していただいて本当に嬉しく思います。今回はセカンド写真集ということで、またファースト写真集とは違ったアプローチを色々やってるのでそこは楽しんでいただきたいです。短いながらもキャリアを積んできた中で、1つの通過点として25歳の時に撮り、26歳で発売する本として、これまでとこれからが見える写真集だったら良いなと思うので、ぜひ手に取って楽しんでいただけたら嬉しいです。

(text:入江奈々/photo:小川拓洋)
(ヘアメイク:清末めぐみ/スタイリスト:平松正啓)

庄司浩平
庄司浩平
しょうじ・こうへい

1999年10月28日生まれ、東京都出身。2019年10月、男劇団 青山表参道Xメンバーに加入。20年に『魔進戦隊キラメイジャー』で俳優デビュー。以降、俳優・モデルとして幅広く活動。22年1月、Yohji Yamamoto POUR HOMME 22-23AW COLLECTION パリコレクションに出演。25年、エランドール賞授賞式にて「アクターズセミナー賞」を受賞。25年に『仮面ライダーガヴ』に出演。また『40までにしたい10のこと』(25年)にも出演し注目を集める。