抱き合う夫妻をのぞく男——江戸川乱歩の幻想的でエロティックな視点を改めてとらえ直す!

#エロティック#江戸川乱歩#白昼夢

(C)2025「白昼夢」パートナーズ
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江戸川乱歩没後60周年記念作品『RAMPO WORLD』と題して乱歩の作品を原案に設定を現代に変え、オリジナル解釈を加えた3本の作品が順次公開される。そのうち、乱歩の十八番でもある「のぞき」から生まれる妖艶な物語、『白昼夢』の内容が話題となっている。

・妻を他人として抱くという“遊び” イビツな愛の行方は? 江戸川乱歩没後60周年作品

白昼の悪夢か、現実か。夢と現実が交錯する甘美な世界

本作の原案となったのは、主人公の男が妻を殺し、その遺体を蝋人形として飾ったと告白する、夢と現実の境界が揺らぐ物語『白昼夢』(1925年「新青年」掲載)、そして湖畔の旅館の大浴場に“のぞき装置”を仕掛けた主人公が、そこで起きた殺人事件の一部始終を目撃するも、死体が忽然と姿を消すという謎を描いた『湖畔亭事件』(1926年「サンデー毎日」連載)。

この2作に脚色を加え、ひとつの作品として現代に新たに蘇らせたのがこの『白昼夢』だ。

(C)2025「白昼夢」パートナーズ

塾講師の渡会(見津賢)には、誰にも言えないある病癖があった。それは、人前で決して見せることのない顔を覗き見た時、この上ない快感を得るというものだった。

そんな渡会が住むマンションの階下に、真柄夫妻が越して来たのは今年の春のことだった。渡会は、夫妻が済む部屋に覗き穴を作り、その生活を覗き見るのが日課となっていた。

妻の華恵(上脇結友)は大学の准教授となり出世する一方で、夫の太郎(宮田佳典)は非常勤講師として働いているようだが、夫婦仲は悪くないようだった。

しかしある日、渡会がいつものように階下の様子を覗き見る中で、華恵の知らなかった太郎の秘密が明らかになる……。

主人公の渡会が何かを覗いている姿が印象的なポスタービジュアルには、渡会の階下に住んでいる真柄夫妻が抱き合う姿が映り、妻の華恵は何かを訴えるかのような表情を浮かべている。

さらに本予告は、カチカチとピントを合わせるような機械音が響く中、ある病癖を持つ渡会が階下の真柄夫妻の日常を覗き見するシーンからスタート。

華恵と太郎の穏やかな日常が続くかと思いきや、渡会は太郎のある秘密を知ってしまい、渡会と華恵の関係が静かに動き出すのだが……。

これは、白昼の悪夢か。それとも、現実か。夢と現実が交錯する甘美な世界が繰り広げられる。

『白昼夢』は2025年10月31日より公開。