ロバート・デ・ニーロの“トランプ批判”で開幕早々波乱!? 第78回カンヌ国際映画祭がスタート

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VARIETYより
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トランプ米大統領が提案する外国映画への100%関税について「こうした攻撃は容認できない」

第78回カンヌ国際映画祭が13日(現地時間)に南フランスのカンヌで開幕し、初日から名誉パルムドール受賞のロバート・デ・ニーロによるトランプ関税の批判をはじめ、政治的な発言も飛び交う波乱のスタートとなった。

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13日の開会式で、名優ロバート・デ・ニーロが名誉パルムドールを受賞。かつて主演作『タクシードライバー』(1976年)がパルムドールを受賞した1970年代から現在に至るまで数々の名作に出演し続けたキャリアを称え、彼を師のように慕うレオナルド・ディカプリオがプレゼンターを務め、「デ・ニーロの影響で俳優を志した」と尊敬と感謝を述べた。

しかし、最大の話題はデ・ニーロのスピーチでの政治的発言。ドナルド・トランプ米大統領が提案する外国映画への100%関税を「こうした攻撃は容認できない」「これはアメリカだけの問題ではなく、世界的な問題だ」と痛烈に批判した。

「芸術は人々を結びつける試練の場です。芸術は真実を探し求め、多様性を受け入れます。だからこそ、芸術は脅威なのです「だからこそ我々は独裁者やファシストにとって脅威なのです」とも語ったデ・ニーロは「ただ傍観しているわけにはいかない。私たちは行動を起こさなければならない。今すぐ行動を起こさなければならない」と強調した。

映画祭開幕前日の5月12日、リチャード・ギアやスーザン・サランドンら380人以上の映画関係者が、ガザでの「ジェノサイド」を非難する公開書簡を発表。オープニング・セレモニーではコンペティション部門審査員長のジュリエット・ビノシュが、映画祭に参加予定していたパレスチナ人フォトジャーナリスト、ファトマ・ハソウナが4月中旬に空爆で命を落としたことに触れ、「芸術は残る、芸術は生き続ける」と映画祭のオープニングを彼女に捧げた。

今年はレッドカーペットのドレスコードに変更があり、ネイキッドドレス(露出過度なデザイン)や極端に裾が長いドレスの着用が禁止となり、例年に比べてやや控えめなファッションが増えた。そんな中、ある視点部門で上映された石川慶監督の『遠い山なみの光』の広瀬すずはルイ・ヴィトンの白のドレス、吉田羊は赤と白の着物で登場し、新ルールに沿いつつ個性を活かしたスタイルが注目された。

今年は『遠い山なみの光』以外にも、コンペティション部門に『ルノワール』(早川千絵監督)、ある視点部門に『恋愛裁判』(深田晃司監督)、カンヌ・クラシック部門で『天使のたまご 4Kリマスター』(押井守監督)が世界初上映されるほか、監督週間では『国宝』李相日監督)が上映される。

映画祭は5月24日まで開催され、最終日のクロージング・セレモニーで各賞が発表される。