45歳以上の未婚者は市民権剥奪！清く美しく輝く、とあるディストピアの物語

#いとうあさこ #ブチョン国際ファンタスティック映画祭 #佃典彦 #佐々木想 #保永奈緒 #大方斐紗子 #宍戸開 #鈴木さん #映画 2021.12.21

（C）映画「鈴木さん」製作委員会

いとうあさこを主演に迎えた、賛否を巻き起こす意欲作

様々な国際映画祭で話題を呼んだディストピア映画『鈴木さん』が、2022年2月4日より全国公開される。これに先がけて本作の予告編が公開された。

日本映画としては稀有なディストピア映画であり、多くの人がタイトルから想像・予想するであろう作品世界を裏切る本作。第25回ブチョン国際ファンタスティック映画祭や第11回北京国際映画祭などの海外の国際映画祭で映画賞を受賞、昨年の第33回東京国際映画祭でも上映され、大きな反響を呼んだ。

舞台となるのは、現人神である「カミサマ」を国家元首にいただき、清く、美しく輝けるとある国のとある街。少子化にあえぐこの街では、45歳以上の未婚者は市民権を失うという条例が制定されており、市民権を剥奪されると、街を出て行かなければならない。あるいは、軍に入隊し、強制的にお国のために働く道を選ばなければならない。

この街で介護施設を営んでいる未婚のよしこは、45歳を目前に控え、この街から排除される不安を抱えながら日々暮らしていた。市民権を得ることを諦め、街を出るという選択もあるが、彼女は施設に入居している老人たちを見捨てることはできない。そんな中、老後施設に1人の身元不明の中年男性が突如として迷い込んでくるのであった…。

メガホンをとったのは、佐々木想。自主制作映画『ぴゅーりたん』（08年）が、2009年、第31回ぴあフィルムフェスティバルに入選するほか、第28回バンクーバー国際映画際にて、ドラゴン＆タイガー・ヤングシネマ・アワード（アジア新人監督賞）にノミネートされるなど、海外でも評価を得ている新進の監督だ。大胆な発想と鋭敏な感性で唯一無二の世界観を構築し、賛否を巻き起こすであろう比類なき映画を作り上げた。

主演はお笑いタレントのいとうあさこ。共演に、佃典彦、大方斐紗子、保永奈緒、宍戸開など、個性的な俳優陣が顔をそろえている。

公開された予告編は、呪術的な音楽とともに、“カミサマ”の肖像画がゆっくりと現れるところからスタートする。続いて生い茂る草むらをかき分ける謎の男、のっぺりした表情をした3人の中年男性、「鈴木」と口々に発する3人の老婆などが次々と映し出され、不穏な雰囲気を醸し出している。

その後、「“カミサマ”の肖像画には礼拝を」「髪の毛は七三分けに」「手首に刻まれた個人番号」など、この国が理想郷たる所以の様々な条例や慣習が紹介される。

『鈴木さん』は2022年2月4日より全国公開される。