後編/多部未華子で笑うか、板野友美で怯えるか。やや寂しい今週のランキングはどうなる!?

#週末シネマリサーチ

『のぞきめ』
(C)2016「のぞきめ」製作委員会
『のぞきめ』
(C)2016「のぞきめ」製作委員会

【週末シネマリサーチ】〜週末公開作のランキングを予想!〜
(…前編より続く)

△【10位予想】『のぞきめ』
三津田信三の同名小説を『トリハダ』シリーズの三木康一郎監督が映画化。元AKB48の板野友美が、テレビ局の新米ADとして事件の取材に関わり、恐怖の世界に飲み込まれていく女性を演じる。

元AKB48でホラー映画出演といえば、前田敦子が主演を務めた『クロユリ団地』(13年/松竹)が思い浮かぶ。全国162スクリーンで公開され、初週土日動員は11万9000人で初登場1位を記録した。また現役では、島崎遥香主演の『劇場霊』(15年/松竹)が全国266スクリーンで公開され初週土日動員4万4000人という数字。

本作は約100館での上映。精力的なプロモーションを展開しており、3月に入ってからも10日の東京での完成披露上映会を皮切りに、大阪、富士急ハイランドなどでイベントを開催し、ニュースやワイドショーなどでかなりの露出があった。上記作品より公開規模は小さいが、ホラー括りでどの程度の数字を記録するのは注目だ。

【注目シネマ】
*『蜜のあわれ』
作家の室生犀星が晩年に発表した小説を、映画『シャニダールの花』の石井岳龍監督、二階堂ふみ主演で映画化。二階堂扮する金魚の赤子と老作家との不思議な関係に、真木よう子演じる幽霊が絡み独特の世界観と会話で物語が展開していく。

約25館での公開と規模は小さいが話題性は高い。二階堂ふみと真木よう子が金魚ダンスを披露している特報は「エロティック」と評判になり反響を呼んでいる。どちらも映画ファンからは支持が高い女優であり、大杉漣と共に玄人受けする作品に仕上がっている。

*『下衆の愛』
映画『グレイトフルデッド』で強烈な個性を発揮した内田英治監督の最新作。自主映画の世界でうごめく人々の人間模様をリアルに描く。主演の渋川清彦をはじめ、でんでん、忍成修吾、木下ほうか、津田寛治ら、こちらも『蜜のあわれ』同様、映画ファンにはたまらない個性派俳優たちが集結している。

テアトル新宿での単館上映からスタート。陰鬱としたインディーズの世界を題材に「下衆」な人々の心意気が痛快。良作を上映するテアトル新宿にファンが押し寄せる姿が想像できそうな、におい湧き立つ映画だ。(文:磯部正和/映画ライター)

磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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