エロティックな宮沢りえを永瀬正敏が絶賛!

40年以上に渡るキャリアを誇り、各方面から高い評価を得る写真家・操上和美(くりがみかずみ)。17日夜、彼が初メガホンを取った『ゼラチンシルバーLOVE』(09年早春公開)の完成披露が行われ、操上監督とキャストの宮沢りえ、永瀬正敏が舞台挨拶を行った。

20年近く前から、監督に写真を撮ってもらってきたという宮沢。「初めて映画を撮られると聞いて、台本も内容も聞かずに『絶対出たい!』と出させていただきました。今までにない刺激的な現場で、完成した作品は『あぁ、操上さんだな』と(笑)」。

一方、監督とは初顔合わせの永瀬。「初めてお会いしましたが、憧れていた伝説の人でした。今回は、監督の世界に居させてもらっただけで幸せでした」と、出演の喜びをかみしめていた。

スタイリッシュな映像が印象的な本作。中でも、クールなヒロインを演じた宮沢が、ゆで卵を食べるシーンのエロティックさは秀逸だ。何度も登場するこのシーンについて、宮沢はこう語る。「当分、ゆで卵は見たくないというくらい沢山食べました(笑)。監督から『エロティックに』と言われたので、自宅で秒数を計って作ってみて、1人でHに食べる練習をしたりも……。でも、本番になってみると、自分では思いもしない動きが出るんですね。指をなめたり、やっちゃうもんだなぁと……」と笑い、最後に、「美術の方がものすごく研究してくれたみたいで、実はすごく美味しくゆでて下さったんです」と付け加えた。

ゆで卵のシーンを使った意図について監督は、「ゆで卵を食べることは、言ってみれば儀式。卵はパーフェクトな形で、ある種のエロティックさがある。その儀式を通して、人間がトランスファーしていくということなんです」と語っていた。

そんな“エロティックな”宮沢をずっと見続け、ビデオカメラで撮り続ける“元写真家”を演じた永瀬は、「ひたすら見続けるという役ですが、見続けたいと思える現場で、思える人(宮沢)で、思える監督との仕事だったので光栄でした。宮沢さんの全てにエロスを感じました。ただ歩いているだけで色っぽいんです。さすがです!」とコメント。宮沢の魅力について聞かれると、照れながら「見れば分かるじゃないですか」と答えていた。

主題歌は井上陽水の「LOVE LILA」。井上を起用した理由について監督は、「好きだから。映画の中にあまり沢山の要素を入れたくなかったのですが、キーとして、最後に印象に残る音楽を入れたかったんです」と語った。会場では井上のコメントも読み上げられた。

「操上さんの精神構造のコアな部分はきっとロックなんだと思います。映画を撮ると聞いて、きっと通常パターンではおやりにならないと思っていましたけど、とても斬新な作品でした。操上さんの映像美の集大成といえる作品だと思います」

(舞台挨拶時の写真。上:左から操上和美監督、宮沢りえ、永瀬正敏/下:宮沢りえ、永瀬正敏)

【関連記事】
『ゼラチンシルバーLOVE』操上和美 監督、永瀬正敏、宮沢りえ 舞台挨拶
『ゼラチンシルバーLOVE』(09年早春、銀座テアトルシネマほかにて公開予定)公式サイト