ウォン・カーウァイ監督伝説のはじまり『欲望の翼』の13年ぶり上映が決定!

#欲望の翼

『欲望の翼』ポスタービジュアル
(C) 1990 East Asia Films Distribution Limited and eSun.com Limited. All Rights Reserved.
『欲望の翼』ポスタービジュアル
(C) 1990 East Asia Films Distribution Limited and eSun.com Limited. All Rights Reserved.

『恋する惑星』(94年)、『天使の涙』(95年)、『ブエノスアイレス』(97年)と一連の作品で伝説を築き上げたウォン・カーウァイ監督の、監督2作目にして、伝説のはじまりとも言える『欲望の翼』(90年)がデジタルリマスター版として2018年2月に全国順次公開されることがわかった。

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本作は1960年代の香港を舞台に、若者たちの恋愛模様を描いた群像劇。第10回香港電影金像奨で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(レスリー・チャン)を受賞。それまでの香港映画と一線を画す浮遊感と疾走感の入り混じる語り口と映像美。レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、トニー・レオン、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュンといった当時「香港映画史上最初で最後」と言われた6人のトップスターを起用したキャスティング。そしてモノローグを多用し、時系列に沿わないストーリーと印象的な音楽。

カーウァイ監督独特のスタイルが確立された原点と言える作品で、そのスタイルは冒頭で記した『恋する惑星』『天使の涙』『ブエノスアイレス』のみならず、『花様年華』(00年)、『2046』(04年)など多くのカーウァイ監督作品へと引き継がれた。

そんな『欲望の翼』だが、2005年以降日本での上映権が消失しており、今回、公開劇場となるBunkamuraル・シネマが今年初夏に開催したウォン・カーウェイ特集上映でもその上映は叶わず、スクリーンでの上映は実に13年ぶりとなる。「あの時にしか生まれ得なかった」奇跡の傑作が、制作から28年の時を経て新たに疾走をはじめる。

到着したポスタービジュアルも、カーウァイ監督の手によって当時の香港の空気感をそのまま閉じ込めたかのようなビジュアルとなっており、主人公ヨディ(レスリー・チャン)がスー(マギー・チャン)に語りかけるセリフで、ポスターにも記されている「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない」も印象的だ。

『欲望の翼 デジタルリマスター版』は2018年2月よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開となる。