前編/目指したのは『となりのトトロ』の普遍性! アイルランド発の家族の物語
 
                                            (C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Nørlum
【映画を聴く】『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』前編
誰もが恋に落ちる歌姫!の新たな魅力を発見
第87回アカデミー賞 長編アニメ映画賞にノミネートされたトム・ムーア監督の2014年作品『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』が、いよいよ日本でも公開される。ひとつひとつのカットが手の込んだ絵本のように美しく、昨今のアート・アニメーションの進化ぶりを垣間見ることのできる作品だが、その映像美を引き立てるアコースティックな風合いの音楽もまた素晴らしい。
中心に据えられている楽曲は、リサ・ハニガンの歌う「Song Of The Sea」だ。一度聴いたら忘れられないシンプルでメランコリックなメロディを、彼女は静かに呟くように歌う。楽曲はフランス人作曲家、ブリュノ・クレによるオリジナル。この曲に限らず、彼による本作のスコアは一貫して静寂に包まれているが、そこには優しさと厳しさ、温かさと冷たさ、懐かしさと新しさなど相反する感情がつねに同居する。アイルランドの海そのもののようでありながら、ハニガンが演じる母親、ブロナーの母性にも通じるところがあり、ただの劇伴以上の役割を担っている。
いっぽうでところどころに挟み込まれるアイルランドのバンド、キーラによる伝統的なアイリッシュ・ミュージックの演奏が、作品にほどよい明るさや楽しさを加えているところも見逃せない。さり気なく入れられたバグパイプやフィドルの音色が、見る者をアイルランドの遠海へと連れていってくれる。
リサ・ハニガンは、アイルランド・ダブリン生まれのシンガー・ソングライター。2008年のデビュー作「Sea Sew」の大ヒットで一躍アイルランドの歌姫となった人だが、本作では母親でありセルキー(アザラシの妖精)でもあるブロナーという難役を、驚くほど自然体で演じている。かつて音楽誌で“誰もがリサと恋に落ちる”という見出しが踊ったほどの美人さんだけに、本作での声優を足がかりに映画界での活動にも期待したいところだ。(後編「吹替版はEGO-WRAPPIN’の中納良恵」に続く…)
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